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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | アルコール摂取、特にワインやビールに含まれるヒスタミンや亜硫酸塩が、喘息発作を引き起こしたり症状を悪化させたりするというのは本当ですか?

要点:

アルコール飲料、特にワインやビールに含まれる亜硫酸塩やヒスタミン、さらにエタノールそのものは、感受性のある人で喘息症状を誘発・悪化させることがあります。多くは飲用後15〜30分で咳や喘鳴が出現し、回避(低亜硫酸塩・低ヒスタミンの選択)やリリーバー携帯、必要に応じ専門医評価が推奨されます。

アルコール飲料(とくにワインやビール)に含まれる成分が、ある人では喘息症状を引き起こしたり悪化させたりする可能性はあります。主な関与因子として「亜硫酸塩(亜硫酸/メタ重亜硫酸など)」と「ヒスタミン(発酵産物)」が挙げられ、さらにエタノール自体の作用も関係することがあります。 [1] [2] [3]

なぜ影響が出るのか

  • 亜硫酸塩(Sulfites)
    ワインやビール、乾燥果物、ボトル入りレモン/ライム果汁、えびなどに保存料として使われます。感受性のある人では、摂取15〜30分ほどで喘鳴・息苦しさなどの急性の気道反応を起こすことがあり、まれに重症化します。 [2] [4]
    喘息の方では一般人口より亜硫酸塩感受性が多いとされ、吸入器・注射薬などの医薬品に含まれることでも反応しうる点に注意が必要です。 [5] [6]

  • ヒスタミン
    ワインやビールなどの発酵・醸造過程で生じる副産物です。ヒスタミン反応性が高い人では、飲酒後すぐに鼻づまり、顔の紅潮に加えて気管支収縮(息苦しさ)が誘発されるケースが報告されています。 [1] [3]
    また、食品由来ヒスタミン(例:不適切保存の魚に多い)でも、食物アレルギーに似た症状を起こすことがあります。 [7]

  • エタノール(アルコールそのもの)
    経口摂取のエタノールは、体内で気道収縮を促す物質の生成や放出を誘発し、ヒスタミンH1受容体を介する反応の関与が示唆されています。 抗ヒスタミン薬で症状が大きく軽減した例もあります。 [3]
    アレルゲン曝露の直前の飲酒が、気道過敏性や炎症を高め、喘息応答の悪化を招く実験的データ(動物)もあります。 [8]


どのくらいの頻度で起こるのか

  • 亜硫酸塩は、全喘息のうち一定割合(文献では5%以上とする報告あり)で急性症状を誘発しうるとされています。 [5]
  • 特定の体質(例:アスピリン過敏喘息など)では、亜硫酸塩反応がより多い可能性が示されています。 [9]
  • 食物は一般的には喘息の主要トリガーではありませんが、亜硫酸塩を含む食品・酒類は一部の人で症状悪化の引き金になり得ます。 [10] [2]

症状の出方とタイミング

  • 多くは飲用後15〜30分で咳、喘鳴、息切れなどが出現し、時に重症化します。 [4] [11]
  • 鼻閉・紅潮・胸部圧迫感などの自律神経症状や蕁麻疹を伴うこともあります。 [11] [6]

実際に起こりうるメカニズムのまとめ

  • 亜硫酸塩: 気道への刺激→反射性副交感神経活性化や硫酸化合物の代謝酵素(硫酸酸化酵素)機能差などの「擬アレルギー」的機序、場合によりIgE介在機序も示唆。 [12]
  • ヒスタミン: 発酵産物のヒスタミンや内因性ヒスタミン放出によりH1受容体を介した気道収縮。 [3]
  • エタノール: 経口摂取で気道収縮性メディエーターの生成・放出が増え、飲酒量が少量でも誘発されうる体質の人がいます。 [3]

どんな飲み物・食品に注意?

