
メトプロロールを服用していますが、ブロッコリー(含むブロッコリースプラウト)を日常的に多く食べても薬の吸収や代謝、効果・副作用に影響する相互作用はありますか?
要点:
通常の食事量のブロッコリー(ブロッコリースプラウト含む)は、メトプロロールの吸収・代謝・効果に臨床的な影響を与える可能性は低いと考えられます。高用量の濃縮サプリの継続摂取や強い酵素誘導・阻害薬の併用がある場合は注意が必要で、体調変化があれば医療者に相談してください。
メトプロロールとブロッコリー(含むブロッコリースプラウト)の相互作用:食べても大丈夫?
結論として、一般的な量のブロッコリーやブロッコリースプラウトを日常的に食べることは、メトプロロールの吸収・代謝・効果に大きな影響を与えない可能性が高いです。通常の食事レベルでは、臨床的に問題となる相互作用は起きにくいと考えられます。 ただし、特殊な条件(非常に大量の摂取、サプリメントの高用量摂取、他の薬との併用など)では注意が必要です。
メトプロロールの代謝のしくみ
- メトプロロールは主に肝臓の酵素「CYP2D6」で代謝されます。この酵素の働きが強まったり弱まったりすると、メトプロロールの血中濃度や効果が変わることがあります。
- 一部の薬剤(例:強い酵素誘導薬のリファンピシン)はメトプロロールの代謝を速め、血中濃度を大きく下げることが知られています。この場合、薬の効き目が弱くなることがあります。 [1]
ブロッコリー(スプラウト含む)の成分が薬物代謝に与える可能性
- ブロッコリーにはスルフォラファンなどの成分が含まれ、体内の解毒系(第Ⅱ相酵素)に影響を与えることがあります。細胞や動物での研究では、薬物代謝や輸送の酵素発現に変化を起こす報告がありますが、これがメトプロロールのCYP2D6代謝に直結する明確な人での証拠は限られています。 [2]
- 人を対象にした試験では、ブロッコリースプラウト由来のスルフォラファンは、主要な薬物代謝経路の一つ(CYP3A4)について、強い拮抗作用を示しませんでした。この試験はCYP3A4に関するもので、メトプロロールの主代謝酵素であるCYP2D6とは異なりますが、食事由来のスルフォラファンが強烈な酵素調節を起こしにくい可能性を示唆します。 [3]
「フラボノイド」系サプリとβ遮断薬の注意点(参考)
- 多くのフラボノイド抽出物はCYP2D6を阻害する可能性があり、メトプロロールの血中濃度を上げうると示唆されています。ただし、同研究では大豆由来イソフラボン中心の抽出物ではメトプロロールの濃度や血圧への影響が目立たなかったとされています。 食材の種類や抽出サプリの性質によって影響が異なるため、濃縮サプリの多用は慎重に検討するのが安全です。 [4]
臨床的なポイント:食事としてのブロッコリーは?
- 現時点の人での臨床データからは、通常の食事量のブロッコリーやブロッコリースプラウトがメトプロロールの効果を有意に弱めたり強めたりする強固な証拠はありません。 [3]
- 細胞・動物レベルでは酵素発現を調整しうるデータがありますが、日常的な摂取量でメトプロロールに明確な影響が出るとは限らないため、過度に心配する必要はないと考えられます。 [2]
例外的に注意したいケース
- 非常に大量のブロッコリースプラウトエキス(高用量サプリメント)を継続摂取する場合:酵素発現に影響する理論上の可能性はあり、自己判断で高用量サプリを続けるよりも、主治医に相談したうえで摂取を調整するほうが安心です。 [2] [3]
- 他の薬を併用している場合:たとえば、強力な酵素誘導薬(リファンピシンなど)とメトプロロールの併用は薬効低下につながりやすいことが知られています。このような薬剤を使っている場合は、食事要因よりも薬剤相互作用のほうが影響が大きくなります。 [1]
- 心拍や血圧の急な変化を感じる場合:食事を含む生活習慣の変化で体感が変わることもあります。脈が遅すぎる(めまい、失神前感)、血圧が下がりすぎる、または動悸が増えるなどの症状が出たら、摂取状況をメモして医療者に相談すると原因の切り分けに役立ちます。
実用的なおすすめ
- 通常の食事量のブロッコリーは継続してOK:栄養面のメリット(食物繊維、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル)は心血管の健康にもプラスです。
- サプリは慎重に:濃縮されたスプラウトエキスやフラボノイド系の高用量サプリを新規に始める場合は、メトプロロールとの併用で体調変化がないか様子を見て、違和感があれば中止して相談しましょう。 [4] [3]
- 併用薬の確認:抗不整脈薬や他のβ遮断薬、強い酵素誘導・阻害薬を併用していないかをチェックし、併用薬のほうが影響を及ぼす可能性が高い点に留意します。 [1]
関連する他剤との相互作用の一例(参考)
- 抗うつ薬のシタロプラムは、メトプロロールの血中レベルを約2倍に増やすことが報告されています。この併用では心拍や血圧への影響が臨床的に大きくないとされますが、個人差はあり得ます。 [5] [6] [7] [8] [9]
まとめ
- 一般的な量のブロッコリー(含むスプラウト)を日常的に食べることは、メトプロロールの吸収・代謝・効果に大きな影響を与えない可能性が高いです。 [3]
- 細胞・動物研究では代謝酵素に影響が出る可能性が示されていますが、通常の食事の範囲では臨床的な問題に直結しにくいと考えられます。 [2]
- 高用量の濃縮サプリを使う場合や、強い相互作用が知られる薬を併用している場合は、医療者へ事前相談をおすすめします。 [4] [1]
関連する質問
出典
- 1.^abcdEnzyme induction and beta-adrenergic receptor blocking drugs.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdInteractions between drugs and sulforaphane modulate the drug metabolism enzymatic system.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeSulforaphane is not an effective antagonist of the human pregnane X-receptor in vivo.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcIn silico and in vivo evaluation of flavonoid extracts on CYP2D6-mediated herb-drug interaction.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^↑DailyMed - CITALOPRAM HYDROBROMIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^↑DailyMed - CITALOPRAM HYDROBROMIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^↑DailyMed - CITALOPRAM HYDROBROMIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Citalopram Hydrobromide Tablets(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^↑(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


