Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 関節炎の人が運動すると関節の炎症が悪化するというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 関節炎の人が運動すると関節の炎症が悪化するというのは本当ですか?

要点:

関節炎でも、適切に計画された低~中強度の有酸素運動や筋力トレーニングは炎症を悪化させず、痛みやこわばりを軽減し機能を改善します。低衝撃の運動(ウォーキング、サイクリング、水中運動、ROM)を選び、ウォームアップや漸増、痛みのサインに合わせた調整が安全です。フレア時は負荷を落としてやさしい可動域運動を続け、進行した関節破壊がある場合は非荷重の運動を中心に個別調整します。

ほとんどの場合、適切に計画された運動は関節炎の炎症を悪化させるどころか、痛みやこわばりを和らげ、機能を改善する助けになります。 [1] 多くの研究と臨床ガイドでは、関節の損傷が進んだケースを除けば、低〜中強度の有酸素運動や筋力トレーニングは安全で、有益とされています。 [2] 運動の種類・強度・やり方を工夫すれば、炎症や痛みのコントロール、体力やバランスの向上が期待できます。 [3]

なぜ「運動=悪化」という誤解が生まれるのか

関節炎では痛みがあるため、動くと悪化すると感じやすいのですが、実際には「過負荷」や「高衝撃」の動きが痛みを誘発しやすいのであって、適切な運動は炎症を悪くしないことが示されています。 [4] 系統的な安全性評価では、関節疾患を持つ人の運動中の有害事象は全体として低頻度で、適切に調整されたプログラムは安全に実施できると結論づけられています。 [2] さらに、リウマチ性関節炎でも、重度の関節破壊がなければ運動で症状が悪化することは示されていません。 [5]

炎症・痛みへの具体的な良い影響

  • 有酸素運動や筋力運動は、関節痛やこわばりを軽減し、日常動作のしやすさを改善することが多数報告されています。 [3] 定期的な身体活動は、気分や生活の質の改善にもつながります。 [6]
  • 膝の変形性関節症では、12週間の柔軟性+筋力プログラムで血中の炎症マーカー(IL-6)が低下し、痛みと機能が改善しました。 [7] 単回のレジスタンス運動でも、関節内で抗炎症性サイトカイン(IL-10)が上昇し、軟骨関連マーカーの動態にも好影響が示されました。 [8]
  • リウマチ性関節炎では、有酸素運動と筋力運動のいずれも痛みを減らし、機能や歩行能力・可動域の改善に役立つことが比較研究で示されています。 [9]

どのような運動が向いているか

関節にやさしい「低衝撃」の運動が基本です。 [4] 例として、ウォーキング、サイクリング、水中運動、太極拳ややさしいヨガ、関節の可動域(ROM)運動などが推奨されます。 [1] リウマチ性関節炎で股関節や膝の損傷が強い場合は、水中運動や自転車、歩行などの低負荷を選ぶのが無難です。 [5] 一方で、ランニングやジャンプなどの高衝撃運動や、同じ動作の反復は痛みを増やすことがあるため避けた方がよい場合があります。 [10]

安全に続けるためのコツ

  • ウォームアップとして、5〜10分のやさしい可動域運動から始め、徐々に強度を上げましょう。 [11] 運動前に温罨法(ぬるめのシャワーや温タオル)を使うと関節が動かしやすくなります。 [11]
  • 数分ずつ小分け(例:10分×3回)でも合計時間を積み上げれば効果があります。 [1] 目安は週あたり中強度の有酸素運動150分相当ですが、できる範囲からで大丈夫です。 [6]
  • 痛みが「その場で鋭く強くなる」動きは避け、翌日の痛みが強く残る場合は時間や強度を下げて調整します。 [12] 痛み止めを使って動くことは可能でも、薬で痛みが和らいだからといって無理に負荷を上げないようにしましょう。 [13]

炎症が強い「フレア」の時は?

