Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 魚をよく食べると関節炎の痛みや炎症が軽減するというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 魚をよく食べると関節炎の痛みや炎症が軽減するというのは本当ですか?

要点:

脂の多い魚に多いオメガ3(EPA・DHA)は、関節リウマチなど炎症性関節炎の痛みやこわばりを穏やかに軽減し、NSAIDsの使用量を減らす助けになる可能性があります。まずは週2回の魚料理を基本に、必要に応じて医療者と相談のうえサプリ(EPA+DHA合計約2.7g/日を3カ月目安)を検討します。薬の代替にはならず、高用量では出血リスクなどに注意が必要です。

魚(特に脂の多い魚)に多く含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、関節炎の痛みや炎症をやわらげる可能性があります。ただし効果は「穏やか」〜「中等度」で個人差があり、薬を完全に置き換えるほどではないことが多いです。 [1] [2]


どんな関節炎に効くの?

  • 関節リウマチ(RA)
    多くの研究で、魚油(オメガ3)補給により「朝のこわばり」「関節の圧痛」「痛み」がやや改善し、消炎鎮痛薬(NSAIDs)の使用量を減らせる傾向が示されています。効果は控えめですが、一部の方には十分体感できる範囲です。 [1] [3]
    作用の背景として、EPA/DHAが炎症性物質(アラキドン酸由来エイコサノイド)の産生を抑え、炎症をしずめるメディエーター(リゾルビンなど)の合成を助けることが考えられています。 [2]

  • 乾癬性関節炎など他の炎症性関節炎
    根拠はリウマチほど多くありませんが、脂の多い魚を食事に取り入れることが症状の和らぎに役立つ可能性が示唆されています。 [4]


食事から?サプリから?どのくらいが目安?

  • 食事(魚)からの摂取
    一般的には、週2回程度、焼き魚・蒸し調理などで脂の多い魚(サーモン、サバ、イワシ、サンマ、マスなど)を取り入れると、心血管の面でも健康効果が期待できます。1回の目安は約113g(トランプひと束サイズ)です。 [5]
    水銀の多い大型魚(メカジキ、サメ、キンメダイ、カジキ類)は頻度を控えめにし、低水銀の魚種(サーモン、エビなど)を中心にしましょう。 [6] [7]

  • サプリメント(魚油)
    リウマチで効果が見えやすかった試験では、EPA+DHA合計で1日約2.7g以上を3カ月以上続けるとNSAIDsの使用量が減るという結果がありました。効果は有意差が出ない項目もあり、あくまで「使用量を減らす助け」と捉えるのが現実的です。 [3]
    一方で、食事からの摂取を基本とし、サプリは必要に応じて医療者と相談して追加するのが安全です。 [8]


期待できること・限界

  • 期待できること

    • 痛みや朝のこわばりの軽減が「少し〜中等度」期待できる。 [1] [2]
    • NSAIDsの節約効果(飲む量を減らせる)につながる可能性。 [3]
    • 心血管リスクの観点でも、魚を食べる人は死亡リスクが低いという所見があり、関節炎で心血管リスクが高い方には相乗メリットが見込めます。 [9]
  • 限界

    • 関節の腫れや関節数など主要指標で、統計学的に明確な差が出ない場合もあります。つまり「劇的に効く」というより、補助的な改善と考えるのが妥当です。 [3]
    • 薬(DMARDs、生物学的製剤など)の代わりにはなりにくいため、既存治療は継続して、食事・サプリは補完として組み合わせます。 [10]

安全性と注意点

  • 一般的な安全性
    適切な用量であれば、魚油サプリは概ね安全と考えられています。 [11]
    よくある軽い副作用として、魚臭い後味、げっぷ、胃もたれ、吐き気、下痢、口臭、皮疹などがあります。 [12]

  • 出血リスク
    高用量のサプリ摂取は出血リスクを上げる可能性があるため、抗凝固薬や抗血小板薬を使っている場合は必ず医療者に相談してください。 [11] [12]

  • 相互作用やアレルギー
    魚油は一部の薬と相互作用する可能性があり、服用中の薬がある方は事前確認が安心です。魚アレルギーの方での安全性は明確でないため慎重に。 [13] [11]

  • 水銀などの汚染物質への配慮
    サプリの魚油自体には水銀はほとんど含まれないとされますが、食事で魚をとる場合は種類選びと頻度に気をつけましょう。 [11] [7]


実践のコツ(始め方)

  • 食事からスタート

    • 週2回、焼く・煮る・蒸すなどでサーモン、サバ、イワシ、サンマを取り入れる。 [5]
    • 揚げ物は炎症を悪化させる油脂を増やすため、焼く・蒸すが基本。 [8]
    • ほうれん草、ケール、全粒穀物、果物、ナッツなども組み合わせ、体重管理と全身の炎症ケアにつなげる。 [4]
  • サプリを使う場合の目安

    • 医療者と相談のうえ、EPA+DHA合計で1日約2.7g以上を3カ月試すと、反応の有無が見えやすいことがあります。 [3]
    • 出血傾向、手術予定、抗凝固薬内服、消化器症状が強い方は必ず確認を。 [12]

まとめ

  • 魚(特に脂の多い魚)や魚油のオメガ3は、関節リウマチなど炎症性関節炎の「痛み・こわばり」を穏やかに軽減し、NSAIDsの使用量を減らす助けになる可能性があります。 [1] [3]
  • 効果は個人差があり、既存治療の補助と考えるのが現実的です。 [3]
  • まずは週2回の魚料理から取り入れ、必要に応じて医療者と相談してサプリを追加する方法がおすすめです。 [5] [8]

😊 ご自身の関節症状やお薬の状況に合わせて、無理なく続けられる取り入れ方を一緒に考えていきましょう。 [10]

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出典

  1. 1.^abcdFish oil(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcInfluence of marine n-3 polyunsaturated fatty acids on immune function and a systematic review of their effects on clinical outcomes in rheumatoid arthritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefgOmega-3 polyunsaturated fatty acids and the treatment of rheumatoid arthritis: a meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abDiet and psoriatic arthritis: What's worth trying?(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcOmega-3 in fish: How eating fish helps your heart(mayoclinic.org)
  6. 6.^Omega-3 in fish: How eating fish helps your heart(mayoclinic.org)
  7. 7.^abOmega-3 in fish: How eating fish helps your heart(mayoclinic.org)
  8. 8.^abcFish oil(mayoclinic.org)
  9. 9.^Dietary omega-3 fats for treatment of inflammatory joint disease: efficacy and utility.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abRheumatoid arthritis - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  11. 11.^abcdFish oil(mayoclinic.org)
  12. 12.^abcFish oil(mayoclinic.org)
  13. 13.^Arthritis - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。