  • 高亜硫酸塩: ワイン・ビール、乾燥果物、ボトル入りレモン/ライム果汁、えび、漬物、加工ジャガイモなど。 [2]
  • ヒスタミンが多くなりやすい: 赤ワインなどの発酵・熟成酒類。一部のビールでもヒスタミンが問題になります。 [1]

比較表:喘息に影響しやすい飲食物要素(概要)

要素主な含有源起こりうる影響典型的な発現時間補足
亜硫酸塩ワイン/ビール、乾燥果物、ボトル果汁、えびなど喘鳴・息切れ、重症化例あり15〜30分感受性は喘息でやや高めと報告あり [2] [4] [5]
ヒスタミン発酵酒(赤ワイン等)鼻閉・紅潮+気管支収縮直後〜数十分ヒスタミン反応性が高い人で顕著 [1] [3]
エタノールアルコール全般メディエーター誘発による気道収縮直後〜2時間抗ヒスタミン薬で軽減例あり [3]

[2] [4] [5] [1] [3]


対応のコツ(一般的な考え方)

  • 誘因の記録
    飲酒種類(赤/白ワイン、ビールの種類)、量、発症タイミング、症状をメモし、どの成分で出やすいかのパターンを探します。 [13]
  • 回避・低減策
    • 反応する場合は、亜硫酸塩の多い飲み物や食品の摂取を控える/ラベルで確認するのが有効です。 [2]
    • ワインでは、低亜硫酸塩表示や無添加のもので症状が軽い人もいます(個人差あり)。
    • ヒスタミンに反応しやすい人は、発酵度の高い赤ワインや一部のクラフトビールを避ける方法があります。 [1]
  • タイミングに注意
    アレルゲン暴露が予想される場面(ハウスダスト、ペット、花粉シーズン等)の直前は飲酒を控えると悪化を避けやすい可能性があります。 [8]
  • 薬の準備
    かかりつけで指示された短時間作用型気管支拡張薬(リリーバー)を携帯し、指示どおりの吸入回数で対応します。必要時は医療機関で個別のアクションプランを作成しましょう。 [13]
  • 追加評価が役立つケース
    飲酒のたびに喘鳴や息切れが出る、少量でも強く出る、失神や広範なじんましんを伴うなどの場合は、専門医での亜硫酸塩経口負荷試験やアスピリン過敏の評価などの検討が考えられます(負荷は必ず医療監視下で)。 [4] [9] [5]

よくある質問への補足

  • 食物は一般に喘息の最も一般的なトリガーではありませんが、亜硫酸塩を含む食品・酒類は一部の人で症状を誘発することがあります。 [10] [2]
  • “本物の食物アレルギー”とは別に、添加物や発酵産物(亜硫酸塩やヒスタミン)による不耐/過敏で反応が出ることがあります。 [1] [7]
  • エピソードが反復する人では、真の食物アレルギー、アスピリン/NSAIDs過敏、GERD(逆流)など他の併存因子の確認も有用です。 [14] [5]

まとめ

  • 「本当か?」への答えは、はい、感受性のある人では本当です。 ワインやビールに含まれる亜硫酸塩やヒスタミン、さらにはエタノールそのものが、喘息発作や症状悪化の引き金となり得ます。 [1] [2] [3]
  • ただし全ての人に当てはまるわけではなく個人差が大きいため、記録と試行による見極め、回避策の工夫、必要に応じた専門医評価が役立ちます。 [10] [4] [5]

関連する質問

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出典

  1. 1.^abcdefghAlcohol intolerance-Alcohol intolerance - Symptoms & causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghiFood(aafa.org)
  3. 3.^abcdefghiAlcohol-induced bronchospasm in an asthmatic patient: pharmacologic evaluation of the mechanism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefSensitivity to ingested metabisulfites in asthmatic subjects.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdefgPrecipitating factors in asthma. Aspirin, sulfites, and other drugs and chemicals.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abMetabisulfite sensitivity: case report and literature review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  8. 8.^abChemokines mediate ethanol-induced exacerbations of murine cockroach allergen asthma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^ab[Reactions to metabisulfites in aspirin-induced asthma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcAsthma & Allergy Foundation of America Other Health Conditions(aafa.org)
  11. 11.^ab[Asthma due to disulfites].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  12. 12.^[Sulfite hypersensitivity].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  13. 13.^abAsthma(medlineplus.gov)
  14. 14.^Other Health Conditions(aafa.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。