
PubMedの資料に基づく | 精巣がんでは体重減少は症状として一般的に現れますか?
要点:
精巣がんでは、体重減少は一般的な初期症状ではありません。典型的には精巣のしこり・腫れ、陰嚢の重さ、下腹部やそけい部の痛み、乳房の張りが現れます。進行・転移した場合には全身状態の低下に伴い体重減少が起こることがあります。
精巣がんにおける体重減少は一般的な症状か
結論として、精巣がんの初期症状として体重減少は一般的ではありません。一般的な初期のサインは、精巣のしこりや腫れ、陰嚢の重さ、下腹部やそけい部の鈍痛、乳房の張りや痛み(男性の乳房組織の変化)などです。 [1] 精巣がんは多くの場合、片側の精巣に限局して始まり、早期には全身症状(発熱・著明な疲労・体重減少など)は目立たないことが多いです。 [1] ただし、進行して転移が広がった場合には、背部痛や腹部痛などの症状に加えて、全身状態の低下に伴う体重減少が現れることがあります。 [2] [3]
よくある症状
- 精巣のしこり・硬さ・腫れ(痛みがなくても要注意) [2] [1]
- 陰嚢の重さの感覚 [1]
- 下腹部・そけい部の鈍痛、突然の陰嚢腫脹 [1]
- 乳房の腫れや痛み(男性の乳房組織の変化) [1]
- 背部痛(進行例で目立つことあり) [1]
これらは精巣がんでよくみられるサインで、体重減少よりもはるかに頻度が高いものです。 [1]
体重減少が起こるケース
- 進行・転移例では、腫瘍の広がりに伴い、腹部・背部・肺などの症状とともに、食欲低下や倦怠感、体重減少がみられることがあります。 [2] [3]
- ごくまれに、異所性(精巣外)胚細胞腫瘍や診断が遅れた症例では、発熱・体重減少・夜間の発汗・腹部腫瘤など、全身症状で受診して精巣がんが判明することがあります。 [4]
- 医療文献には、体重減少や発熱を主訴に受診し、後に精巣胚細胞腫瘍と判明した稀な症例報告がありますが、これは典型ではありません。 [5]
がん悪液質(かくえきしつ)との関係
がんが進行すると、悪液質(がん悪液質:体重減少・筋肉減少・食欲低下などが同時に進む全身状態の低下)を伴うことがあります。 [6] 悪液質は複合的な代謝異常と炎症反応により、食事量が保たれていても体重が減るという特徴があり、予後の悪化と関連します。 [6] ただし、悪液質は精巣がん特有の現象ではなく、がん一般の進行例で見られる全身性の症候群です。 [6]
まとめ
- 体重減少は精巣がんの「典型的な初期症状」ではありません。 [1]
- 初期は局所症状(しこり・腫れ・陰嚢の重さ・下腹部/そけい部痛・乳房の変化)が中心です。 [1] [2]
- 進行・転移がある場合、全身状態の低下に伴い体重減少が出ることがあり、稀に体重減少が主たる受診理由となる症例も報告されています。 [2] [3] [5] [4]
- 体重減少が続くときは、消化器疾患、内分泌疾患、感染症、他のがんなど多くの原因がありうるため、精巣の自己チェックとともに医療機関で評価を受けることが推奨されます。 [1]
受診の目安とセルフチェック
- 精巣のしこり・硬さ・腫れを触れる、陰嚢の左右差が急に出た、持続する下腹部・そけい部痛、乳房の張りや痛みがある場合は、泌尿器科で診察と超音波検査(エコー)を受けることが望ましいです。 [1]
- 体重が意図せず3~6か月で5%以上減少し、背部痛・腹部痛や倦怠感が続く場合も、早めの医療相談が安全です。 [2] [3]
- 精巣のセルフチェックは入浴後などリラックスした状態で毎月行うと、早期発見に役立ちます。 [1]
専門的補足
- 精巣がん(胚細胞腫瘍)は早期発見で治療成績が非常に良好です。 [1]
- 進行例での背部痛・腹部痛は後腹膜リンパ節転移に伴うことがあり、画像検査と腫瘍マーカー(AFP、β-hCG、LDH)の評価が行われます。 [1]
- 全身性の体重減少が顕著であれば、悪液質の可能性も考慮して、栄養評価や炎症指標の確認、必要に応じた支持療法を併用します。 [6]
要点
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklmnopqTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefgSigns and Symptoms of Testicular Cancer(mskcc.org)
- 3.^abcdeSigns and Symptoms of Testicular Cancer(mskcc.org)
- 4.^abcExtragonadal germ cell tumours.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcUnusual presentation of mixed germ cell tumour from testis in a 45-year-old man.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdCancer cachexia: mechanisms and clinical implications.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


