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2026年2月27日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | オメプラゾール服用中にグレープフルーツやグレープフルーツジュースを摂取すると副作用のリスクが高まるのは本当ですか?

要点:

オメプラゾール服用中にグレープフルーツ(ジュース)を摂取しても、一般的に副作用が大きく増える可能性は低いです。これは、オメプラゾールが主にCYP2C19で代謝され、グレープフルーツが強く阻害するCYP3A4の影響が限定的なためです。ただし、オメプラゾールは他薬との相互作用を起こし得るため、併用薬がある場合は注意し、医師・薬剤師に相談することが勧められます。

オメプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)を服用中にグレープフルーツやグレープフルーツジュースを摂っても、一般的には副作用のリスクが大きく高まるとは言い切れません。オメプラゾールは主にCYP2C19という酵素の影響を受ける薬で、グレープフルーツが強く阻害するCYP3A4との関わりが限定的なため、典型的な「グレープフルーツ相互作用」は起こりにくいと考えられます。 [1] 一方で、オメプラゾール自体が他の薬の効き方に影響する特性があるため、併用薬によっては注意が必要です。 [2]


仕組みの違い

  • グレープフルーツの影響
    グレープフルーツは腸管のCYP3A4を強く阻害し、CYP3A4で代謝される薬の血中濃度を上げて副作用を増やすことがあります。代表的なのは一部のカルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)や一部の免疫抑制薬(シクロスポリンなど)です。(一般知識の説明)

  • オメプラゾールの代謝
    オメプラゾールは主にCYP2C19で代謝され、時間依存的にCYP2C19を阻害する性質があります。そのため、CYP2C19で代謝される他の薬(例:クロピドグレルなど)の作用に影響を与えることがあります。 [1] [2]

  • 結論としての相互作用の可能性
    グレープフルーツが強く影響するのはCYP3A4で、オメプラゾールの主経路はCYP2C19です。この酵素の違いから、オメプラゾールとグレープフルーツの直接的な相互作用は、一般的には大きくないと考えられます。 [1]


それでも注意したい点

  • 併用中の他の薬
    オメプラゾールは胃内pHを上げるため、pHに依存して吸収される薬の血中濃度を変えることがあります。たとえば、リルピビリンやアタザナビルなど一部の抗ウイルス薬は、オメプラゾールと一緒に使うと効果が弱まることが知られています。 [2] [3] [4]
    もし、こうした薬を飲んでいる場合、グレープフルーツの有無にかかわらず、オメプラゾール自体の相互作用が問題になり得ます。 [2]

  • 個人差(遺伝的要因)
    CYP2C19の働きには個人差があり、代謝が遅い体質の方はオメプラゾールの血中濃度が上がりやすい傾向があります。このような場合でも、グレープフルーツによる追加的な増加は理論上小さいと考えられますが、体質や併用薬次第で感じ方に差が出ることがあります。(一般知識の説明)


実臨床での対応

  • 通常の摂取量なら過度に心配しない
    日常的な量のグレープフルーツやジュース(例:コップ1杯程度)で、オメプラゾールの副作用が顕著に増える可能性は高くないと考えられます。 [1]

  • 大量摂取は避けるのが無難
    グレープフルーツを大量に、毎日継続的に摂ると腸管CYP3A4の阻害が持続します。オメプラゾールに直接の影響は限定的と見られますが、他の同時服用薬に影響しやすくなるため、過剰摂取は避けるのが安全です。 [2]

  • 併用薬を確認する
    抗ウイルス薬や一部の抗てんかん薬、免疫抑制薬、抗血小板薬(クロピドグレル)などを一緒に服用している場合は、オメプラゾールによる相互作用が臨床的に重要になることがあります。 [5] [6]
    このような場合は、かかりつけ医や薬剤師に併用状況を伝え、必要なら薬の選択や飲み方を調整してもらうのがおすすめです。 [6]


まとめ

  • オメプラゾールとグレープフルーツの組み合わせで、一般的に副作用が大きく増えるとは限りません。 [1]
  • ただし、オメプラゾール自体が他の薬の働きに影響するため、併用薬の内容によって注意が必要です。 [2]
  • 日常的な適量のグレープフルーツは過度に心配しなくてよい可能性が高いですが、大量摂取は避け、併用薬の確認を行うと安心です。 [1] [2]

よくある質問への簡潔回答

  • グレープフルーツを完全にやめるべき?
    一律には不要です。適量なら大きな問題は起こりにくいと考えられます。 [1]

  • どんなときに注意が必要?
    抗ウイルス薬、免疫抑制薬、抗てんかん薬、抗血小板薬などを同時に服用中のときは、オメプラゾールの相互作用が臨床的に重要になり得ます。 [2] [5]

  • 代替手段はある?
    もし相互作用が懸念される状況なら、医師の判断で他のPPI(別のプロトンポンプ阻害薬)や用量・服用タイミングの調整が検討されることがあります。 [6]


🍊今の服用中のお薬リスト(市販薬やサプリも含む)を教えていただければ、グレープフルーツ摂取の注意点をもう少し具体的にお伝えできますが、いかがですか?

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出典

  1. 1.^abcdefgThese highlights do not include all the information needed to use omeprazole delayed-release capsules safely and effectively. See full prescribing information for omeprazole delayed-release capsules. OMEPRAZOLE Delayed-Release Capsules USP Initial U.S. Approval: 1989(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^DailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^DailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abDrug-drug interaction profiles of proton pump inhibitors.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcPharmacokinetic drug interaction profile of omeprazole with adverse consequences and clinical risk management.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。