ホルモン療法で体重増加は起こる?対策とコツ
要点:
ホルモン療法で体重増加は起こる?対策とコツ
ホルモン療法では、種類により体重増加や体脂肪の分布変化がみられることがありますが、全員に起こるわけではありません。体重増加は、治療そのものの影響に加え、疲労や活動量低下、食欲や睡眠の変化、加齢に伴う代謝低下など複数の要因が組み合わさって生じやすいと考えられます。 [1] 一方で、更年期のホルモン療法では体重そのものを大きく増やすというより、睡眠や症状の改善を通じて生活習慣の整えやすさに寄与したり、内臓脂肪の分布をやや改善させる可能性が示唆されています。 [2] [3]
体重増加が起こりうるホルモン療法の例
- がん関連の内分泌療法・補助療法
- 乳がん治療や前立腺がん治療に伴うホルモン療法では、疲労や更年期様症状、活動量の低下などを介して体重が増える人がいます。 [1]
- 性別違和のためのホルモン療法
- 思春期抑制(GnRHアナログ)
- 思春期ブロッカーでは、注射部位の反応に加え、体重増加が起こりうる副作用の一つです。 [8]
なぜ体重が増えやすいのか
- 活動量の低下や疲労の増加により消費エネルギーが減るため。 [1]
- 更年期症状に伴う睡眠障害や気分変化が食欲や食選択に影響するため。 [2] [3]
- ホルモン変化により体脂肪の分布が内臓(お腹まわり)に偏りやすくなるため。 [2] [3]
- 体組成の変化(筋量↓、脂肪↑)により基礎代謝が下がりやすいため。 [6] [7]
まずできる体重管理の基本
- 食事
- 運動
- 専門家への相談
更年期ホルモン療法と体重の関係
- 更年期における体重増加は、主に加齢や活動量低下、筋量減少の影響が大きく、閉経そのものが直接の大幅増加を招くとは限りません。 [13]
- ただし閉経関連では体脂肪の分布が腹部に偏りやすくなる傾向があり、見た目や健康リスクに影響します。 [14]
- 更年期のホルモン療法は、ホットフラッシュなどの症状改善とともに睡眠の質向上や内臓脂肪の偏在是正に寄与しうるため、生活習慣改善が取り組みやすくなる可能性があります。 [2] [3]
- 一方で、ホルモン療法は適応やリスクを医療者と十分に相談し、最小有効用量・最短期間での使用を検討するのが一般的です。 [12]
トランスジェンダー医療における注意点
- フェミニナイジング療法では、血栓症、脂質上昇、高血圧、プロラクチン上昇などの合併症とともに体重増加が起こり得ます。 [4]
- マスキュリナイジング療法でも、体重増加、脂質異常、高血圧、睡眠時無呼吸、多血症などへの注意が必要です。 [5]
- 体重や体脂肪分布の変化は、治療開始後3~6カ月から数年にわたり段階的に進むため、定期的な体組成・代謝モニタリング(体重、BMI、腹囲、血圧、脂質、血糖など)が推奨されます。 [6] [7]
実践的チェックリスト(今日からできること)
- 週1回以上の体重・腹囲測定と簡単な記録をつける。継続が最大の武器です。 [1]
- 毎食の「主食・主菜・副菜」を意識し、甘味飲料・果汁飲料・高糖質スナックは最小限に。 [1]
- 日常に「中強度の活動」をプラス(速歩で通勤、階段利用、3~5分の小刻み運動を積み上げ)。 [11]
- 週2回の筋トレ(自重スクワット、腕立て、ヒップヒンジなど)で筋量維持・代謝支援。 [11]
- 睡眠時間の確保と就寝前のスマホ断ちで睡眠の質を改善(食欲・意思決定に好影響)。 [2] [3]
- 必要に応じて管理栄養士や運動療法士の支援を受ける。 [1]
受診・相談の目安
- 3カ月で体重が5%以上増加、または腹囲が急速に増える。
- 息切れ、むくみ、睡眠時のいびき悪化や中断、強い疲労感などが持続する。
- 脂質・血圧・血糖の悪化がみられる、あるいは家族歴が強い。
- サプリや市販薬の併用を検討している(相互作用の確認が必須)。 [9] [10]
まとめ
- 多くのホルモン療法で、体重増加や体脂肪分布の変化が生じる可能性がありますが、個人差が大きく、生活習慣の工夫でコントロールできるケースは少なくありません。 [1]
- 食事・運動・睡眠・ストレス管理を土台にし、必要に応じて管理栄養士や主治医のサポートを受けることが、無理のない体重管理につながります。 [12] [1] [2] [3]
参考:療法別の特徴(簡易比較)
| 区分 | 体重・体脂肪への影響の傾向 | 併発しやすい課題の例 | 管理のポイント |
|---|---|---|---|
| 乳がん・前立腺がんのホルモン療法 | 活動量低下や症状を介して増加する人がいる | 疲労、睡眠障害、更年期様症状 | バランス食・定期運動・管理栄養士紹介 [1] |
| 更年期ホルモン療法 | 体重そのものより分布への影響、睡眠改善で生活整えやすい | 個別の心血管リスク管理が必要 | 適応・用量・期間を主治医と検討、生活習慣最適化 [12] [2] [3] |
| フェミニナイジング療法 | 体脂肪増加・再分布、体重増加があり得る | 血栓症、脂質上昇、高血圧、プロラクチン上昇 | 定期検査と体組成モニタリング、運動・食事調整 [4] [6] |
| マスキュリナイジング療法 | 体重増加や体脂肪再分布があり得る | 脂質異常、高血圧、睡眠時無呼吸、多血症 | 定期検査・睡眠評価、筋トレ+有酸素で体組成最適化 [5] [7] |
| 思春期ブロッカー | 体重増加の報告あり | ホットフラッシュ、頭痛、気分変化 | 成長・骨密度の長期モニタリング [8] |
必要に応じて、主治医に「体重管理の相談」「管理栄養士への紹介」「運動療法の処方」について気軽に相談してみてください。 [11] [1]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklTreatment for Advanced Breast Cancer(mskcc.org)
- 2.^abcdefgThe reality of menopause weight gain(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefgThe reality of menopause weight gain(mayoclinic.org)
- 4.^abcFeminizing hormone therapy - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 5.^abcMasculinizing hormone therapy - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 6.^abcdFeminizing hormone therapy - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 7.^abcdMasculinizing hormone therapy - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 8.^abPuberty blockers for transgender and gender-diverse youth(mayoclinic.org)
- 9.^abРацион и рак молочной железы: принятие решений о здоровом питании(mskcc.org)
- 10.^abالتغذية وسرطان الثدي: اتخاذ قرارات التغذية الصحية(mskcc.org)
- 11.^abcdeTerapia hormonal durante la radioterapia de próstata(mskcc.org)
- 12.^abcdComparing the risks and benefits of hormone therapy(mayoclinic.org)
- 13.^↑Weight gain in women at midlife: Unique issues in management and the role of menopausal hormone therapy(mayoclinic.org)
- 14.^↑Weight gain in women at midlife: Unique issues in management and the role of menopausal hormone therapy(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。