
メトプロロールを服用中に豆腐(大豆製品)をよく食べても、薬の効き目や副作用に影響はありますか?
要点:
メトプロロール服用中に豆腐などの大豆製品を通常量で食べても、薬の効果や副作用に大きな影響はないと考えられます。大豆イソフラボンはCYP2D6への阻害が弱く、臨床的な相互作用は小さい可能性が高いです。濃縮サプリや極端な大量摂取は注意し、症状があれば医師に相談してください。
メトプロロール(β遮断薬)を服用中に豆腐などの大豆製品をよく食べることは、一般的には薬の効き目や副作用に大きな影響を与えないと考えられます。通常の食事量の大豆(豆腐、納豆、味噌、豆乳など)は、メトプロロールの血中濃度や血圧・心拍への作用を有意に変えない可能性が高いです。 [1] [2] 大豆由来の主な成分(イソフラボン)は、メトプロロールの代謝に関わる酵素(CYP2D6)に対して強い阻害を示しにくいというデータもあります。 [3] [4]
結論のポイント
- 通常の大豆食品は、メトプロロールの吸収や代謝に目立った影響は示しにくいです。 [1] [2]
- 大豆イソフラボンはCYP2D6阻害作用が弱く、メトプロロールとの相互作用は臨床的には小さい可能性が示されています。 [3] [4]
- ただし、サプリメントや高用量の濃縮エキス、極端な過剰摂取は理論上の影響余地があり、注意が望ましいです。特に大量の豆乳の長期摂取はホルモン作用(乳房の張りなど)を招いた報告がありますが、これは薬物相互作用ではなく内分泌的影響です。 [5] [6]
食事とメトプロロールの吸収
- メトプロロールは食事と一緒でも吸収が安定しており、食事の有無で血中濃度の推移がほぼ同等だった研究が複数あります。 [1] [2]
- そのため、豆腐のような一般的な食事をとっても、薬の効き目(降圧・心拍低下)に大きな変動は起きにくいと考えられます。 [1] [2]
代謝酵素(CYP2D6)と大豆イソフラボン
- メトプロロールは主にCYP2D6で代謝されます。多くのフラボノイドはCYP2D6を阻害しうる一方、イソフラボン(大豆の主要フラボノイド)は阻害が弱い傾向が示されています。 [3] [4]
- 動物試験では、大豆エキスを併用してもメトプロロールの血中濃度や血圧低下効果は有意に変化しませんでした。 [3] [4]
- 以上から、通常の大豆食品の摂取でメトプロロールが効きすぎたり、効きにくくなるリスクは低いと推定されます。 [3] [4]
例外的に注意したいケース
- 濃縮サプリ(高含有イソフラボン製品)や、特定の加工食品を大量に継続摂取する場合は、理論上代謝や薬物輸送への影響の可能性が語られることがあります(例えばP-糖タンパクの誘導など、臨床的意義は不明)。通常の食事量では問題ないことが多いですが、サプリは用量が大きいため、主治医に相談をおすすめします。 [7]
- 極端な過剰摂取によるホルモン様作用:豆乳を非常に大量に毎日摂取し続けたことで男性に乳房痛・乳房腫大(女性ホルモン様作用)がみられたケース報告があります。これは薬の代謝ではなく内分泌的影響によるもので、常識的な摂取量では通常起こりません。 [5] [6]
併用薬がある場合の注意
- メトプロロールは他の薬によって血中濃度が上がる場合があります(例:一部の薬がCYP2D6を弱く阻害)。特に抗がん薬イマチニブや一部の抗うつ薬などでメトプロロール濃度上昇が報告されています。 [8] [9] [10]
- このような薬を同時に服用している場合は、めまい、極端な徐脈、過度の疲労感、冷感などの症状に注意し、食事要因に関係なく医師に相談すると安心です。 [10]
実践アドバイス
- 豆腐や納豆、味噌、通常量の豆乳は、続けて問題ないことが多いです。 [1] [2] [3] [4]
- サプリ(高濃度イソフラボン)や極端な大量摂取は避けるか、主治医・薬剤師に相談しましょう。 [7]
- メトプロロール服用中に、動悸の急激な減少、めまい、失神傾向、手足の冷えが強いなどが出る場合は、用量調整が必要なサインのことがありますので受診を検討してください。 [10]
まとめ
- 現時点の知見では、通常の範囲の大豆食品はメトプロロールの効果や副作用に大きな影響を与えない可能性が高いです。 [1] [2] [3] [4]
- 濃縮サプリや極端な大量摂取は例外的に注意が必要です。 [7] [5] [6]
- 併用薬によってはメトプロロールの作用が強まることがあり、症状が気になる場合は医師に相談してください。 [10] [8] [9]
この説明でご不安は少し軽くなりましたか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefInfluence of food on the absorption of metoprolol administered as an Oros drug delivery system to man.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefEnhancement of the bioavailability of propranolol and metoprolol by food.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefgIn silico and in vivo evaluation of flavonoid extracts on CYP2D6-mediated herb-drug interaction.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefgIn silico and in vivo evaluation of flavonoid extracts on CYP2D6-mediated herb-drug interaction.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcAn unusual case of gynecomastia associated with soy product consumption.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcAn unusual case of gynecomastia associated with soy product consumption.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcSoy(mskcc.org)
- 8.^abIMATINIB MESYLATE- imatinib tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^abIMATINIB MESYLATE- imatinib tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^abcdCITALOPRAM- citalopram hydrobromide tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


