膀胱がん治療で口内炎は起こりやすい?対処法まとめ
要点:
膀胱がん治療で口内炎は起こりやすい?原因と対処法
膀胱がんの治療では、化学療法(抗がん剤)や一部の免疫療法・分子標的薬により、口内炎(口腔粘膜炎)が発生することがあります。これはがん治療全般にみられる副作用で、程度は軽症から重症まで幅があります。口内炎は食事・会話・飲水をつらくさせ、体重減少や治療スケジュールの変更につながることもあるため、早期の予防と対策が大切です。 [1] 口内炎は口唇・歯ぐき・頬の内側・舌・口蓋など口の柔らかい粘膜に生じ、やけどのように痛みを伴います。 [2] 治療中に口の敏感さや小さな潰瘍に気づいたら、早めに担当医に伝えてください。 [3]
口内炎が起こりうる治療
- 化学療法(抗がん剤)
膀胱がんの代表的レジメン(例:MVAC〔メトトレキサート・ビンブラスチン・ドキソルビシン・シスプラチン〕、カルボプラチン+ゲムシタビンなど)で、口腔粘膜炎がみられることがあります。 [4] [5] - 免疫療法・分子標的薬
一部の薬剤では口腔粘膜の炎症や潰瘍が起こることがあり、皮疹などの皮膚毒性と併発する場合もあります。重篤な皮膚粘膜反応(SJS/TEN)では口腔粘膜のびらんが顕著で、直ちに治療中止と専門的管理が必要です。 [6] - 放射線治療(頭頸部照射)
主に頭頸部への放射線で口内炎が生じますが、膀胱がんで骨盤照射を受ける場合は口内炎は一般的ではありません(骨盤照射では膀胱炎・腸炎が主)。それでも、全身治療併用時には粘膜毒性が強まることがあります。 [PM16]
重症度の目安(CTCAEに準拠)
- グレード1:軽度、介入不要のことが多い。 [7]
- グレード2:中等度の痛みや潰瘍、食事は可能だが軟食に変更。 [7]
- グレード3:強い痛みで経口摂取に支障、点滴や栄養サポートが必要なことも。 [7]
- グレード4:生命に関わる合併症、緊急対応が必要。 [7]
いつ受診・連絡すべきか
- 飲食・水分摂取が難しい、唾液も飲みにくいほどの痛みがある。 [7]
- 発熱、出血(歯ぐきからの出血など)、白苔が広範囲に出て感染が疑われる。 [5]
- 皮疹・水疱・眼の充血・陰部粘膜のびらんなど、全身の粘膜症状を伴う。重篤な薬疹の可能性があります。 [6]
自宅でできる予防とセルフケア
- やさしい口腔ケア
アルコール不含のマウスウォッシュ、または塩水うがい(水4杯に塩小さじ1〜2)を4〜6時間ごとに。刺激の強い含嗽剤は避けます。 [8] - 食事の工夫
辛い・酸っぱい・硬い・極端に熱い/冷たい食品は避け、柔らかくて味の薄い食事に。 [5] - 保湿と痛み対策
口唇の保湿、氷片を口に含む「口腔冷却(クリオセラピー)」は一部の薬剤で予防効果が示されています。 [PM21] - 感染予防
歯磨きは柔らかいブラシで、義歯は清潔に。粘膜が破れていると感染しやすいため丁寧な衛生管理が重要です。 [PM20] - 光線療法(フォトバイオモジュレーション)
医療機関で行う低出力レーザーなどは、予防・治療に有効とする高品質研究が増えています。 [PM21] [PM22]
医療機関での主な対処
- 鎮痛・麻酔のうがい薬
リドカイン配合などの「マジックマウスウォッシュ」は痛み緩和に用いられることがあります(処方内容は施設で異なります)。 [9] [10] - 栄養・水分補給
経口摂取が難しい場合は、点滴や経管栄養で体力を保ちます。 [7] - 感染対策
真菌・細菌感染が疑われれば、抗真菌薬や抗菌薬の局所/全身治療を検討します。 [PM20] - 治療調整
重症例では抗がん剤の休薬・減量、支持療法の追加を行いながら、治療継続可否を慎重に判断します。 [3] - 予防薬の検討
一部治療ではアミフォスチンや粘膜保護因子(例:パリフェルミンなど)の使用が検討されることがありますが、適応や副作用を踏まえ専門医判断が必要です。 [PM21]
膀胱がん治療別の注意点
- MVAC療法
粘膜毒性(口内炎・食道炎)が想定され、支持療法の準備が推奨されます。 [11] [4] - カルボプラチン+ゲムシタビン
