
米国NIHの資料に基づく | アトルバスタチンの副作用として筋肉痛はどのくらいの頻度で起こり、どんな症状が出たら受診すべきですか?
アトルバスタチンでは軽い筋肉痛(こわばり・だるさ等)が約5〜15%でみられ、重症のミオパチーや横紋筋融解症は稀(約0.01%)です。説明のつかない筋痛・筋力低下、全身の強い痛み、濃色尿、発熱、強い倦怠、症状の持続・悪化があれば、服用を一時中止して早めに受診してください。
アトルバスタチンで起こる筋肉の副作用は、一般的には軽い筋肉痛(筋肉のこわばりやだるさを含む)が中心で、起こる頻度は報告により幅がありますが、実臨床では約5〜15%で何らかの筋症状がみられることがあります。重い筋障害(ミオパチーや横紋筋融解症)はまれですが、見逃さないことが大切です。 [1] [2] [3]
筋肉症状の起こりやすさと種類
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よくある症状(頻度:おおむね5〜10%前後)
だるさ、こわばり、痛み(ミオアルジア:筋肉痛)などで、血液検査のCK(クレアチンキナーゼ)値は正常か軽度上昇にとどまります。多くは軽症で、用量調整や薬の切替で改善が期待できます。 [1] [2] -
少ないが注意が必要な症状
ミオパチー(CKが基準上限の10倍超+痛み・筋力低下)や横紋筋融解症(腎障害のリスクを伴う重症筋障害)は「まれ」ですが、早期対応が重要です。横紋筋融解症は極めて稀(0.01%程度)とされています。 [1] [4] -
免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)
ごく稀に、薬を中止しても筋力低下とCK高値が持続する特殊な筋炎型が報告されています。この場合は専門的な治療(免疫療法)が必要になります。 [5]
受診・連絡すべき症状の目安
以下のような症状があれば、放置せず医療機関に連絡してください。緊急性の高いものでは内服を一時中止し、速やかに受診を検討します。 [6] [7] [8]
- 説明のつかない筋肉痛・圧痛・筋力低下が新たに出現、または続く場合(特に発熱や強い倦怠感を伴うとき)。これは早期の筋障害のサインになりえます。 [9] [7]
- 全身に及ぶ強い筋肉痛、著しい筋力低下、歩行困難。重い筋障害の可能性があります。 [6] [8]
- 尿の色がコーラ色・濃茶色になる、発熱、ひどいこむら返りや筋痙攣、異常な疲れ。横紋筋融解症を疑うサインで、腎障害の合併リスクがあるため早めの評価が必要です。 [6]
- 筋症状が続く・悪化する(医師から様子見と言われた後も改善しない)。再評価や薬の調整が必要です。 [10] [8]
表にまとめた受診の目安
| 症状の程度 | 例 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 軽度 | 局所的な軽い筋肉痛・こわばり、日常生活に大きな支障なし | 数日〜1週間程度で経過観察しつつ、変化があれば主治医へ相談 |
| 中等度 | 広範囲の筋痛、家事・仕事に影響、こむら返りが増える | 早めに連絡し、必要ならCKなどの血液検査を検討 |
| 重度・緊急 | 強い全身痛、著しい筋力低下、歩行困難、発熱、濃色尿、極端な倦怠 | 服用を一時中止のうえ、速やかに医療機関を受診(救急も検討) |
注:医師指示がある場合を除き、重い症状時は自己判断で薬の継続をしないことが勧められます。 [11] [8]
筋障害のリスクを高める要因
- 高用量のスタチン、他薬との相互作用(強いCYP3A4阻害薬、シクロスポリン、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、HIVプロテアーゼ阻害薬など)、大量のグレープフルーツジュースの摂取はリスク増大因子です。併用薬やサプリは必ず医療者に共有しましょう。 [12] [7] [13]
- 高齢、甲状腺機能低下、腎・肝機能障害、過度のアルコール摂取、激しい運動の開始直後などもリスクを上げる可能性があります。これらがある場合は、早めの報告と慎重なモニタリングが勧められます。 [2] [14]
もし筋肉痛が出たら:一般的な対応の流れ
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症状の程度評価
局所的で軽い痛みか、広範囲で生活に支障があるかを確認します。発熱・濃色尿・強い筋力低下があれば早急に連絡を。 [6] -
血液検査(必要に応じて)
CKや腎機能、電解質などで重症度を判断します。CKが著しく高い、腎障害が疑われる場合は中止と治療が必要です。 [4] [8] -
薬の調整
症状と検査所見に応じて、用量の減量、中止、別のスタチンへの切り替え、隔日投与、非スタチン薬(エゼチミブ等)の併用などが検討されます。多くの方は工夫で継続可能です。 [3] [1]
安全に続けるためのコツ
- 自己判断での継続・中止は避け、症状は早めに共有しましょう。とくに新しい薬を開始した際は注意が必要です。 [7] [12]
- 水分をしっかり取り、無理な激しい運動は急に始めないなど、筋肉への負担を減らす工夫も有用です。体調変化(感染症や脱水など)がある時は注意を強めましょう。 [11]
- グレープフルーツジュースの大量摂取は控えることを検討してください。相互作用で血中濃度が上がる可能性があります。 [7] [13]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcdeToward "pain-free" statin prescribing: clinical algorithm for diagnosis and management of myalgia.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdEvidence-based management of statin myopathy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdStatin-induced myopathy: a review and update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^↑ATORVASTATIN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdeAtorvastatin (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 7.^abcdefghATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdefATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^abcdATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^↑ATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 11.^abATORVASTATIN CALCIUM- atorvastatin calcium tablets tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 12.^abcATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 13.^abATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 14.^↑[Muscle problems due to statins: underestimated].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


