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2026年2月24日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | ナプロキセン服用中、緑茶の摂取量に注意が必要というのは本当ですか?

要点:

通常の飲用量の緑茶は、ナプロキセン服用中でも大きな問題になりにくい一方、緑茶エキスのサプリや大量摂取は相互作用の可能性があるため避けた方が安全です。NSAIDsの胃腸出血リスクにも注意し、併用薬がある場合は医師に相談してください。

ナプロキセン(NSAIDs)を服用中に、通常量の緑茶(お茶としての飲用)を完全に避ける必要があるとまでは言い切れませんが、サプリメント形態の緑茶(特に高用量のエキス)や大量摂取は、相互作用の可能性があるため注意した方が安全です。 [1] [2]

緑茶が薬に与える可能性

  • 代謝酵素・トランスポーターへの影響:緑茶に含まれるカテキン(EGCGなど)は、CYP3A4などの薬物代謝酵素や、OATP1A2・P糖蛋白などの薬物輸送タンパクに影響し、ある薬の血中濃度を上げたり下げたりすることがあります。これは主にエキス製品や高用量で問題になりやすい作用です。 [3] [4] [5] [2]
  • サプリメントは影響が強く出やすい:通常の飲用量でのヒトでの相互作用は限られた報告に留まりますが、ダイエット目的などの緑茶エキスサプリは「まとめて高用量」を摂るため、相互作用の影響が大きくなりやすいと考えられています。 [2] [1]

ナプロキセンとの関係は?

  • ナプロキセンの代謝特性:ナプロキセンは経口でほぼ完全に吸収され、半減期は平均13時間です。代謝は比較的単純で、尿中に未変化体と代謝物の抱合体として排泄されます。過去の評価では、薬物相互作用が薬効に大きな影響を与える可能性は高くないと示されています。 [6]
  • 緑茶との直接的な相互作用エビデンス:現時点で、ナプロキセンと緑茶の明確な有害相互作用を示すヒトの確立データは乏しいと考えられます。ヒトで一般的な飲用量の緑茶がナプロキセンの血中濃度を大きく変えるという一貫した報告は限定的です。 [2] [6]

それでも注意がすすめられる理由

  • NSAIDs共通の胃腸リスク:ナプロキセンを含むNSAIDsは、消化管出血や潰瘍などの重大な胃腸障害のリスクがあります。年齢、過去の潰瘍歴、抗凝固薬・ステロイド併用、過量・長期使用、飲酒などでリスクが高まります。 [7] [8] [9]
  • 緑茶エキスと肝・吸収への影響の可能性:緑茶成分は他薬で代謝や輸送を変化させる報告があり、理論上、ナプロキセン以外に併用している薬の挙動に影響したり、胃腸障害の気づきを遅らせる可能性も考えられます。とくにサプリ形態は注意が必要です。 [3] [4] [2] [1]

実践的なガイド

  • 飲用の目安:お茶としての緑茶を常識的な量(例:1~3杯/日程度)で楽しむ範囲では、一般的に大きな問題は生じにくいと考えられます。ヒトでの通常飲用量では相互作用は限定的という知見が多いからです。 [2]
  • 避けたいケース:
    • 緑茶エキスや濃縮サプリを高用量で摂ること(相互作用の可能性が増すため)。 [2] [1]
    • 胃腸障害の既往、抗凝固薬・ステロイド・SSRI/SNRIなど出血リスクを上げる薬との併用がある場合は、緑茶サプリや大量摂取を控える。 [9] [7]
  • 服用タイミングの工夫:相互作用の不確実性を下げるため、ナプロキセンと緑茶(特にエキス製品)の同時摂取は避け、数時間ずらす方法も一案です。これは他薬でみられる吸収・輸送への影響を避ける目的の一般的な工夫です。 [2]
  • 胃腸ケア:ナプロキセンは食後や軽食と一緒に服用し、アルコールは控えめにすることで胃腸障害のリスクを下げられます。リスク因子がある場合は、医師と胃薬(PPIなど)の併用について相談する方法もあります。 [7] [9]
  • 注意すべき症状:黒色便、吐血・コーヒー残渣様嘔吐、持続する胃痛・胸やけ、めまいなど出血のサインがあれば直ちに受診してください。NSAIDs関連の重大な胃腸障害は無症状で進行することもあります。 [7] [8]

カフェインについて

  • 緑茶のカフェインは覚醒作用があり、動物実験ではカフェインが鎮痛の効果を高めることが示唆された報告もありますが、ナプロキセンの血中濃度を変えないことが示されたデータもあります(動物モデル)。ヒトでの明確な結論は限られています。 [10]
  • 就寝前の多量摂取は睡眠質に影響し、痛みの感じ方にも影響する可能性があるため、夕方以降の多量のカフェインは避けるとよいでしょう。 [10]

まとめ

  • お茶としての適量の緑茶は、ナプロキセン服用中でも多くの人で大きな問題になりにくい可能性が高い一方、緑茶エキスサプリや大量摂取は相互作用の可能性があるため控えるのが無難です。 [2] [1]
  • 既往症(潰瘍歴など)や出血リスク薬の併用がある場合は、緑茶サプリの自己判断での使用は避け、担当医に相談してください。NSAIDs自体の胃腸出血リスクは背景因子で大きく上がるため、症状には敏感でいてください。 [7] [9]

もし、現在緑茶サプリを使用中、または他のお薬(とくに抗凝固薬・SSRI/SNRI・ステロイドなど)を併用している場合は、具体的な商品名と用量を教えてもらえると、より安全な摂り方の提案ができます。

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出典

  1. 1.^abcdeGreen Tea(mskcc.org)
  2. 2.^abcdefghiThe effects of green tea polyphenols on drug metabolism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abGreen Tea(mskcc.org)
  4. 4.^abGreen Tea(mskcc.org)
  5. 5.^Green Tea(mskcc.org)
  6. 6.^abNaproxen sodium (Anaprox): pharmacology, pharmacokinetics and drug interactions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdeNaproxen: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
  8. 8.^abBERKLEY AND JENSEN NAPROXEN SODIUM- naproxen sodium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abUsefulness of the pain-induced functional impairment model to relate plasma levels of analgesics to their efficacy in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。