米国NIHの資料に基づく | オメプラゾールを服用した後にブロッコリーを食べても問題ありませんか?相互作用や薬の効果への影響はありますか?
オメプラゾールとブロッコリーの併用は、通常量であれば臨床的に意味のある相互作用は報告されておらず、基本的に問題ありません。重要なのは食前に服用することで、薬効は食事内容よりタイミングの影響を受けます。併用薬がある場合は相互作用の可能性に注意してください。
オメプラゾールとブロッコリーの食べ合わせは、一般的には問題ありません。現在の公的情報では、オメプラゾールと通常量のブロッコリー(アブラナ科野菜)に臨床的に意味のある相互作用は示されていません。オメプラゾールは胃酸分泌を抑える薬で、主な相互作用は「胃内の酸性度の変化(pH上昇)」と「肝代謝酵素(CYP2C19)の阻害」によるものですが、ブロッコリーがこれらを大きく変えるエビデンスは確認されていません。そのため、通常の食事としてブロッコリーを摂るのは基本的に安心と考えられます。 [1] [2] [3]
オメプラゾールの相互作用の基本ポイント
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胃内pH変化による相互作用
オメプラゾールは胃酸を抑えて胃内pHを上げます。これにより、一部の「酸に溶けやすい薬」の吸収が変わることがあります。これは主に他の薬との相互作用であり、通常の食事との相互作用は限定的です。 [1] [4] -
CYP2C19阻害による相互作用
オメプラゾールはCYP2C19という肝臓の酵素を時間依存的に阻害し、この酵素で代謝される薬(例:一部の抗てんかん薬、抗不整脈薬、抗血小板薬など)の血中濃度を上げることがあります。食品がこの機序を大きく増強することは一般的に報告されていません。 [1] [2]
ブロッコリー(アブラナ科野菜)と酵素の話
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アブラナ科野菜(ブロッコリー、ケール、キャベツなど)にはスルフォラファンなどの成分が含まれ、肝酵素に影響しうることが示唆されています。動物研究では、ケール摂取がCYP酵素活性を一部抑制し、同時に投与したオメプラゾールなどの血中濃度が「上がる傾向」が示された報告があります。ただしこれはラットでの高用量・短期間の実験で、人で同様の影響が起きるかは確立していません。 [5] [6] [7]
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人で確実に問題になるのは、グレープフルーツのような一部の果物と特定薬の組み合わせですが、ブロッコリーとオメプラゾールの組み合わせに関して、臨床的に明確な悪影響を示した人のデータは見当たりません。 したがって、日常的な量のブロッコリー摂取は過度に心配しなくて大丈夫と考えられます。 [1] [2]
服用タイミングと食事のコツ
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内服タイミング
オメプラゾール(腸溶カプセル)は「食前」に服用するのが原則です。これは食事により吸収が遅れたり、総体としての吸収量がわずかに下がる可能性があるためで、食前に飲む方が効果が安定しやすいからです。 [8] [9] [10] -
食事そのものの影響
食後にオメプラゾールを飲むと、製剤によってはAUC(体内に入る総量)が低下するデータがあります。したがって、食事の内容(ブロッコリーを含むかどうか)より「食前に飲む」ことを優先してください。 [11] [12] [13] -
実用的なポイント
例外的に注意が必要なケース
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他の薬との飲み合わせ
オメプラゾールは、CYP2C19基質薬(例:一部の抗てんかん薬、ジアゼパム、フェニトイン)や、pHに依存して吸収が変わる薬の血中濃度に影響することがあります。この場合の注意点は食べ物よりも「併用薬の管理」です。 心当たりがあれば、医療者に薬のリストを見せて相談してください。 [1] [2] [4] -
ブロッコリーを極端に大量摂取する場合
人での明確なデータは乏しいものの、アブラナ科野菜の極端な過剰摂取は理論上、酵素活性に何らかの影響を与える可能性があります。通常の食事量(副菜〜一品程度)であれば、実臨床で問題になる可能性は低いと考えられます。 [5] [6]
よくある質問への回答
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Q. オメプラゾールを飲んだ直後にブロッコリーを食べても良い?
できれば食前に薬を飲み、数十分後に食事をとるのが理想です。食前服用の原則が守られていれば、ブロッコリーを含む普通の食事は問題ありません。 [8] [9] [10] -
Q. ブロッコリーが薬効を弱める心配は?
現在のヒト臨床情報では、そのような明確な証拠はありません。薬効を左右する主因は「食前服用」かどうかです。 [8] [9] [11]
まとめ
- 結論:日常量のブロッコリーは、オメプラゾールと一緒にとっても原則問題ありません。重要なのは「食前に服用すること」で、食事内容そのものが薬効を大きく損なう証拠は乏しいです。 [8] [9] [10]
- 補足:ほかの薬を併用している場合は、オメプラゾールの酵素阻害や胃内pH変化により相互作用が起こる可能性があるため、服用中の全ての薬を医療者に共有することをおすすめします。 [1] [2] [4]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdeDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^↑DailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcOMEPRAZOLE AND SODIUM BICARBONATE- omeprazole, sodium bicarbonate powder, for suspension OMEPRAZOLE AND SODIUM BICARBONATE- omeprazole, sodium bicarbonate capsule(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abInhibitory effects of kale ingestion on metabolism by cytochrome P450 enzymes in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abInhibitory effects of kale ingestion on metabolism by cytochrome P450 enzymes in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Inhibitory effects of kale ingestion on metabolism by cytochrome P450 enzymes in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdeDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^abcdeThese highlights do not include all the information needed to use omeprazole safely and effectively. See full prescribing information for omeprazole. OMEPRAZOLE DELAYED-RELEASE CAPSULES, USP Initial U.S. Approval: 1989(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^abcDevelopment of an oral formulation of omeprazole.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 11.^abOMEPRAZOLE AND SODIUM BICARBONATE- omeprazole, sodium bicarbonate powder, for suspension OMEPRAZOLE AND SODIUM BICARBONATE- omeprazole, sodium bicarbonate capsule(dailymed.nlm.nih.gov)
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- 13.^↑Development of an oral formulation of omeprazole.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
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ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。