Medical illustration for WHOの資料に基づく | ワルファリン服用中にコーヒー(カフェイン入り・デカフェ)を飲むとINRや出血リスクに影響はありますか? - Persly Health Information
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2026年2月13日5分で読める

WHOの資料に基づく | ワルファリン服用中にコーヒー(カフェイン入り・デカフェ)を飲むとINRや出血リスクに影響はありますか?

要点:

ワルファリン内服中のコーヒー(カフェイン入り・デカフェ)は、通常の飲用量ではINRや出血リスクへの一貫した大きな影響は示されていません。とはいえ相互作用の多い薬なので、摂取量の急な変更は避け、出血サインに注意し、変更時は主治医とINR確認を相談しましょう。

ワルファリン内服中のコーヒー(カフェイン入り・デカフェ)について、一般的な飲用量ではINR(血液の固まりにくさを示す値)や出血リスクへ明確な影響は報告が限られており、通常は大きな影響は出にくいと考えられます。ただし、ワルファリンは多くの食品・飲料・サプリで作用が変わり得る薬のため、急な飲用量の増減や極端な多量摂取は避け、INRの安定を優先することが大切です。 [1] [2]

ワルファリンと飲食物の基本

  • ワルファリンは食事や飲料の影響を受けることがあり、治療と用量に影響する可能性が指摘されています。そのため、通常は「普段どおりのバランスのよい食事」を一定に保つことが推奨されます。 [1] [3]
  • 出血のサイン(歯ぐき出血、黒色便、コーヒー残渣様の嘔吐など)があれば、ワルファリンの影響が強まっている可能性があるため速やかな受診が必要です。こうした症状はワルファリンの安全性情報として広く周知されています。 [1] [3]

コーヒー/カフェインの血液凝固への影響に関するデータ

  • 健常成人でのランダム化試験では、コーヒー摂取やカフェイン摂取が、フィブリノーゲンや凝固因子VII・VIII、プロテインC・Sなど主要な止血因子に有意な変化を与えなかったと報告されています。この結果は、カフェインそのものが凝固系を強く乱す可能性は低いことを示唆します。 [4]
  • 同試験では、カフェイン錠(1回75 mgを1日数回、計4–6錠)という比較的しっかりした用量でも、主要凝固指標への明確な影響は認めていません。ただし、これは健常者データであり、ワルファリン治療中の人にそのまま当てはめるには慎重さが必要です。 [4]

INRや出血リスクへの臨床的含意

  • 歴史的レビューでは、ワルファリンの作用を強めたり弱めたりする相互作用相手として多くの薬剤・食品が列挙されていますが、コーヒーやカフェイン自体は主要な相互作用項目としては挙げられていません。これまでの臨床証拠からは、コーヒーがINRを一貫して大きく変動させるという強い根拠は限られています。 [5]
  • 一方で、ワルファリンは「相互作用が多い薬」であり、併用薬や一部の飲食物次第で出血リスクが高まることが知られています。抗菌薬・抗血小板薬・NSAIDsなどの併用では出血が増えやすいため、これらの方が臨床的には重要な注意点です。 [6]

デカフェはどうか

  • デカフェはカフェイン量が少ないため、カフェイン由来の生理作用はさらに小さいと考えられます。健常者研究でもカフェインが主要凝固指標に与える影響は限定的だったため、デカフェがワルファリンのINRに特異的な悪影響を与える可能性は高くなさそうです。 [4]
  • とはいえ、焙煎や抽出の違いによるポリフェノール等の微量成分の差や、摂取パターンの急変がINRの安定性に影響する可能性は理論上ゼロではありません。習慣的な量を一定に保つことが実務上のコツです。 [1] [3]

実践的な飲み方のポイント

  • 量を急に増減しない:日々のカップ数や濃さを大きく変えないようにしましょう。大きく変える必要がある時は、次回のINR測定計画を主治医と相談すると安心です。 [1] [3]
  • 出血サインに注意:歯ぐき出血、黒色便、血尿、原因不明の大きなあざ、吐血やコーヒー残渣様嘔吐などがあればすぐに医療機関へ。これらは緊急対応が必要になり得るシグナルです。 [1] [2]
  • 併用薬に気を配る:抗菌薬、抗血小板薬、NSAIDsなどはINRや出血リスクを変えやすい代表例です。新しく薬を始める時は、必ずワルファリン内服中であることを伝えましょう。 [6]
  • アルコールは注意:アルコールは状況によってワルファリン作用に影響することがあり、肝機能異常がある場合などで作用増強が問題となり得ます。飲む場合は量を控え、一定に保つのが安全です。 [5]

まとめ

  • 現時点のエビデンスでは、コーヒー(カフェイン入り・デカフェ)の通常摂取は、ワルファリン治療中のINRや出血リスクに対して一貫した大きな悪影響を示すとは言い切れません。ただし、ワルファリンは飲食物の影響を受け得る薬なので、摂取量の急な変更は避け、INRの安定を最優先にしましょう。 [5] [4] [1] [3]
  • もしコーヒー量を増やす・減らす、または飲む時間帯を大きく変えるなど生活パターンを変える場合は、次回INRチェックのタイミング調整を主治医と相談するのがおすすめです。 [1] [3]

ご心配があれば、いつでも相談してください。最近コーヒーの量や濃さを変えるご予定はありますか?

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出典

  1. 1.^abcdefghWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdef(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdCoffee, caffeine and hemostasis: results from two randomized studies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcInteractions of warfarin with drugs and food.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abRisk of hemorrhage and treatment costs associated with warfarin drug interactions in patients with atrial fibrillation.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。