
WHOの資料に基づく | 精巣がんの症状として吐き気は一般的に見られますか?
吐き気は精巣がんの初期・典型症状ではなく、主な症状は精巣のしこり、陰嚢の重さ、不快感、下腹部や鼠径部の鈍痛です。吐き気・嘔吐は化学療法や放射線治療の副作用、または消化管や後腹膜への転移で生じることがあります。治療中に強い吐き気が続く場合は制吐薬の調整などを医療者に相談しましょう。
精巣がんで吐き気は一般的な症状か
結論として、精巣がんそのものの初期症状として吐き気(悪心)は一般的ではありません。典型的な症状は、精巣のしこりや陰嚢の重さ・不快感、下腹部や鼠径部の鈍い痛み、突然の陰嚢の腫れなどで、これらが最もよくみられます。 [1] [2] 一方で、がんが進行して他臓器へ広がった場合や治療(特に抗がん剤や放射線)によって吐き気・嘔吐が起こることは少なくありません。 [3] [4]
初期症状と進行症状の違い
-
進行時にみられる可能性がある症状
背部痛や腹痛、呼吸困難、咳、鎖骨上・腹部のしこりなど、転移部位に応じた全身症状が出ることがあります。 [3] 消化管(十二指腸など)への転移がある場合には食欲低下や吐き気・嘔吐が生じることがあります。 [5]
吐き気が出る主な場面
-
抗がん剤(化学療法)による副作用
精巣がん治療で用いられる化学療法は、吐き気・嘔吐を引き起こすことがありますが、通常は制吐薬でコントロール可能です。 [4] 抗がん剤は速く増える細胞を標的にするため、胃腸などの正常細胞にも影響し、吐き気・嘔吐が出やすくなります。 [6] -
放射線治療による影響
腹部への放射線治療では治療中から終了直後にかけて、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が一過性に出ることがあり、通常は数週間〜数か月で改善します。 [7] -
転移による消化器症状
後腹膜や消化管への転移では、腹痛や食欲不振、吐き気・嘔吐が現れることがあります。 [5]
吐き気への対策
-
制吐薬の活用
化学療法に伴う吐き気は、事前投与の制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬など)で予防・軽減されることが一般的です。 [4] 標準的な制吐療法でコントロール可能なことが多く、重症で治療中止が必要になるケースは稀です。 [8] -
生活の工夫
・少量ずつ頻回に食事をとる
・刺激の強い匂いや脂っこい食事を避ける
・こまめな水分摂取
・必要に応じて医療者に相談して薬を調整する(用量の変更や併用薬の追加など) [4] [9]
受診の目安
- 新たにしこり、陰嚢の重さ、痛みが続く場合は早めの受診が推奨されます。 [2]
- 治療中の吐き気・嘔吐が強い、数日以上続く、食事や水分摂取が難しい場合は、制吐薬の調整や点滴などの対応が必要になることがあります。 [9]
- 腹痛や背部痛、呼吸困難、持続する咳など転移が疑われる症状がある場合も速やかな評価が望まれます。 [3]
まとめ
- 吐き気は精巣がんの初期・典型症状ではなく、進行や治療に伴って出ることが多いです。 [1] [2]
- 化学療法や放射線治療では吐き気・嘔吐が起こりえますが、標準的な制吐薬で多くの場合コントロール可能です。 [4] [8]
- 消化管や後腹膜への転移がある場合、食欲低下や吐き気・嘔吐がみられることがあります。 [5]
単純な吐き気だけで精巣がんを判断することは難しいので、しこりや陰嚢の違和感など他の症状の有無、治療の有無、症状の持続時間や強さもあわせて確認するとよいですよ。
関連する質問
出典
- 1.^abcTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdTesticular Cancer(medlineplus.gov)
- 3.^abcTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 4.^abcdeChemotherapy for Testicular Cancer(nyulangone.org)
- 5.^abc국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 6.^↑Chemotherapy for Germ Cell Tumors(nyulangone.org)
- 7.^↑Acute and subacute side effects due to infra-diaphragmatic radiotherapy for testicular cancer: a prospective study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^ab국가암정보센터(cancer.go.kr)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


