Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | アトルバスタチンの副作用として脱毛(抜け毛)が起こることはありますか、その頻度やリスク因子、対処法はどうなっていますか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月19日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | アトルバスタチンの副作用として脱毛(抜け毛)が起こることはありますか、その頻度やリスク因子、対処法はどうなっていますか?

要点:

アトルバスタチンによる脱毛は副作用として起こりうるものの頻度は非常に低く、スタチン系でまれな皮膚関連事象として扱われます。多くは中止で可逆的で、ストレス・栄養不足・甲状腺異常・併用薬など他原因の除外が重要です。症状が続く場合は自己中止せず、医師と用量調整や他剤への切替、必要な検査を相談してください。

アトルバスタチンで脱毛(抜け毛)が起こる可能性は、一般的には「まれ」と考えられますが、スタチン系では添付文書上「脱毛(alopecia)」が報告されている製剤もあり、個人差で起こりうる副作用として認識されます。頻度は主要な有害事象に比べて極めて低く、臨床試験や公的情報の要約では優位に目立つ副作用ではありません。 [1] [2] スタチンの一部(例:シンバスタチンを含む配合剤やロバスタチン)では、皮膚・皮下組織の副作用として「脱毛」が記載されています。これはクラス(同系統)全体でまれに見られる事象として把握されており、中止で可逆的なケースが多いとされています。 [3] [4]


概要と位置づけ

  • アトルバスタチンの代表的副作用は筋症状や肝酵素上昇で、脱毛は主要イベントではありません。 大規模試験の安全性集計では、中止に至る有害事象として「筋痛」「下痢」「悪心」「ALT上昇」などが挙がりますが、脱毛は中心的には列挙されていません。 [1] [5]
  • 一方で、同じスタチン系の公的情報では、皮膚関連の有害事象欄に「脱毛」が含まれており、スタチン関連の脱毛は“稀・可逆的”に起こりうる現象として臨床現場で注意されています。 [3] [4]

起こりうる機序(考え方)

  • 医学的には、薬剤誘発性の脱毛は多くが「休止期脱毛(telogen effluvium)」に分類され、開始から数週間~数か月後にびまん性の抜け毛として気づくことが多いと説明されます。これは多くの薬剤で共通するパターンで、発熱・手術・強いストレス・分娩など他の誘因とも競合します。 [6]
  • スタチンは免疫・炎症への影響を持つ薬剤群で、一部では自己免疫性脱毛(円形脱毛症)に対する免疫調整の報告すらあるなど、毛髪への影響は一方向ではありません。 したがって、脱毛が現れた際は薬剤だけでなく他の原因の丁寧な除外が重要です。 [7]

頻度

  • アトルバスタチンに関する大規模試験や集計で、脱毛は主要な頻発副作用では報告されていません(筋症状・肝機能異常が中心)。 [1] [2]
  • クラス内の情報としては、「脱毛」は“皮膚および皮下組織障害”の項に列挙される稀な事象であり、一般的に中止で回復する傾向があると記載されています。 [3]
  • 以上より、頻度は非常に低い(まれ)と考えられますが、個々の感受性により発現する可能性はあります。 [3] [4]

リスク因子(考えられる要素)

脱毛そのものに特化した確立したリスク因子は明確ではありませんが、以下の状況では「脱毛の原因が薬以外も含め多因子化」しやすく、鑑別が重要になります。

  • ストレス・発熱・大病後・外科手術・出産など(休止期脱毛の一般的誘因) [6]
  • 栄養不足(鉄欠乏、亜鉛不足、蛋白不足)や甲状腺機能異常などの内科的要因(一般的な脱毛の原因として) [6]
  • 他の併用薬(多くの薬剤が休止期脱毛を起こしうるため) [6]
  • スタチン固有の重篤副作用リスク因子(高齢、腎機能低下、相互作用など)は主に筋障害に関係しますが、全身状態が不良な場合は脱毛を助長しうる背景となり得ます。 [8]