フレア時は完全安静にするよりも、関節の可動域運動や水中でのやさしい運動など「動かし続ける」ことが推奨されます(ただし負荷は大幅に下げる)。 [14] これにより関節のこわばりを防ぎ、悪循環を避けやすくなります。 [14]

進行した関節破壊がある場合の注意

病状が高度に進行している場合は、重い荷重をかける活動は避け、非荷重〜低荷重での運動(例:水中、自転車、上肢中心の有酸素)を選ぶことが推奨されます。 [2] 一方で、病状が安定しており進行性の関節損傷がない場合には、漸増的な有酸素・レジスタンス運動を幅広く安全に行えます。 [2]

運動の「効き方」の違い

有酸素運動は体力や歩行能力の改善に特に効果的で、日常生活の動きやすさを高めやすいです。 [9] 筋力運動は関節を支える筋群を強くし、関節の可動域や安定性の向上に寄与します。 [9] どちらも痛み軽減には有効であり、組み合わせることで相乗効果が期待できます。 [15]


よくある疑問への回答

  • 運動で炎症がひどくならないか?
    適切な種類・強度・頻度なら、炎症を悪化させるエビデンスは乏しく、むしろ痛みや機能の改善、炎症マーカーの良い変化が報告されています。 [7] [8]

  • どのくらいの強度がよいか?
    息が上がるけれど会話はできる程度の中強度が目安で、まずは短時間から開始し徐々に増やしましょう。 [1] 痛みが増える場合は「次回は時間か強度を下げる」調整が基本です。 [13]

  • 何から始めればいいか?
    週に数回のウォーキングや自転車こぎ、関節の可動域運動、軽めの筋力トレーニング(自重やゴムバンド)がおすすめです。 [1] クラスに参加する場合は、関節の状態を指導者に伝え、痛みが出る動作は避けるよう相談しましょう。 [12]


まとめ

  • 関節炎があっても、正しく選んだ運動は炎症を悪化させず、痛み・こわばり・機能・気分などに良い影響をもたらします。 [3] [2]
  • 低衝撃の有酸素+筋力+可動域運動を組み合わせ、強度・時間は徐々に増やすのが安全で効果的です。 [1] [11]
  • フレア時は負荷を落としても「完全に止めない」方がよく、非荷重のやさしい運動で関節を守りながら動かしましょう。 [14]
  • 高度な関節破壊や強い痛みがある場合は、重い荷重は避け、個別にプログラムを調整してください。 [2]

もし今の症状や普段の運動習慣、痛みが強くなる場面などがあれば、もう少し具体的な運動メニューに落とし込んでご提案しますが、どんな動きが一番つらいですか?

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出典

  1. 1.^abcdefExercising with arthritis: Improve your joint pain and stiffness(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefEvidence-based risk assessment and recommendations for physical activity: arthritis, osteoporosis, and low back pain.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcExercising with arthritis: Improve your joint pain and stiffness(mayoclinic.org)
  4. 4.^abManaging arthritis pain(mayoclinic.org)
  5. 5.^abRheumatoid arthritis: Is exercise important?(mayoclinic.org)
  6. 6.^abState-Specific Severe Joint Pain and Physical Inactivity Among ...(cdc.gov)
  7. 7.^abEffects of an exercise therapy protocol on inflammatory markers, perception of pain, and physical performance in individuals with knee osteoarthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abExercise increases interleukin-10 levels both intraarticularly and peri-synovially in patients with knee osteoarthritis: a randomized controlled trial.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcEffects of strengthening and aerobic exercises on pain severity and function in patients with knee rheumatoid arthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^Managing arthritis pain(mayoclinic.org)
  11. 11.^abcExercising with arthritis: Improve your joint pain and stiffness(mayoclinic.org)
  12. 12.^abExercising with arthritis: Improve your joint pain and stiffness(mayoclinic.org)
  13. 13.^abStay active and exercise when you have arthritis: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  14. 14.^abcExercising with arthritis: Improve your joint pain and stiffness(mayoclinic.org)
  15. 15.^Aerobic activity in prevention and symptom control of osteoarthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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