口内炎は起こりうるため、食事の工夫やうがい、早期の痛み管理を心がけます。 [5] - エンフォツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ
皮膚毒性が強い場合があり、粘膜も巻き込む重症反応に注意します。症状が出たら速やかに連絡を。 [6]
表:セルフケアと医療ケアの比較
| 項目 | セルフケアの例 | 医療機関での対処 |
|---|---|---|
| 口腔洗浄 | アルコール不含洗口液、塩水うがい(4〜6時間ごと) [8] | 抗炎症含嗽剤、局所麻酔配合含嗽剤(マジックマウスウォッシュ等) [9] [10] |
| 食事 | 刺激・硬い食品を控え、軟食へ変更 [5] | 栄養士による栄養指導、必要時は点滴・経管栄養 [7] |
| 痛み対策 | 氷片での冷却、保湿 [PM21] | 鎮痛薬、局所麻酔含嗽、オピオイド調整など [9] |
| 感染予防 | 優しいブラッシング、義歯の清潔 [PM20] | 抗真菌薬・抗菌薬の投与、培養検査 [PM20] |
| 治療調整 | 早期連絡・受診 | 休薬・減量、支持療法追加、専門治療介入 [3] |
まとめ
- 膀胱がん治療では化学療法や一部免疫・標的治療に伴い、口内炎が生じることがあります。 早めのセルフケアと医療者への相談が、痛みや栄養問題の悪化を防ぎます。 [1] [4]
- 重症度はグレード化され、食事がとれない・出血や発熱がある場合は早急な対応が必要です。 [7] [5]
- うがい・軟食・冷却・専門的な含嗽剤・光線療法などを組み合わせると、症状の軽減と治療継続に役立ちます。 [8] [9] [PM21] [PM22]
気になる症状が続く、食べにくさや体重減少がある、皮膚や目・陰部の粘膜にも異常が出ている場合は、ためらわず主治医に連絡してください。 [3] [6]
関連する質問
出典
- 1.^abWhen cancer treatment causes mouth sores(mayoclinic.org)
- 2.^↑When cancer treatment causes mouth sores(mayoclinic.org)
- 3.^abcdWhen cancer treatment causes mouth sores(mayoclinic.org)
- 4.^abc315-Bladder/Urothelial metastatic MVAC (methotrexate vinBLASTine DOXOrubicin ciSplatin)(eviq.org.au)
- 5.^abcdefPatient information - Bladder/urinary tract cancer locally advanced or metastatic - Carboplatin and gemcitabine(eviq.org.au)
- 6.^abcd4427-Bladder/Urothelial locally advanced or metastatic enfortumab vedotin and pembrolizumab(eviq.org.au)
- 7.^abcdefghMucositis and stomatitis | eviQ(eviq.org.au)
- 8.^abcManaging Your Chemotherapy Side Effects(mskcc.org)
- 9.^abcdMagic mouthwash: Effective for chemotherapy mouth sores?(mayoclinic.org)
- 10.^abMagic mouthwash: Effective for chemotherapy mouth sores?(mayoclinic.org)
- 11.^↑315-Bladder/Urothelial metastatic MVAC (methotrexate vinBLASTine DOXOrubicin ciSplatin)(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。