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Medical illustration for がん治療中の甲状腺異常値の意味と対処法 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年1月26日5分で読める

がん治療中の甲状腺異常値の意味と対処法

要点:

がん患者における甲状腺「異常値」の意味と心配度

がん治療中に甲状腺ホルモンやTSHの数値が「異常」と言われても、必ずしも重い病気とは限りません。多くは治療薬による影響や一過性の変化で、適切にモニタリングし必要に応じて補充療法を行えば安全に治療を継続できることが多いです。特に免疫療法では甲状腺の不調が比較的よく起こり、早期発見とシンプルな対処で十分管理できるケースが一般的です。 [1] [PM24]


よくある原因

  • 免疫チェックポイント阻害薬による甲状腺炎

    • 一時的な「甲状腺ホルモン過剰(甲状腺中毒症)」を経て、持続的な「甲状腺機能低下」に移行する二相性の経過が典型的です。 [PM24]
    • 多くのケースで治療薬は継続可能で、低下症になったらレボチロキシンで補充します。 [PM24] [1]
  • チロシンキナーゼ阻害薬などの抗がん剤

    • 甲状腺機能低下や亢進が起きることが知られており、定期的な甲状腺機能モニタリングが勧められます。 [PM10]
  • 甲状腺がん術後・放射性ヨウ素治療後

    • 分化型甲状腺がんでは再発抑制のためTSHを低めに抑える治療(TSH抑制療法)を行うことがあり、検査で「甲状腺機能亢進っぽい」数値に見えることがあります。これは治療目的の値で、主治医の指示に沿って調整します。 [2] [3]

「異常値」が示す可能性

  • 甲状腺中毒症(TSH低下、FT4/FT3上昇)

    • 動悸、暑がり、体重減少、不眠、頻回の便などがみられます。症状が強いときはβ遮断薬でコントロールし、必要に応じて一時的にステロイドを併用することがあります。 [4] [5]
  • 甲状腺機能低下症(TSH上昇、FT4低下)

    • だるさ、寒がり、むくみ、便秘、体重増加などが出やすく、レボチロキシンでホルモン補充を行います。中枢性低下が疑われる場合は補充前に副腎機能評価が必要です。 [4] [5] [6]
  • 一過性の治療関連変化

    • 免疫療法では数週間〜数か月の間に値が変動し、その後安定して低下症へ移ることが多いです。過剰な治療を避けるため、定期的な再検が大切です。 [PM24] [7]

どれくらい心配すべきか

多くの場合、甲状腺の異常は重篤ではなく、定期的な血液検査と症状に応じた対処で安全に管理できます。免疫療法に伴う甲状腺異常は比較的頻度が高いものの、治療継続が可能で、必要なときだけ補充療法を行うのが一般的です。 [1] [PM24]
ただし、強い動悸・めまい・意識障害、極端なだるさなどがある場合は早めに連絡してください。稀ですが重症の甲状腺機能異常や、下垂体(ホルモン中枢)の炎症が隠れていることがあります。 [1] [6]


推奨される検査の頻度

  • 免疫療法(PD-1/PD-L1、CTLA-4など)を受けている場合

    • TSHとFT4を4〜6週間ごとに定期チェックします。組み合わせによっては最初の3か月は毎サイクル、その後は隔サイクルでの確認が推奨されることがあります。 [8] [7]
    • 症状が強いのにFT4の上昇が軽度なら、T3追加測定が役立つことがあります。 [8]
  • 甲状腺がん治療後

    • レボチロキシンを服用している場合は、TSH/FT4を定期的に評価し、吸収不良や薬剤相互作用がないかも合わせて確認します。 [9] [10]
    • 再発抑制目的のTSH低値は計画的に設定されるため、自己判断で用量を変えないことが大切です。 [2] [3]

受診・連絡の目安

  • すぐに連絡すべき症状

    • 強い動悸、胸の痛み、失神、呼吸困難、著しいむくみや意識混濁など。緊急性がありうるため早急な評価が必要です。 [4] [6]
  • 速やかな相談が望ましい状況

    • 新しく出た「だるさ」「寒がり」「体重増加」「便秘」、または「体重減少」「不眠」「手の震え」など甲状腺関連の自覚症状。補充や対症治療で改善が期待できます。 [4] [5]

よくある誤解と注意点

  • 甲状腺中毒症の時期に甲状腺ホルモンを開始すると、過剰投与で悪化することがあります。中毒症ではまず対症療法が基本です。 [PM27] [5]
  • 免疫療法中の甲状腺異常は治療効果と両立できることが多く、原則として治療継続が可能です。中枢性障害が疑われる場合のみ慎重に一時中断が検討されます。 [1]
  • レボチロキシン補充時は、定期的なTSH/FT4の評価で用量調整が不可欠です。持続する異常値は吸収不良や併用薬の影響の可能性も考えます。 [9] [10]

まとめ

  • がん治療中の甲状腺「異常値」は、薬剤による一過性変化や免疫関連の甲状腺炎が原因であることが多く、過度に心配せず主治医と計画的にモニタリングすることが大切です。 [PM24] [1]
  • 免疫療法では4〜6週間ごとのTSH/FT4チェックが推奨され、低下症になればレボチロキシンの補充で安定化できます。 [8] [7] [5]
  • 強い症状がある場合は早めに連絡し、必要な検査や対症療法を受けましょう。安全に抗がん治療を続けるための標準的な管理が整っています。 [4] [6] [1]

参考の検査・管理ポイント(一覧)

状況主な検査頻度の目安典型的対応
免疫療法中TSH、FT4(必要に応じてT3)4〜6週間ごと/初期は毎サイクル症状に応じてβ遮断薬、低下症ならレボチロキシン補充
甲状腺がん術後・TSH抑制療法TSH、FT4定期(主治医の指示に従う)再発抑制目的でTSH低値を維持、自己判断で用量変更しない
抗がん剤(TKIなど)TSH、FT4定期(治療期間中)変動に応じて用量調整・症状管理

この内容で不安が少し軽くなりましたか? 追加で気になることがあれば、いつでも気軽に聞いてください。

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出典

  1. 1.^abcdefg1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
  2. 2.^ab국가암정보센터(cancer.go.kr)
  3. 3.^ab갑상선암의 치료 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
  4. 4.^abcde1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
  5. 5.^abcde1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
  6. 6.^abcd1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
  7. 7.^abc3549-Immunotherapy blood test monitoring recommendations(eviq.org.au)
  8. 8.^abc3549-Immunotherapy blood test monitoring recommendations(eviq.org.au)
  9. 9.^abDailyMed - LEVOTHYROXINE SODIUM tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abDailyMed - LEVOTHYROXINE SODIUM tablet(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。