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2026年2月24日5分で読める

PubMedの資料に基づく | ナプロキセンを服用しているときにグレープフルーツやそのジュースを摂取すると副作用のリスクは高まりますか?

要点:

ナプロキセンとグレープフルーツ(ジュース含む)の併用で強い相互作用は一般的に報告されておらず、代謝上の理由から副作用リスクは高くないと考えられます。グレープフルーツは腸のCYP3A4を阻害しますが、ナプロキセンは主にCYP2C8/2C9で代謝されます。なお、他にCYP3A4で代謝される薬を併用している場合やNSAIDs固有の胃腸出血リスクには注意が必要です。

ナプロキセン(NSAIDsの一種)とグレープフルーツの組み合わせについては、一般的に強い相互作用は知られていませんが、組み合わせで副作用が増える可能性は低いと考えられます。グレープフルーツは主に腸の酵素(CYP3A4)を阻害して一部の薬の血中濃度を上げますが、ナプロキセンは主としてCYP2C8/CYP2C9で代謝され、腎臓からそのまままたは抱合体として排泄されるため、この影響を受けにくい薬です。 [1] [2]


グレープフルーツ相互作用の基本

  • 作用の仕組み: グレープフルーツやそのジュースは、小腸のCYP3A4という代謝酵素を抑えて、該当薬の分解を遅らせ、血中濃度を上げることがあります。これにより薬が効き過ぎたり副作用が増えたりすることがあります。 [3]
  • 対象になりやすい薬: 免疫抑制薬(例:シクロスポリン、シロリムス)、一部のスタチン、カルシウム拮抗薬、ベンゾジアゼピンなどで強い相互作用が知られています。 [3]
  • 時間差摂取で回避できない場合が多い: グレープフルーツの影響は腸の酵素を「持続的に」抑えるため、食べる時間をずらしても相互作用が残ることがあります。 [4]

ナプロキセンの代謝と相互作用の可能性

  • 代謝経路: ナプロキセンは経口でよく吸収され、血液中で高率にアルブミンに結合します。主な代謝はCYP2C8/CYP2C9を介した経路で、尿中に未変化体や代謝物として排泄されます。半減期は約13時間です。 [1]
  • CYP3A4依存性が低い: グレープフルーツが抑えるCYP3A4がナプロキセンの主要経路ではないため、グレープフルーツによる血中濃度上昇は理論上起きにくいと考えられます。 [1] [2]
  • 薬物相互作用の全体像: NSAIDs全般としては、ワルファリン、リチウム、メトトレキサートなど一部の薬との相互作用が臨床的に重要ですが、グレープフルーツ関連の相互作用は主要な懸念とはされていません。 [5]

実際のリスクと注意点

  • グレープフルーツ由来の大きな影響は想定しにくい: 既知の機序と報告から、ナプロキセンとグレープフルーツの組み合わせで血中濃度が大きく上がる可能性は低いと考えられます。 [1] [3]
  • ただし個人差や併用薬には注意: グレープフルーツの成分は製品や果実の種類でばらつきがあり、また人によって酵素活性の違いもあります。他にCYP3A4で代謝される薬(例:免疫抑制薬や一部の心血管薬)を併用している場合は、グレープフルーツを避けるのが基本です。 [3]
  • NSAIDs固有の副作用は別ルートで増える: ナプロキセンは胃腸出血、潰瘍、心血管イベントのリスクがある薬です。特に高齢、潰瘍歴、抗凝固薬やステロイド併用、飲酒が多い、長期・高用量使用では胃腸出血リスクが上がります。 [6] [7] [8]
    • これらのリスクはグレープフルーツとは関係なく存在します。便が黒くなる、吐血、みぞおちの強い痛み、貧血症状などがあればすぐ受診してください。 [6] [8]

まとめ

  • 結論: ナプロキセンとグレープフルーツ(果実・ジュース)の併用で、代謝上の相互作用により副作用が大幅に増える証拠は乏しく、理論上もリスクは高くないと考えられます。 [1] [3]
  • 一方で、ナプロキセン自体の消化管出血などの副作用リスクは使用状況や体質で増えうるため、空腹時を避ける、アルコールを控える、必要最小限の量と期間で使う、胃薬(PPIなど)の予防投与が必要か医療者に相談するといった基本の対策が大切です。 [6] [7]
  • 併用薬の確認が重要: 同時に飲んでいる他の薬がグレープフルーツの影響を受ける場合は、グレープフルーツを避けるほうが安全です。 [3]

よくある質問への簡潔な回答

  • グレープフルーツジュース1杯で問題になる?
    → CYP3A4基質薬では1杯でも数日影響が続く可能性がありますが、ナプロキセンは主にCYP3A4基質ではないため、大きな影響は考えにくいです。 [3] [1]
  • 量や時間をずらせば安心?
    → グレープフルーツの影響は持続し、時間をずらしても残ることがあります。ただしナプロキセンに関しては重大な影響は想定しにくいと考えられます。 [4] [1]

もし不安があるときの対応

  • 胃腸症状(胃痛、吐き気、黒色便など)や出血のサインがあれば直ちに医療機関へ。 [6]
  • 抗血小板薬、抗凝固薬、ステロイド、他のNSAIDsを併用している方、潰瘍歴がある方は事前に主治医へ相談してください。 [7]
  • 他に服用中の薬がグレープフルーツの影響を受けやすいタイプか、薬局でお薬手帳とともに確認してもらうのも安全です。 [3]

参考情報の要点一覧(表)

項目グレープフルーツの影響ナプロキセンへの関連性
主な機序腸CYP3A4阻害で血中濃度上昇ナプロキセンは主にCYP2C8/2C9代謝でCYP3A4依存性が低い [1]
相互作用が強い代表薬免疫抑制薬、特定のスタチン、カルシウム拮抗薬など [3]非該当(強い相互作用の主要リストには含まれず) [3]
想定される影響薬効増強・副作用増加理論上は影響小 [1]
実臨床での注意時間差摂取でも影響が残る可能性 [4]併用薬がCYP3A4基質ならグレープフルーツ回避を検討 [3]
重要な副作用多くの薬で用量依存の副作用増加NSAIDsとしての胃腸出血・心血管リスクに注意 [6] [7]

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出典

  1. 1.^abcdefghiNaproxen sodium (Anaprox): pharmacology, pharmacokinetics and drug interactions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abGenetically based impairment in CYP2C8- and CYP2C9-dependent NSAID metabolism as a risk factor for gastrointestinal bleeding: is a combination of pharmacogenomics and metabolomics required to improve personalized medicine?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefghijkGrapefruit and drug interactions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcGrapefruit and medications(mayoclinic.org)
  5. 5.^Pharmacokinetic-pharmacodynamic drug interactions with nonsteroidal anti-inflammatory drugs.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdeNaproxen (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
  7. 7.^abcdALL DAY PAIN RELIEF- naproxen sodium tablet, coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abBASIC CARE NAPROXEN SODIUM- naproxen sodium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。