
PubMedの資料に基づく | 精巣がんの症状として疲労感はみられますか?
要点:
疲労感は精巣がんの典型的な初期症状ではありません。進行例での全身状態の悪化や、化学療法・放射線療法など治療に伴う副作用としては疲労感がみられることがあります。無痛性の精巣のしこりや腫れなどの局所症状が重要で、これらが続く場合は受診を検討してください。
疲労感は「精巣がんの代表的な初期症状」ではありませんが、進行例や治療に関連してみられることがあります。 一般的な精巣がんの主症状は、痛みのない精巣のしこりや腫れ、陰嚢の重さ、鼠径部(そけい部)や下腹部の鈍い痛み、突然の陰嚢腫脹、乳房の腫れや痛み、背部痛などです。 [1] これらは精巣局所や近接部位の症状で、疲労感は列挙されていないことが多いです。 [2] [3]
疲労感が生じうるケース
- 進行・全身影響がある場合
がんが肺や後腹膜リンパ節などへ広がると、咳・呼吸苦・腰痛などの全身症状が目立ちますが、こうした全身状態の悪化に伴って「だるさ」を訴えることはありえます。 [4] ただし、精巣がんの定型的な症状リストに疲労感が必ず含まれるわけではありません。 [5] - 治療に伴う疲労(がん関連疲労)
抗がん剤(シスプラチン系など)による治療では、疲労感はよくみられる副作用のひとつです。 [6] 化学療法や放射線療法を含むがん治療全般では、身体的・心理的要因が重なり疲労が持続することがあります。 [7] また、長期生存者においては、低度の炎症反応(IL‑1受容体拮抗因子やCRP上昇)と慢性のがん関連疲労の関連が示唆されています。 [8] したがって、治療後の慢性疲労は一定割合で生じうると解釈されます。 [8] [7]
よくある症状との比較
- 典型的症状(よくある)
無痛性の精巣のしこり・腫れ、陰嚢の重さ、下腹部・鼠径部の鈍痛、突然の陰嚢腫脹、精巣や陰嚢の不快感、乳房組織の腫大・圧痛、背部痛。 [1]
これらは診断のきっかけになりやすい所見です。 [2] - 全身症状(広がった場合)
肺やリンパ節などへの転移があると、咳、呼吸困難、腰痛、体幹のしこりなどが出現します。 [4]
この段階では患者によっては「だるい」「消耗感が強い」といった疲労感を伴うことがありますが、個人差が大きいです。 [5]
医学的ポイント
- 疲労感そのものは非特異的
疲労は貧血、感染、睡眠不足、ストレス、甲状腺機能異常、他のがんや慢性疾患など、多くの原因でも起こりえます。したがって、疲労感「だけ」で精巣がんを疑う根拠には乏しく、精巣のしこりや腫れなどの局所所見の有無が重要です。 [2] - 治療関連疲労の理解
化学療法中・後の疲労は一般的な副作用で、回復とともに改善することもありますが、一部では持続的な慢性疲労が残ることがあります。 [6] [8]
慢性疲労の背景には炎症性サイトカインの関与が報告されており、心理的因子(不安・抑うつなど)も疲労感の強さに影響します。 [8] [7]
受診の目安
- 次のサインが2週間以上続く場合は受診をおすすめします
・精巣のしこり/硬結・腫れ・左右差の拡大。 [1]
・陰嚢の重さや張り、精巣や陰嚢の不快感・痛み。 [2]
・下腹部・鼠径部の鈍い痛み、突然の陰嚢腫脹。 [1]
・乳房の腫れや痛み、原因不明の背部痛。 [1]
これらが続く場合、超音波検査を含む評価で原因を確認することが一般的です。 [5]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdeTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 3.^↑Testicular Cancer(medlineplus.gov)
- 4.^abcTesticular cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 5.^abcdTesticular cancer: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 6.^abcTesticular cancer - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 7.^abcFatigue in cancer: a review of literature.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdLevels of circulating interleukin-1 receptor antagonist and C-reactive protein in long-term survivors of testicular cancer with chronic cancer-related fatigue.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