対処法・アクションプラン

  • まずは原因の切り分け:発症時期(薬開始からの時間)、抜け毛のパターン(びまん性か、斑状か)、同時期のストレス・発熱・手術歴、ダイエット、甲状腺症状、月経や出産歴、家族歴などを確認します。薬剤歴(新規開始・用量変更・併用追加)も重要です。 [6]
  • 検査の検討:必要に応じて血算、鉄・フェリチン、亜鉛、甲状腺機能(TSH)など、脱毛の一般的原因の評価を考えます。 [6]
  • 経過観察か用量調整:アトルバスタチンによる可能性が否定できず、他原因が見当たらない場合、症状の程度に応じて一時的な経過観察や用量調整を検討することがあります。重い副作用(筋痛が強い、CK高値など)があれば、添付文書上は中止・評価が推奨されます。 [9] [10]
  • 薬剤の切り替え:脱毛が明らかに薬剤関連と考えられる場合、同系統内での別薬へのスイッチや、用量変更が現実的な選択肢です。多くのケースで中止により数週~数か月で回復する(可逆的)とされます。 [3]
  • 皮膚科的サポート:びまん性の休止期脱毛が疑われる場合は、原因除去と時間経過で自然回復することが多いため、頭皮ケアや牽引・過度な整髪の回避、栄養バランスの改善などを併せて行います。斑状の脱毛(円形脱毛症様)や瘢痕化が疑われる場合は皮膚科受診で治療方針を相談します。 [6]
  • 心血管リスクとのバランス:スタチンは心血管イベント予防の効果が確立しているため、自己判断の中止は避け、担当医と相談のうえで調整することが大切です。 [2]

具体的な見分けのポイント

  • アトルバスタチン開始後、2~3か月前後でびまん性の抜け毛が増え, 他原因がなければ「薬剤性休止期脱毛」を疑います。 [6]
  • 筋痛・こわばり・脱力、尿色が濃いなどが同時にあれば、スタチン有害事象(筋障害)の評価を優先し、医療機関へ早めに相談します。 [8]
  • 皮疹や水疱、重い皮膚症状があれば重篤皮膚障害の可能性もあるため直ちに受診します(スタチンで非常に稀ながら重篤皮膚反応の報告があります)。 [11] [12]

まとめ

  • アトルバスタチンで脱毛は“起こりうるが非常にまれ”と考えられ、主要な副作用ではありません。 [1] [2]
  • スタチン系では皮膚関連副作用に「脱毛」の記載がある製剤があり、多くは中止で回復する可逆的な経過が期待できます。 [3] [4]
  • 実際には、ストレス・栄養・内分泌・他薬など多因子の影響が大きいため、原因の切り分けと、必要に応じた用量調整・薬剤切替を医師と相談するのがおすすめです。 [6] [9]

対処のチェックリスト

  • 抜け毛の開始時期と増加の程度をメモする(写真記録も有用)。
  • 直近3か月の体調変化(発熱・手術・強いストレス・減量)と食生活を振り返る。 [6]
  • 新規薬・サプリの有無を洗い出す。 [6]
  • 筋痛や尿色変化など、他のスタチン関連症状がないか確認する。 [8]
  • 自己判断で中止せず、必要なら担当医と「用量調整・他剤への切替・検査」を相談する。 [9] [10]

この抜け毛、いつ頃からどのくらいの量で増えてきたか、思い当たる体調変化や新しい薬はありますか?

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdATORVASTATIN CALCIUM- atorvastatin calcium, film coated tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdATORVASTATIN(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefDailyMed - EZETIMIBE AND SIMVASTATIN tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdALTOPREV- lovastatin tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^ATORVASTATIN CALCIUM- atorvastatin calcium, film coated tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefghijkDrugs and hair loss.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Hair growth in patients alopecia areata totalis after treatment with simvastatin and ezetimibe.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcATORVASTATIN(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abATORVASTATIN CALCIUM- atorvastatin calcium tablets tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  11. 11.^Atorvastatin Calcium(dailymed.nlm.nih.gov)
  12. 12.^Atorvastatin Calcium(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。