Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として不眠が起こることはありますか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月18日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として不眠が起こることはありますか?

要点:

公式な副作用リストではメトホルミンによる不眠は一般的とはされておらず、主な副作用は胃腸症状です。研究結果は混在しており、不眠を一貫した副作用と断定できる根拠は限定的です。服用後に眠りにくい場合は、服薬時間や製剤の工夫、併用薬の見直しなどを医師と相談してください。

メトホルミンで「不眠」が起こるかという点については、公式の添付文書や大規模な臨床試験では代表的な副作用として明確には列挙されていませんが、睡眠の質の低下を示唆する報告や、まれに睡眠関連の不調がみられる可能性は指摘されています。一方で、データの多くは胃腸症状(下痢、悪心など)が中心で、不眠は一般的副作用としては確立していないと解釈されます。 [1] [2]

公式情報のポイント

  • メトホルミンの最も多い副作用は胃腸症状(下痢、悪心・嘔吐、鼓腸)で、臨床試験でも頻度が高く報告されています。不眠は主要な一覧には含まれていません。 [1] [2]
  • まれな安全性情報として「眠気(傾眠)」など中枢神経系の症状が言及されることはありますが、これは主として重篤な代謝異常(乳酸アシドーシス)に随伴する所見として注意喚起されており、一般的な用量での通常の副作用とは位置づけが異なります。この文脈ではむしろ眠気の方向(眠くなる)で記載があり、不眠とは異なります。 [3] [4]
  • 一部の製品情報では、めまい・倦怠などの非特異的症状が低頻度で挙げられますが、ここにも不眠は定型的には含まれていません。したがって、公式文書上は不眠は一般的・頻度の高い副作用とは扱われていません。 [5] [6]

研究報告と実臨床での示唆

  • 学術的な概説では、メトホルミン使用に関連した「睡眠の悪化」が望ましくない副作用として取り上げられたレビューがあります。ただし、これは主に観察研究や症例レベルの情報に基づくもので、無作為化試験で一貫して確認された結論ではありません。 [7]
  • 逆に、2型糖尿病で睡眠障害評価を受けた集団の後ろ向き観察研究では、メトホルミン使用者の方が「総睡眠時間」と「睡眠効率」が良好だったという関連が報告されています。この結果は相関であり因果を証明するものではありませんが、少なくともメトホルミンが一律に不眠を引き起こすとは言い切れないデータです。 [8]

不眠が起こりうる場合の背景要因

  • メトホルミンそのものというより、以下の要素が間接的に睡眠を乱す可能性があります。これらが合わさると「メトホルミンを始めてから眠れない」と感じることがあります。
    • 胃腸症状(腹部不快、下痢、吐き気)による就寝中の不快感。 [1] [2]
    • 低血糖に関連する不調(動悸、発汗、震え、落ち着かない感じ)による夜間覚醒:メトホルミン単剤での低血糖は稀ですが、他の降糖薬(インスリンやSU薬など)との併用や食事量低下時には起こり得ます。夜間の交感神経症状は睡眠を妨げます。 [5]
    • カフェイン摂取増加、就寝前の食事タイミングの変化、運動時間帯の変更など、治療開始に伴う生活パターンの変化。
    • まれな代謝異常(乳酸アシドーシス)に伴う全身不調や傾眠・低体温など重篤兆候:これは緊急対応が必要な状態で、不眠というより「強い眠気」や全身症状が中心です。腎機能低下やアルコール過量などがリスクです。 [3] [9]

実際に不眠を感じたときの対処

  • まずは一般的な対策から始めるのがおすすめです。具体的には、服薬を夕食後に固定する、就寝2~3時間前の重い食事やカフェインを避ける、就寝前のスマホ・PC使用を控える、入浴や軽いストレッチでリラックスする、といった工夫です。
  • 胃腸症状が不眠の引き金になっている場合は、用量の漸増や徐放性製剤の使用、食後内服の徹底で改善することがあります。医療者と相談し、無理のない増量スケジュールに見直す方法もあります。 [1] [2]
  • 他剤との併用で夜間の低血糖が疑われる(夜間に動悸や発汗で目が覚める、悪夢、朝のだるさなど)場合は、併用薬のタイミング調整や用量見直しが必要です。自己判断で中断せず、必ず処方医に相談してください。 [5]
  • 強い倦怠、筋痛、呼吸が苦しい、体が冷える感じ、脈が遅い・不整などの症状がある場合は、まれですが乳酸アシドーシスの可能性があるため、直ちに受診が必要です。こうした症状は緊急のサインです。 [3] [4]

まとめ

  • 公式な副作用リストでは、メトホルミンで「不眠」が一般的に起こるとは位置づけられていません。主な副作用は胃腸症状で、不眠は定型的ではありません。 [1] [2]
  • 研究では「睡眠の悪化」を示唆する報告と「睡眠の質改善」との関連を示す報告が混在しており、不眠を一貫した副作用として断定できるエビデンスは限定的です。 [7] [8]
  • もし服用開始後に不眠を感じる場合は、生活習慣の見直し、服薬時間や製剤の工夫、併用薬の評価などで改善できる可能性があります。自己判断で中止せず、症状や経過(発現時期、夜間の症状、胃腸症状の有無など)をメモして主治医に相談するのがおすすめです。 [1] [2] [5]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefMETFORMIN HCL- metformin hcl tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefMETFORMIN HCL- metformin hcl tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abMETFORMIN HYDROCHLORIDE EXTENDED RELEASE- metformin hydrochloride tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdmetformin hydrochloride- metformin hydrochloride tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^metformin hydrochloride- metformin hydrochloride tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abMetformin and sleep disorders.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abThe relationship between metformin therapy and sleep quantity and quality in patients with Type 2 diabetes referred for potential sleep disorders.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^METFORMIN HYDROCHLORIDE- metformin hydrochloride extended-release tablets tablet, film coated, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。