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2026年2月25日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メトホルミンを朝食前に服用する際、緑茶を一緒に飲んでも安全で、相互作用や副作用の心配はありませんか?

要点:

メトホルミンと普通の緑茶の併用は、一般的な飲用量であれば多くの場合安全ですが、胃腸症状を避けるため食事と一緒の服用が望ましいです。空腹時の濃い緑茶や緑茶抽出物(サプリ)の大量摂取は避け、症状が出る場合は量やタイミングを調整し医療者に相談してください。

メトホルミンと緑茶の併用は、一般的な飲用量であれば多くの場合安全と考えられますが、いくつかの注意点があります。ポイントは「メトホルミンは食事と一緒に服用するのが基本」「緑茶は通常量なら問題は小さいが、濃い抽出物(サプリ)や大量摂取は避ける」ことです。 [1] [2]


メトホルミンの服用タイミングと食事の影響

  • メトホルミンは食事と一緒に服用すると吸収がやや減る一方で、胃腸の副作用(吐き気や腹部不快感)を抑えるために「食事と併用」が推奨されることが多いです。食事と同時に飲むと、血中濃度のピーク(Cmax)は約40%低下し、全体の吸収量(AUC)は約25%低下、最高濃度到達時間(Tmax)は約35分遅れます。 [1]
  • メトホルミンは胃ではほとんど吸収されず、主に小腸で吸収されます。胃からの排出と小腸での移動が吸収の律速になり、空腹時か食後かで吸収パターンが変わりやすい薬です。 [3]
  • これらから、朝食前(空腹時)よりも「朝食と一緒」または「直後」に服用する方が、胃腸症状の予防の観点では一般的に望ましいと解釈されます。 [1] [3]

緑茶そのものと薬物相互作用の可能性

  • 緑茶の主成分であるカテキン(EGCGなど)は、体内の薬物を運ぶタンパク質や分解酵素に影響する可能性があり、一部の薬で吸収や効果が変わることが報告されていますが、通常の「お茶としての飲用量」では人での影響は限定的とされています。 [2]
  • 緑茶は特定の薬(例:ナドロール、ワルファリンなど)で相互作用が報告されていますが、メトホルミンとの直接的な重大な相互作用は、臨床的には確立されていません。 [4] [5]
  • 一方で、濃縮された緑茶抽出物(サプリメント)や大量摂取は、薬物代謝酵素(CYP3A4)やトランスポーター(OATP、P-gp、UGTなど)に影響し、他薬で相互作用を起こすことがあります。 [5] [6] [7]
  • したがって、「普通のお茶」をコップ1~2杯程度、食事と一緒に飲む範囲であれば、メトホルミンとの実用上の問題は小さい可能性が高いと考えられます。 [2]

カフェインと胃腸症状への配慮

  • 緑茶にはカフェインが含まれます。カフェインは胃酸分泌を促し、空腹時に飲むと胃刺激が強くなることがあり、メトホルミンの代表的な副作用である「胃腸症状(吐き気、腹痛、下痢)」を悪化させる場合があります。 [1] [3]
  • そのため、空腹時に濃い緑茶とメトホルミンを一緒に飲むより、「食事と一緒」に両方を摂るほうが、胃腸への負担が少なくなりやすいです。 [1] [3]

緑茶抽出物(サプリ)を使う場合の注意

  • 市販の緑茶サプリは、高用量のEGCG等により薬物代謝や輸送に影響を与え、他薬で吸収低下や副作用増加の可能性があります。 [5] [6] [7]
  • 緑茶抽出物は空腹時の服用で胃腸・肝負担が増えうるため、「食事と一緒に」摂る注意書きが存在します。 [8]
  • メトホルミンとの明確な悪影響の証拠は乏しいものの、糖尿病治療中は高濃度抽出物の自己導入は避け、主治医に相談するのが無難です。 [2] [8]

アルコールとメトホルミン(緑茶とは別の重要ポイント)

  • メトホルミンは大量のアルコール摂取で「乳酸アシドーシス(血中に乳酸がたまる危険な状態)」のリスクが高まるため、飲酒量を控えることが強く推奨されます。 [9] [10]
  • 緑茶自体は乳酸アシドーシスリスクを直接上げるわけではありませんが、「お酒と併用しない」「脱水を避ける」などの基本的注意は守りましょう。 [9]

実践的なおすすめ

  • 服用タイミング:胃腸症状の予防のため、メトホルミンは「朝食と一緒」または「直後」に服用する方法が一般的に勧められます。 [1]
  • 緑茶の量:通常の濃さで1~2杯程度なら、メトホルミンと一緒でも大きな問題は起こりにくいです。 [2]
  • 避けたいこと:空腹時に濃い緑茶を大量に飲むこと、緑茶の高濃度抽出物(サプリ)を独自に始めること、カフェイン過多による胃腸刺激。 これらは副作用(胃もたれ、吐き気)を強める可能性があります。 [1] [2] [8]
  • 症状が出たら:吐き気・腹痛・下痢が続く場合は、緑茶の量や濃さを減らす、服用タイミングを食後に調整する、医療者へ相談する、を検討してください。 [1]
  • 他薬を服用中なら:他の心血管・抗がん・抗凝固薬などを飲んでいる場合、緑茶(特に抽出物)との相互作用が報告されている薬があります。詳細な薬歴を基に、主治医や薬剤師へ必ず相談しましょう。 [5] [6] [7]

まとめ

  • 結論として、朝食前のメトホルミンと「普通の緑茶」を一緒に飲むことは、多くの人で大きな問題を起こさない可能性が高いですが、空腹時は胃腸症状が出やすいため、できれば朝食と一緒の服用がより無難です。 [1] [3]
  • 緑茶サプリや高用量の濃縮抽出物は避ける、または使用前に必ず相談してください。 [5] [8]
  • アルコールは控える(乳酸アシドーシス予防)。 [9]

参考データ(要点)

項目内容
メトホルミンの食事影響食事同時でCmax約40%低下、AUC約25%低下、Tmax約35分遅延(胃腸副作用は抑えやすい) [1]
吸収部位主に小腸で吸収、胃では吸収が乏しい(空腹時は胃刺激による不快感が出やすい) [3]
緑茶の相互作用通常量では人での影響は限定的だが、抽出物・大量摂取は薬物動態へ影響しうる [2] [5] [6]
アルコール乳酸アシドーシスリスク増大のため多量飲酒は禁忌に近い注意喚起あり [9]

ご自身の緑茶の量や濃さ、メトホルミンの服用タイミング(食前・食後)はどのくらいでしょうか?

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出典

  1. 1.^abcdefghijmetformin(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgThe effects of green tea polyphenols on drug metabolism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefMetformin in the digestive tract.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^Overview of green tea interaction with cardiovascular drugs.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdefGreen Tea(mskcc.org)
  6. 6.^abcdGreen Tea(mskcc.org)
  7. 7.^abcGreen Tea(mskcc.org)
  8. 8.^abcdGreen Tea(mskcc.org)
  9. 9.^abcdMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^DailyMed - METFORMIN HCL tablet(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。