メラノーマ治療中の甲状腺異常は心配すべき?
要点:
メラノーマ患者における甲状腺異常の意味と注意点
結論から言うと、免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1、CTLA-4)を受けているメラノーマの方では、甲状腺の機能異常は比較的よく起こりうる副作用で、適切に検査・治療すれば多くの場合は安全に管理できます。 [1] [2]
なぜ起こるのか(しくみ)
- 免疫療法はがんに対する免疫を強める一方で、甲状腺に免疫による炎症(甲状腺炎)が起きることがあります。これにより、一時的な甲状腺ホルモンの過剰(甲状腺機能亢進)から、しばらくして不足(甲状腺機能低下)へと移行する典型的な経過をとることがあります。 [2] [3]
- 画像検査(FDG-PET)で甲状腺への集積が新たに増えることがあり、免疫性の破壊性甲状腺炎のサインとして知られています。 [4] [5]
ポイント: これはがんの転移ではなく、免疫による炎症で見られる所見として説明されることが多いです。 [5]
どのくらい起こるのか(頻度)
- メラノーマでPD-1阻害薬などを受けた方の約1~3割程度で甲状腺機能異常が観察されると報告があり、一過性の異常と永続的な低下(治療が必要)に分かれます。 [PM7] [PM11]
- 組み合わせ療法(ニボルマブ+イピリムマブ)では、内分泌系の副作用が増える傾向があります。 [2]
症状の目安(具体例)
- 甲状腺機能低下(甲状腺ホルモン不足)では、だるさ、寒がり、体重増加、皮膚の乾燥、動作の鈍さ、脈が遅いなどが見られることがあります。 [1]
- 甲状腺機能亢進(甲状腺ホルモン過剰)では、動悸、ふるえ、汗が多い、体重減少、不安感などが見られることがあります。 [6]
検査でわかること(TSH・Free T4の読み方)
- 一般的な目安(施設により参考範囲は異なります)
- 免疫療法中は、TSHとFree T4を定期的にチェックし、数値の組み合わせで状態を判断します。 [8]
どのように対処するか(治療と継続)
- 軽症の甲状腺機能亢進では、動悸などの症状に対してβ遮断薬などの対症療法で様子を見ることがあります。 [3]
- 明らかな甲状腺機能低下では、レボチロキシン(甲状腺ホルモン)補充が一般的で、免疫療法を継続できることが多いです。 [5] [8]
- 多くの場合、内分泌専門医との連携が推奨され、重症度に応じて免疫療法の一時中断や継続を判断します。 [8]
予後への影響(心配すべきか)
- 甲状腺機能異常が起きた方は、治療効果がよい傾向(全生存期間の延長や応答率の高さ)と関連する可能性が示されています。ただし、独立した予測因子とは限らないという報告です。 [PM7]
- 甲状腺のFDG集積の増加は、永続的な甲状腺機能低下(長期的なホルモン補充が必要になる)の発展と関連することがあります。 [PM11]
まとめ: 甲状腺異常が見つかっても、がんの治療成績が悪化するとは限らず、むしろ良好な傾向の報告もあります。心配しすぎず、検査と適切な補充療法で管理することが大切です。 [PM7]
併発に注意する内分泌異常
- まれですが、下垂体炎(低TSHと低Free T4の組み合わせなど)や、他の内分泌障害が同時に起こることがあります。TSHもFree T4も低い場合は中枢性の異常(下垂体)を疑うため、追加評価が必要です。 [8] [2]
受診の目安とセルフチェック
便利な早見表(症状・検査・対応)
| 状態 | 典型症状 | 検査の目安 | 初期対応 |
|---|---|---|---|
| 甲状腺機能亢進(過剰) | 動悸、ふるえ、発汗、体重減少 | TSH低下、Free T4上昇 | β遮断薬などの対症療法、経過観察(重症度で内分泌紹介) [3] [8] |
| 甲状腺機能低下(不足) | だるさ、寒がり、体重増加、皮膚乾燥、脈が遅い | TSH上昇、Free T4低下 | レボチロキシン補充、免疫療法は多くで継続可能 [1] [5] [8] |
| 中枢性低下(下垂体炎) | 強い倦怠、頭痛、低血圧など併発 | TSH低下+Free T4低下 | 内分泌評価、ステロイド含む専門的管理を検討 [8] [2] |
よくある疑問への短い回答
-
免疫療法は止めるべき?
多くの甲状腺異常は治療を継続しながら管理可能です。重症度に応じて一時中断を検討することがあります。 [8] -
一生薬を飲むの?
一過性で回復する方もいれば、永続的な補充が必要になる方もいます。個人差があり、検査の推移で判断します。 [PM7] [PM11] -
がんの治療成績は悪くなる?
必ずしも悪化とは限らず、良い傾向が示唆された研究もあります。ただし個別に評価が必要です。 [PM7]
実践的アドバイス
- 症状の変化をメモし、通院時に伝えましょう。 [8]
- TSHとFree T4の定期測定を忘れず、数値と症状を合わせて判断します。 [8] [7]
- 自己判断で薬を中断しないことが大切です。用量調整は主治医と相談しましょう。 [8]
参考となるポイント(専門家向け補足)
- 甲状腺異常は甲状腺炎の二相性(亢進→低下)を意識して時系列で評価します。 [3]
- FDG-PETでの甲状腺集積増加はPTDの予測因子になりうるため、画像所見と機能検査の統合が有用です。 [PM11]
- 甲状腺irAE発生群でPFS/OS・奏効が良好傾向との報告がありますが、独立予測因子ではない可能性も併記されています。 [PM7]
結論: メラノーマの免疫療法中に甲状腺異常が見つかっても、適切なモニタリングと補充療法で安全に管理できることが多く、治療を継続できるケースが一般的です。過度に心配せず、TSH・Free T4の定期検査と症状の共有を続けていきましょう。 [8] [5] [1]
関連する質問
出典
- 1.^abcdePatient information - Melanoma adjuvant - Nivolumab - weight based dosing(eviq.org.au)
- 2.^abcdeImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
- 3.^abcdImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
- 4.^↑Immune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
- 5.^abcdeImmune checkpoint inhibitors and thyroid dysfunction: A case from the endocrine teaching clinics(mayoclinic.org)
- 6.^ab갑상선 기능 검사(Thyroid Function Test) | 검사/시술/수술정보 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 7.^abcd갑상선 기능 검사(Thyroid Function Test) | 검사/시술/수술정보 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 8.^abcdefghijklm1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。