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Medical illustration for メラノーマ治療中の甲状腺異常は心配すべき? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年1月26日5分で読める

メラノーマ治療中の甲状腺異常は心配すべき?

要点:

メラノーマ患者における甲状腺異常の意味と注意点

結論から言うと、免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1、CTLA-4)を受けているメラノーマの方では、甲状腺の機能異常は比較的よく起こりうる副作用で、適切に検査・治療すれば多くの場合は安全に管理できます。 [1] [2]


なぜ起こるのか(しくみ)

  • 免疫療法はがんに対する免疫を強める一方で、甲状腺に免疫による炎症(甲状腺炎)が起きることがあります。これにより、一時的な甲状腺ホルモンの過剰(甲状腺機能亢進)から、しばらくして不足(甲状腺機能低下)へと移行する典型的な経過をとることがあります。 [2] [3]
  • 画像検査(FDG-PET)で甲状腺への集積が新たに増えることがあり、免疫性の破壊性甲状腺炎のサインとして知られています。 [4] [5]

ポイント: これはがんの転移ではなく、免疫による炎症で見られる所見として説明されることが多いです。 [5]


どのくらい起こるのか(頻度)

  • メラノーマでPD-1阻害薬などを受けた方の約1~3割程度で甲状腺機能異常が観察されると報告があり、一過性の異常と永続的な低下(治療が必要)に分かれます。 [PM7] [PM11]
  • 組み合わせ療法(ニボルマブ+イピリムマブ)では、内分泌系の副作用が増える傾向があります。 [2]

症状の目安(具体例)

  • 甲状腺機能低下(甲状腺ホルモン不足)では、だるさ、寒がり、体重増加、皮膚の乾燥、動作の鈍さ、脈が遅いなどが見られることがあります。 [1]
  • 甲状腺機能亢進(甲状腺ホルモン過剰)では、動悸、ふるえ、汗が多い、体重減少、不安感などが見られることがあります。 [6]

検査でわかること(TSH・Free T4の読み方)

  • 一般的な目安(施設により参考範囲は異なります)
    • TSH: 約0.4~5.1 μU/mL(高いと低下症、低いと亢進症の可能性) [7]
    • Free T4: 約0.8~1.9 ng/dL(高いと亢進、低いと低下の可能性) [7]
  • 免疫療法中は、TSHとFree T4を定期的にチェックし、数値の組み合わせで状態を判断します。 [8]

どのように対処するか(治療と継続)

  • 軽症の甲状腺機能亢進では、動悸などの症状に対してβ遮断薬などの対症療法で様子を見ることがあります。 [3]
  • 明らかな甲状腺機能低下では、レボチロキシン(甲状腺ホルモン)補充が一般的で、免疫療法を継続できることが多いです。 [5] [8]
  • 多くの場合、内分泌専門医との連携が推奨され、重症度に応じて免疫療法の一時中断や継続を判断します。 [8]

予後への影響(心配すべきか)

  • 甲状腺機能異常が起きた方は、治療効果がよい傾向(全生存期間の延長や応答率の高さ)と関連する可能性が示されています。ただし、独立した予測因子とは限らないという報告です。 [PM7]
  • 甲状腺のFDG集積の増加は、永続的な甲状腺機能低下(長期的なホルモン補充が必要になる)の発展と関連することがあります。 [PM11]

まとめ: 甲状腺異常が見つかっても、がんの治療成績が悪化するとは限らず、むしろ良好な傾向の報告もあります。心配しすぎず、検査と適切な補充療法で管理することが大切です。 [PM7]


併発に注意する内分泌異常

  • まれですが、下垂体炎(低TSHと低Free T4の組み合わせなど)や、他の内分泌障害が同時に起こることがあります。TSHもFree T4も低い場合は中枢性の異常(下垂体)を疑うため、追加評価が必要です。 [8] [2]

受診の目安とセルフチェック

  • 免疫療法中に以下があれば、主治医へ連絡しましょう。
    • 強いだるさ・動悸・めまい・急な体重変化・耐寒性の低下・発汗過多など。 [1] [6]
  • 定期的な血液検査(TSH、Free T4)を継続し、数値の推移を見ながら用量調整を行うのが一般的です。 [8] [7]

便利な早見表(症状・検査・対応)

状態典型症状検査の目安初期対応
甲状腺機能亢進(過剰)動悸、ふるえ、発汗、体重減少TSH低下、Free T4上昇β遮断薬などの対症療法、経過観察(重症度で内分泌紹介) [3] [8]
甲状腺機能低下(不足)だるさ、寒がり、体重増加、皮膚乾燥、脈が遅いTSH上昇、Free T4低下レボチロキシン補充、免疫療法は多くで継続可能 [1] [5] [8]
中枢性低下(下垂体炎)強い倦怠、頭痛、低血圧など併発TSH低下+Free T4低下内分泌評価、ステロイド含む専門的管理を検討 [8] [2]

よくある疑問への短い回答

  • 免疫療法は止めるべき?
    多くの甲状腺異常は治療を継続しながら管理可能です。重症度に応じて一時中断を検討することがあります。 [8]

  • 一生薬を飲むの?
    一過性で回復する方もいれば、永続的な補充が必要になる方もいます。個人差があり、検査の推移で判断します。 [PM7] [PM11]

  • がんの治療成績は悪くなる?
    必ずしも悪化とは限らず、良い傾向が示唆された研究もあります。ただし個別に評価が必要です。 [PM7]


実践的アドバイス

  • 症状の変化をメモし、通院時に伝えましょう。 [8]
  • TSHとFree T4の定期測定を忘れず、数値と症状を合わせて判断します。 [8] [7]
  • 自己判断で薬を中断しないことが大切です。用量調整は主治医と相談しましょう。 [8]

参考となるポイント(専門家向け補足)

  • 甲状腺異常は甲状腺炎の二相性(亢進→低下)を意識して時系列で評価します。 [3]
  • FDG-PETでの甲状腺集積増加はPTDの予測因子になりうるため、画像所見と機能検査の統合が有用です。 [PM11]
  • 甲状腺irAE発生群でPFS/OS・奏効が良好傾向との報告がありますが、独立予測因子ではない可能性も併記されています。 [PM7]

結論: メラノーマの免疫療法中に甲状腺異常が見つかっても、適切なモニタリングと補充療法で安全に管理できることが多く、治療を継続できるケースが一般的です。過度に心配せず、TSH・Free T4の定期検査と症状の共有を続けていきましょう。 [8] [5] [1]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdePatient information - Melanoma adjuvant - Nivolumab - weight based dosing(eviq.org.au)
  2. 2.^abcdeImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
  4. 4.^Immune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcdeImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
  6. 6.^ab갑상선 기능 검사(Thyroid Function Test) | 검사/시술/수술정보 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  7. 7.^abcd갑상선 기능 검사(Thyroid Function Test) | 검사/시술/수술정보 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  8. 8.^abcdefghijklm1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)

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