Medical illustration for WHOの資料に基づく | ワルファリン服用中に牛肉やラムなどの赤身肉を食べるとINRが下がって効果が弱まるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月13日5分で読める

WHOの資料に基づく | ワルファリン服用中に牛肉やラムなどの赤身肉を食べるとINRが下がって効果が弱まるというのは本当ですか?

要点:

ワルファリン服用中のINR低下は、赤身肉そのものよりビタミンK摂取の急な増減が主因です。牛・ラムの筋肉は影響が小さく、レバーや緑の葉野菜・植物油の急増はINRを下げやすいため、食事量を一定に保ち、変更時はINRを追加確認しましょう。

ワルファリン服用中に赤身肉(牛肉・ラム)を食べるとINRが下がる可能性は「一部ではあり得ます」が、ポイントは赤身肉そのものではなく「ビタミンKの摂取量が急に増減すること」です。ワルファリンはビタミンKの働きを抑えて抗凝固作用を出す薬なので、ビタミンKを多く摂ると相殺されてINRが下がり(効き目が弱まり)やすく、逆に少なくなるとINRが上がりやすくなります。したがって、赤身肉の食べ方が「普段から一定」であれば大きな問題にならないことが多い一方、「急に量を増やす」などの変化はINRに影響し得ます。 [1] [2]

仕組みの要点

  • ワルファリンは体内の凝固因子を活性化するビタミンKの働きをブロックします。したがって、食事からのビタミンK摂取が増えると、ワルファリンの効果は相対的に弱まり、INRは低下方向に動きやすくなります。つまり「ビタミンKの多い食品を急に増やす」ことがINR低下の主な理由です。 [1] [2]
  • 公式情報でも、ビタミンKが多い食品(とくに緑色の葉野菜や一部の植物油)を大量に摂るとワルファリンの効果が下がるため、食事パターンを急に変えないようにとされています。「食べるなら毎日ほぼ同じ量に保つ」ことが最重要です。 [1] [3]

赤身肉はビタミンKが多いの?

  • 一般的に、最もビタミンKが多いのはケール・ホウレンソウ・ブロッコリーなどの濃い緑の葉野菜や菜種油・大豆油などの植物油です。赤身肉の筋肉部分のビタミンKは比較的少ないとされ、野菜や植物油に比べると影響は小さめです。 [1] [2]
  • ただし、牛や羊の「肝(レバー)」はビタミンK含有が高めで、量を多く摂るとINR低下の一因となり得ます。赤身肉=筋肉と、レバー=内臓は分けて考えるのが安全です。 [4]

研究からわかること(実臨床のヒント)

  • 薬の効きは食事・薬・体調など多因子で変動するため、ワルファリン治療では食事の変化時にINRの追加チェックが推奨されます。新しい食習慣を始める・やめる時はINRを少し頻回に確認するのが安全です。 [5]
  • 食事のビタミンKは「絶対量」よりも「安定性」が重要と示唆されています。普段からビタミンK摂取が安定している人は、たまの変動の影響が出にくいという報告もあります。 [6]
  • 一方で、摂取量が極端に少ない人はちょっとした増減でINRがぶれやすくなる可能性があります。過度に制限しすぎず、毎日一定量を保つほうが治療は安定しやすいと考えられます。 [6]

実践アドバイス

  • 赤身肉(牛・ラムの筋肉部分)は、普段の量を大きく変えなければ、INRへの影響は限定的であることが多いです。量や頻度を急に増やす場合は、念のためINRを確認しましょう。 [1] [5]
  • レバー(肝)はビタミンKが多めなので、たくさん食べる・たびたび食べるのは控えめにし、食べるときは量を一定に保つよう意識しましょう。 [4]
  • 緑の葉野菜・青汁・植物油の急な増減がより大きくINRに響きやすいので、こちらのほうを特に一定化させると安定につながります。 [1] [2]
  • 新しいサプリ(CoQ10、緑茶エキスなど)や健康茶、ハーブ類、アルコールの多飲はINRに影響し得るため、始める・やめる前に医療者へ相談すると安心です。 [7] [8]

まとめ

  • 「赤身肉=即INR低下」ではなく、INRに効いてくるのは主にビタミンKの摂取変動です。赤身肉の筋肉部分はビタミンKが多い部類ではありませんが、レバーは高めです。 [1] [4]
  • コツは“食事を急に変えないこと”と“変えるときはINRを追加で測ること”。これがワルファリン治療を安定させる近道です。 [5] [2]

このテーマについて、普段お召し上がりの牛肉・ラムの量や頻度、レバーの摂取状況はどのくらいですか?

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出典

  1. 1.^abcdefgWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdeDailyMed - WARFARIN SODIUM tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^WARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abc복약정보 : 화순전남대학교병원(cnuhh.com)
  5. 5.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abInfluence of dietary vitamin K intake on subtherapeutic oral anticoagulant therapy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Warfarin(stanfordhealthcare.org)
  8. 8.^Warfarin side effects: Watch for interactions(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。