PubMedの資料に基づく | ナプロキセン服用中に緑茶を飲むと副作用のリスクが高まるというのは本当ですか?
要点:
通常量の飲料としての緑茶とナプロキセン併用で副作用リスクが大きく高まる確かなヒトデータは少なく、一般的には重大な相互作用は低いと考えられます。ただし高濃度の緑茶エキスサプリでは薬物動態に影響しうるため、医師・薬剤師に相談し、食後服用や症状のモニタリングを心がけてください。
ナプロキセンと緑茶の併用による副作用リスクについては、一般的なお茶(適量の飲用)であれば大きく高まるとまでは言い切れませんが、いくつかの点で注意が必要と考えられます。とくに高用量の緑茶エキス(サプリ)を使う場合は薬物動態の相互作用が起こる可能性があるため、慎重に様子を見ることがすすめられます。 [1]
総論:深刻な相互作用の報告は限定的
- 緑茶に多く含まれるカテキン(EGCGなど)は、体内で薬の吸収や代謝・排出に関わる酵素や輸送たんぱく(CYP3A4、UGT、P-gp、OATPなど)に影響を与えることがあり得ます。動物実験や試験管レベルでは相互作用が示されていますが、日常的なお茶の量で人に明確な影響が出た報告は限定的です。 [1]
- 一方で、高濃度の緑茶エキスサプリでは、薬の血中濃度に影響する可能性が相対的に高まるとされています。 [1]
ナプロキセンの特徴と相互作用の可能性
- ナプロキセンはNSAIDsの一種で、胃腸障害(胃痛、胃炎、潰瘍、出血)や腎機能への影響が主な副作用として知られます。ナプロキセンは主に肝で単純な代謝を受け、尿中に未変化体や代謝物として排泄されるため、他薬との大きな薬物動態相互作用は相対的に少ないとされています。 [2]
- つまり、緑茶がCYP3A4やUGTを調節し得るという一般的知見はあるものの、ナプロキセン特有の明確な相互作用(たとえば極端な血中濃度変化)を示すヒトでの一貫したデータは乏しいのが現状です。 [1] [2]
緑茶が関与しうるメカニズムと実臨床への示唆
- 緑茶カテキンは、薬の吸収・排出に関わるトランスポーター(P-gp、OATPなど)や代謝酵素(CYP、UGT)を阻害または調節する可能性が示唆されています。このため、特定の薬ではバイオアベイラビリティ(体内に入る量)が増減しうることが知られています。 [1]
- ただし、こうした作用はサプリなどの高用量で顕著になりやすく、通常の飲料としての緑茶の範囲では臨床的な影響は限定的であることが多いと考えられています。 [1]
胃腸出血などのリスクは増える?
- ナプロキセン単独でも胃腸障害のリスクはありますが、緑茶(飲料)が直接的にナプロキセンの胃腸出血リスクを上げるとする決定的なヒトデータは確認されていません。 [2]
- 一方で、緑茶にはカフェインやポリフェノールが含まれ、空腹時の刺激や胃酸分泌に影響する可能性はあります。実臨床では、胃が弱い方や過去に胃潰瘍・出血の既往がある方は、ナプロキセンは食後に服用し、緑茶を空腹時に多量摂取しないなど、胃への刺激を減らす工夫が無難です。 [2]
緑茶エキスサプリには要注意
- 緑茶エキスサプリは成分が高濃度で、薬物代謝酵素・輸送体への影響が強まる可能性が指摘されています。 [1]
- 実際に、緑茶が他薬の体内動態(吸収や血中濃度)を変化させた報告は複数あり、ヒトでも一部確認されています。 [3] [4] [5]
- そのため、ナプロキセン服用中に減量目的などで高用量の緑茶エキスサプリを新たに始める場合は、医師や薬剤師に相談し、胃腸症状や腎機能の変化に注意することをおすすめします。 [1]
併用時の実践アドバイス
まとめ
- 現時点の知見では、通常量の「飲料としての」緑茶とナプロキセンの併用で副作用リスクが大きく高まると断定できるヒトデータは限られています。 [1] [2]
- ただし、高用量の緑茶エキスサプリは薬の動きに影響し得るため注意が必要です。 [1]
- ナプロキセン自体に胃腸・腎関連の副作用リスクがあるため、服用方法の工夫(食後、十分な水分)と症状のモニタリングを行うのが実用的です。 [2]
もし緑茶サプリを使っている、あるいは胃が弱いといったご事情があれば、どのくらいの量をどの頻度で摂っているか教えていただければ、より具体的にアドバイスできます。
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出典
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。