
PubMedの資料に基づく | 赤身肉を食べると関節炎が悪化するというのは本当ですか?
要点:
赤身肉が関節炎を必ず悪化させるという明確な証拠は乏しく、疾患タイプ(RA/OA)や量、食事全体の質で影響が異なります。加工肉や飽和脂肪が多い“西洋型”食は炎症マーカーと関連しやすく、OAでは体重管理が特に重要です。赤身肉は頻度と量、部位・調理法を工夫しつつ、魚・野菜・全粒穀物中心の抗炎症的な食事に寄せるのが無難です。
赤身肉が直接すべての関節炎を悪化させるとまでは言い切れませんが、状況によっては控えめにする方が良い場合があります。一般的には、加工肉や飽和脂肪の多い食事など“西洋型”の食習慣は体内の炎症マーカー(例:CRP)と関連しやすく、関節症状の悪化に結びつく可能性があります。 [1] 一方で、赤身肉そのものが関節炎の発症や進行を一律に高めるという明確な証拠は限られており、疾患の種類(リウマチ性か変形性かなど)や食べ方・量・全体の食事バランスで影響が変わります。 [2] [3]
どの関節炎を想定するか
- リウマチ性関節炎(RA)の「発症リスク」については、赤身肉の多量摂取が明確にリスクを上げるとまでは示されていない報告があります。 [2] また、食事パターンやアルコールなどとRA発症との関連は一貫しない結果もあります。 [3]
- 変形性関節症(OA)では、体重や関節負荷が大きな要因です。 [4] 食事全体の質改善と体重管理が痛みや進行に影響しやすく、特定の食品単独より「食事パターン」の方が重要になりやすいです。 [5] なお、一部のコホートでは“新鮮な赤身肉”摂取が股関節置換術リスクと逆相関という結果もあり、必ずしも赤身肉=悪化とは限らない可能性も示唆されています(因果は未確定)。 [6]
なぜ「赤身肉=炎症」と言われるのか
- 多くの人が赤身肉と一緒に摂りがちな飽和脂肪や加工肉、揚げ物・精製炭水化物・高糖質食品を含む“西洋型”の食事は、低度炎症の指標と関連しやすいとされています。 [1] つまり、赤身肉単独というよりも、食べ合わせや食事全体の質が炎症に影響しやすいという見方が妥当です。 [1]
- 一般的な栄養ガイドでは、飽和脂肪の摂取は全カロリーの10%未満(心血管病予防では5–6%目標)を推奨しており、脂身の多い肉や加工肉は控えめにすることが望ましいとされています。 [7] 赤身肉でも部位や調理法で飽和脂肪量は変わるため、脂身を落とし、焼き方や量を工夫することがポイントです。 [7]
炎症と痛みに配慮した食事の考え方
- 抗炎症を意識した食事(地中海食パターンなど)は、魚のオメガ3、野菜・果物、全粒穀物、オリーブオイル、豆類・ナッツなどを中心にします。 [8] [9] このパターンは関節症状の緩和に役立つことが期待されます。 [9]
- 逆に、加工食品、ベーコンなどの加工肉、塩分や不健康な脂肪の多い食品は控えめにします。 [10] [11]
- 痛みのケアでも、過度の飽和脂肪や精製炭水化物、揚げ物、赤身肉を多く含む“プロ炎症性”食品群は避けた方が良いとされています。 [12] [13]
変形性関節症では体重管理が重要
- 膝などの変形性関節症では、体重減少は炎症と関節負荷を同時に下げる最も有効な非薬物療法の一つと考えられています。 [4] 食事は単品ではなく、エネルギーバランスと栄養の質(高野菜・高食物繊維、適正たんぱく)を重視しましょう。 [5] [4]
実践のコツ(赤身肉をやめる必要はないときも)
- 量と頻度を適正化:週数回、手のひらサイズ・薄さの目安を上限にし、魚や豆、鶏むねなどとローテーション。 [8] [9]
- 部位と調理:脂身の少ない部位を選び、焼く・煮る・蒸すなどで余分な脂を落とす。 [7]
- プレートの比率:皿の半分を色とりどりの野菜、1/4を全粒穀物、1/4をたんぱく源(赤身肉なら少量)に。 [8] [9]
- 加工肉は最小限:ハム、ベーコン、ソーセージは頻度を抑える。 [10] [11]
- 魚を増やす:サーモンやサバなどの脂ののった魚はオメガ3で炎症ケアに役立ちます。 [8]
まとめ
- 「赤身肉=関節炎悪化」と一律には言えず、疾患タイプや全体の食事パターンが鍵です。 [2] [1]
- 加工肉や飽和脂肪の多い“西洋型”食は炎症マーカーと関連しやすく、関節症状に悪影響の可能性があるため、控えめが無難です。 [1] [7]
- 変形性関節症では体重管理と抗炎症的な食事パターン(魚、野菜、全粒穀物、オリーブオイル主体)がより重要です。 [4] [8] [9]
ご自身の関節炎のタイプ(リウマチ性か変形性か)や現在の食生活を踏まえ、赤身肉の量と調理法を見直しつつ、魚や植物性たんぱく、野菜中心の食事へバランスを寄せる方法がおすすめです。 [2] [1] [8] [9]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefDietary pattern analysis and biomarkers of low-grade inflammation: a systematic literature review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdEnvironmental influences on risk for rheumatoid arthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abDiet and alcohol as risk factors for rheumatoid arthritis: a nested case-control study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdThe Intensive Diet and Exercise for Arthritis (IDEA) trial: design and rationale.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abThe potential for dietary factors to prevent or treat osteoarthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Meat consumption and risk of primary hip and knee joint replacement due to osteoarthritis: a prospective cohort study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdDietary fat: Know which to choose(mayoclinic.org)
- 8.^abcdefDiet and psoriatic arthritis: What's worth trying?(mayoclinic.org)
- 9.^abcdefDiet and psoriatic arthritis: What's worth trying?(mayoclinic.org)
- 10.^abDiet and psoriatic arthritis: What's worth trying?(mayoclinic.org)
- 11.^abDiet and psoriatic arthritis: What's worth trying?(mayoclinic.org)
- 12.^↑Is your diet helping your pain — or hurting you?(mayoclinic.org)
- 13.^↑Is your diet helping your pain — or hurting you?(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


