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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 緑茶の摂取は関節炎の炎症や痛みを軽減するという主張に科学的根拠がありますか?

要点:

緑茶やEGCGには前臨床で抗炎症・関節保護作用が示され、関節炎の炎症や痛みを和らげる可能性があります。ただしヒトでの高品質な臨床エビデンスは限定的で、標準治療の代替ではなく補助的選択肢に留まります。飲料としての適量は概ね安全ですが、抽出物サプリは肝機能障害などに注意し医療者へ相談が推奨されます。

緑茶が関節炎(変形性関節症や関節リウマチ)の炎症や痛みを軽減する可能性は示唆されていますが、現時点では「補助的な選択肢」とみなすのが妥当です。動物実験や細胞レベルの研究では抗炎症作用が一貫して示されている一方で、ヒトでの高品質な臨床試験は限られており、標準治療を置き換える根拠としては不十分です。 [1] [2]

作用メカニズムのポイント

  • 緑茶の主要ポリフェノールであるEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)は、炎症に関与する酵素やシグナル伝達(NF-κBなど)を抑えることで、関節の炎症と組織破壊を減らす可能性が示されています。 [1]
  • これらの効果は、培養細胞や関節炎モデル動物で再現されており、抗炎症・抗酸化を通じた「関節保護」の可能性が議論されています。 [1]
  • ただし、EGCGは体内での吸収率や代謝(バイオアベイラビリティ)に限界があり、動物で示された用量をそのままヒトに当てはめにくいという課題があります。 [2]

ヒトでのエビデンスの現状

  • 研究レビューでは「関節疾患に対するEGCGの有望性」は述べられていますが、臨床試験(特に痛み・腫れ・機能をアウトカムとする無作為化試験)の不足が指摘され、ヒトでの有効性を確定するにはさらなる検証が必要とされています。 [2]
  • まとめると、緑茶(またはEGCG)の摂取は“理論的・前臨床的には有望だが、ヒトでの確証は限定的”という段階です。 [1] [2]

実際の飲用で期待できること

  • 一般的な飲用量(1〜3杯/日)の緑茶は、カフェインに注意すれば、健康的な食生活の一部として取り入れてもよいと考えられます。炎症全体のコントロールに寄与する可能性はありますが、痛みの実感改善は個人差が大きいと受け取るのが現実的です。 [3]
  • 他の抗炎症的な食習慣(オメガ3脂肪酸が多い魚、野菜・果物、香辛料など)と組み合わせると、総合的な痛み管理に役立つ可能性があります。 [3]

サプリメント(抽出物)を使う場合の注意点

  • 緑茶抽出物や高用量EGCGのサプリは、用量によっては胃腸症状や肝機能障害(トランスアミナーゼ上昇)が報告されており、空腹時の摂取でリスクが高まる可能性があります。 [4] [5]
  • 一部の報告では、過剰摂取で血液や免疫に関わる有害事象(極めてまれ)が記載されています。肝疾患がある人や、服薬中の人は必ず医療者に相談してください。 [6]
  • 一般的には、サプリは食後に、安全域が示された中等量(例:EGCG 200 mgを1日2回)に留めると安全性が高いと考えられています(ただし個別の適否は要相談)。 [4] [5]
  • 緑茶や抽出物はカフェインを含むため、不眠や動悸などが出やすい人は夕方以降の摂取を控えるとよいでしょう。 [7]

標準治療との位置づけ

  • 関節リウマチのような自己免疫性関節炎では、メトトレキサートや抗TNF製剤などの標準治療が炎症と関節破壊の抑制に中核を担います。緑茶はその補助としては位置づけられ得ますが、薬を中断・減量する根拠にはなりません。 [8]
  • 変形性関節症でも、運動療法、体重管理、痛み止めの適切な使用が基本で、緑茶は生活習慣の一部として取り入れる選択肢です(痛み改善の効果は限定的で個人差があります)。 [3]

まとめ(ポイント)

  • 科学的根拠の強さ:前臨床では有望だが、ヒトでの確証は限定的。 標準治療の代替ではなく、補助的に考えるのが安全です。 [1] [2]
  • 安全性:飲料としての適量摂取は概ね安全。 サプリは肝機能への影響などに注意し、医療者へ相談の上、食後・中等量での使用が無難です。 [4] [5] [7]
  • 実践のコツ: 魚由来オメガ3、野菜・果物、適度な運動などと組み合わせると、総合的な炎症マネジメントに役立つ可能性があります。 [3]

もし取り入れるなら、まずは日常の緑茶1〜3杯/日から始め、体調(肝機能異常のサインである黄疸・濃い尿・右上腹部痛や、胃もたれ、不眠など)に変化がないか観察し、サプリ使用は医療者と相談のうえ進めると安心です。 [4] [5] [7]

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出典

  1. 1.^abcdeGreen tea polyphenol epigallocatechin-3-gallate: inflammation and arthritis. [corrected].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdeGreen tea polyphenol epigallocatechin 3-gallate in arthritis: progress and promise.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdIs your diet helping your pain — or hurting you?(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcdGreen Tea(mskcc.org)
  5. 5.^abcdGreen Tea(mskcc.org)
  6. 6.^Green Tea(mskcc.org)
  7. 7.^abcGreen Tea(mskcc.org)
  8. 8.^Rheumatoid Arthritis(medlineplus.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。