
WHOの資料に基づく | パンタプラゾール服用中にウコン(ターメリック)サプリを併用しても安全ですか、相互作用はありますか?
要点:
パンタプラゾールとウコン(ターメリック/クルクミン)の併用で、現在確立した重大な相互作用は報告されておらず、多くの方で併用可能と考えられます。ただし、ウコンは理論上CYP酵素やトランスポーターに影響し得るため、開始・中止時は症状の変化を観察し、とくにワルファリンや抗がん剤、免疫抑制薬等を使用中の方は医師・薬剤師に相談してください。
パンタプラゾールとウコン(ターメリック/主成分クルクミン)の併用は、一般的には大きな相互作用が確認されていないため、多くの方で併用可能と考えられます。ただし、ウコンは理論上いくつかの酵素(CYP)や輸送タンパクに影響する可能性があり、薬の効き方に個人差を生むことがあるため、念のため注意して使うのが安心です。 [1] [2]
結論のポイント
- 確立した重大な相互作用は報告されていません(臨床報告で明確な問題は乏しい)。 [1] [2]
- パンタプラゾールはPPIの中でも相互作用リスクが比較的低い薬と位置づけられています。 [3] [4]
- 一方で、ハーブ・サプリは理論上CYP系への影響があり得るため、併用開始・中止時は体調変化や他薬の動きを観察するのが無難です。 [1] [5]
パンタプラゾール側の相互作用プロファイル
- パンタプラゾール(プロトンポンプ阻害薬, PPI)は、同系薬の中で相互作用の可能性が比較的低いと評価されています。特にクロピドグレルとの相互作用問題はオメプラゾールほど顕著ではないとされています。 [3] [4]
- PPI全般は胃内pHを上げることで一部薬の吸収を下げる相互作用がありますが、これは主に酸性条件で溶ける薬(例:ケトコナゾール、アタザナビルなど)に関するものです。パンタプラゾール自体は多剤との重大な代謝相互作用が比較的少ないとまとめられています。 [6] [4]
ウコン(クルクミン)側の安全性と相互作用の観点
- クルクミンは初期の臨床試験で概ね良好に耐容され、主な副作用は軽い吐き気や下痢などです。臨床的に明確な薬物相互作用は支持されていないとするレビューがあります。 [1] [2]
- ただし、理論上はCYP450酵素や薬物トランスポーターに影響し得るため、化学療法薬など一部薬剤との併用には注意がすすめられています。 [1] [5]
- がん領域の補助療法としての使用例では安全に併用可能だった報告もありますが、吸収が低く用量や製剤によりばらつく点も指摘されています。 [5] [7]
現時点のエビデンスを踏まえた実践的アドバイス
- 一般的には併用可能と考えられますが、慎重に開始するのが無難です。開始後1~2週間は胃症状(胸やけ、腹痛の再燃)、下痢・便秘、頭痛、めまいなどの変化がないか観察しましょう。 [1] [3]
- 他の薬を併用している場合は要注意です。特にワルファリン、メトトレキサート、移植後の免疫抑制薬、HIV/抗ウイルス薬、抗がん剤などはPPI側・クルクミン側いずれの機序でも影響し得るため、医師・薬剤師に必ず相談してください。 [3] [4]
- 鉄サプリを服用中の方は、PPIで吸収が落ちやすいことが知られているため、鉄剤の内服時間をずらす、ビタミンCと一緒に摂る等の工夫が検討されます。 [8] [9]
用量・製品選びのコツ
- ウコンは製品ごとにクルクミン含有量・吸収性(バイオアベイラビリティ)が大きく異なるため、過剰摂取は避け、表示に従った通常量から始めるのが安心です。 [5] [7]
- 吸収性を高める目的でコショウ由来のピペリン配合の製品もありますが、ピペリンはCYPに影響する可能性があるため、多剤併用下では慎重に検討しましょう。 [5] [7]
- 肝機能障害の既往がある方、胆道閉塞や胆石のある方は、胆汁分泌に関与する可能性からウコンの使用は医療者に相談した方が安全です。 [5]
併用時のチェックリスト
- 体調変化(胃腸症状、出血傾向、めまい、倦怠感)の有無をメモする。 [1] [3]
- 他薬(処方薬・市販薬・サプリ)をすべて医師・薬剤師に共有する。PPIは一部薬の吸収や代謝に関与し、クルクミンも理論上影響し得ます。 [6] [5]
- 検査予定(血液検査、凝固検査、薬物濃度モニタリング)がある場合、サプリ開始・中止時期を必ず申告する。 [3] [4]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghiClinical utility of curcumin extract.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcClinical utility of curcumin extract.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghPharmacokinetic drug interaction profiles of proton pump inhibitors: an update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefPharmacokinetic drug interaction profiles of proton pump inhibitors: an update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdefghTurmeric(mskcc.org)
- 6.^abDrug-drug interaction profiles of proton pump inhibitors.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcTurmeric(mskcc.org)
- 8.^↑Pantoprazole: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 9.^↑Pantoprazole: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


