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2026年3月3日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | ロサルタンは性機能に影響する副作用(性欲低下、勃起不全など)のリスクがどの程度あり、頻度や重症度はどのくらいですか?

要点:

ロサルタンは性欲低下・勃起不全などの性機能副作用が「報告あり」だが頻度は不明でまれ、重症例も多くありません。大規模試験では安全性はプラセボと同程度で、糖尿病性EDでは改善の可能性も示されています。

概要

ロサルタン(ARB:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、高血圧や腎保護に広く使われる薬で、全体として性機能への悪影響は少ない薬剤に分類されます。実臨床・臨床試験の集積では、性欲低下や勃起不全などの性機能副作用は「まれ」〜「頻度不明だが多くない」とされ、重症例は多くありません。むしろ背景疾患(高血圧・糖尿病)による勃起機能低下を改善する可能性を示した臨床試験もあり、総合的には性機能に対して中立〜好影響を示すことが期待される薬剤です。 [1] [2]


ロサルタンの性機能副作用の記載

  • 公式の医薬品情報では、「インポテンツ(勃起障害)」「性欲低下」が報告項目として挙げられていますが、一般的な頻度カテゴリー(例:1%以上、0.1〜1%など)の定量的頻度は明確に示されていないことが多く、「頻度不明」の扱いです。これは報告数が少ない、または因果関係が限定的であることを反映しています。 [3] [4]
  • 一般的な服用者向け情報でも「性欲の低下」「勃起のしにくさ」が副作用として列挙されていますが、頻度は「不明(記載なし)」とされます。 [5] [6]

これらの記載は、「起こりうるが、全体としてはまれ」というニュアンスで理解されます。 [3] [4] [5] [6]


頻度の目安と重症度

  • 大規模な二重盲検試験での安全性評価では、ロサルタンの有害事象発現率は概ねプラセボと同程度で、代表的な薬剤関連自覚症状は「めまい(約2.4%)」でした。性機能障害が目立って増える所見は示されていません。これは全体の忍容性が高いことを示唆します。 [7]
  • 添付文書・公的情報に性機能関連の具体的頻度数字は乏しく、「インポテンツ」や「性欲低下」は「報告あり」レベルでの列挙に留まります。重症度についても、継続不能に至るケースは多くなく、ほとんどは軽度〜中等度と考えられます。 [3] [4]

他の降圧薬との比較の文脈

  • 降圧薬全般の性機能への影響に関するレビューでは、メチルドパ・クロニジンなどの中枢性、非選択的β遮断薬、カリウム保持性利尿薬、サイアザイド系利尿薬などで性機能障害が問題となることがある一方、ACE阻害薬・カルシウム拮抗薬・α遮断薬は比較的悪影響が少ないとされています。ARBs(ロサルタンを含む)もこの「悪影響が少ない」グループに位置づけられることが一般的です。 [1]

改善の可能性(糖尿病性EDなど)

  • 糖尿病性勃起障害を対象にした臨床試験では、ロサルタン単独、またはタダラフィルとの併用で、IIEF-5スコア(勃起機能指標)や性交成功率の改善が示されました。特に軽度〜中等度のEDで反応性が高く、忍容性も良好でした。これは海綿体局所のレニン・アンジオテンシン系過活動を抑える作用が、勃起機能に好影響を与える可能性を示唆するものです。 [2]
  • 動物研究でも、ロサルタンが海綿体のAT1受容体を介する過活動を抑え、勃起機能を部分的に回復させる機序が示されています。 [8]

実臨床での見方

  • まとめると、ロサルタンによる性欲低下・勃起不全は「報告はあるが頻度は高くない」「重症例は多くない」程度のリスクと受け止められます。プラセボ対比で有害事象全体が増えるわけではなく、性機能副作用が目立って増加するデータは限定的です。 [7] [3] [4]
  • 一方で、基礎疾患(高血圧・糖尿病・動脈硬化・抑うつ・睡眠障害など)が性機能に強く影響します。ロサルタンが原因なのか、もともとの疾患や他薬(例:一部のβ遮断薬・利尿薬)なのかの切り分けが重要です。降圧薬の中では、ARBsは性機能に不利ではない選択肢と考えられます。 [1]

もし気になる症状が出たら

  • 服用開始後に性欲低下や勃起の問題が気になった場合は、まず生活要因(ストレス・睡眠・アルコール・喫煙)や他の薬の影響を確認し、必要に応じて主治医と相談して用量調整、服薬タイミングの工夫、他のARBやACE阻害薬へのスイッチ、PDE5阻害薬(タダラフィルなど)併用の検討など、いくつかの選択肢があります。糖尿病やメタボの是正も効果的です。 [2]
  • 突然の重度の勃起障害や、低血圧症状(ふらつき、失神)を伴う場合は、薬の過度な降圧作用が関与することもあり得るため、早めに受診してください。 [9] [10]

重要ポイントのまとめ

  • ロサルタンの性機能副作用(性欲低下・勃起不全)は「報告あり」だが「頻度は不明で高くない」という扱いが一般的。重症例は少ない。 [3] [4] [5]
  • 大規模試験では全体的な忍容性は良好で、性機能障害が顕著に増加するエビデンスは乏しい。 [7]
  • 糖尿病性EDでは、ロサルタンが勃起機能を改善しうる可能性も示唆されている。 [2] [8]
  • 実際に気になる症状が出た場合は、背景因子の見直しと薬剤の調整・併用療法の検討が有効。 [1] [2]

よくある質問に対する短い回答

  • どのくらいの人に起こりますか?
    「頻度不明」の記載が多く、一般的にはまれです。大規模試験ではプラセボと同程度の安全性で、性機能副作用の目立つ増加は示されていません。 [3] [4] [7]

  • 重症になりますか?
    多くは軽度〜中等度で、継続不能に至るケースは多くありません。気になる場合は調整の余地があります。 [3] [4]

  • 改善することはありますか?
    糖尿病性EDなどでは改善の可能性が示されています。PDE5阻害薬との併用で効果が高まることもあります。 [2]


注意点

  • 個々の反応には差があり、同じ薬でも感じ方は人それぞれです。性機能に不安がある場合は、遠慮なく医師に相談して、用量や薬剤選択の見直しを検討してください。 [1] [7]

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出典

  1. 1.^abcdeEffects of antihypertensive agents on sexual function.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefLosartan improves erectile dysfunction in diabetic patients: a clinical trial.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefgCOZAAR® (LOSARTAN POTASSIUM TABLETS)(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefgCOZAAR- losartan potassium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcLosartan (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
  6. 6.^abLosartan (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
  7. 7.^abcdeEfficacy and safety of losartan.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abLosartan, an Angiotensin type I receptor, restores erectile function by downregulation of cavernous renin-angiotensin system in streptozocin-induced diabetic rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^COZAAR- losartan potassium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^COZAAR® (LOSARTAN POTASSIUM TABLETS)(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。