Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | イブプロフェンはグレープフルーツなどの果物と一緒に飲むと相互作用が起きるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月20日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | イブプロフェンはグレープフルーツなどの果物と一緒に飲むと相互作用が起きるというのは本当ですか?

要点:

イブプロフェンはグレープフルーツと臨床的に問題となる相互作用は一般的にありません。食事は吸収速度を遅らせる程度で、錠剤を水で服用するのが無難です。注意すべきは抗凝固薬、ACE阻害薬、メトトレキサート、リチウム、アスピリンなどとの併用です。

イブプロフェンとグレープフルーツの相互作用はあるの?

結論から言うと、一般的にはイブプロフェンとグレープフルーツ(やそのジュース)に臨床的に問題となる相互作用は認められていないと考えられます。イブプロフェンは主に肝臓で代謝されますが、グレープフルーツが強く阻害することで知られる酵素(CYP3A4)の影響を受ける薬ではありません。したがって、グレープフルーツによって血中濃度が大きく上がるタイプの薬剤(カルシウム拮抗薬や一部のスタチンなど)とは性質が異なります。 [1] グレープフルーツは多くの薬で相互作用が報告されていますが、すべての薬が影響を受けるわけではなく、イブプロフェンはその代表的な対象薬剤には含まれません。 [2]


グレープフルーツが問題になる薬との違い

  • グレープフルーツは腸管のCYP3A4を強く阻害し、初回通過代謝の大きい薬の血中濃度を上げます。 [1]
  • イブプロフェンはこのCYP3A4依存性が高い薬ではないため、同様の影響は一般的に想定されません。 [1]
  • 一方で、ニフェジピンなどの一部降圧薬はグレープフルーツでAUCやCmaxが最大2倍程度に増加することが知られています。これはイブプロフェンでは確認されていない現象です。 [3]

食事・ジュースとイブプロフェンの吸収

  • 食後すぐの服用では、吸収速度はやや遅くなるものの、吸収される総量(バイオアベイラビリティ)自体は大きく変わりません。 [4] [5]
  • 水以外の媒体(懸濁液)でのイブプロフェン投与は、錠剤に比べて吸収の速度・程度が劣る可能性が示唆されています。 [6]
  • 食事や一部の胃薬(スクラルファート)はピーク濃度を少し下げる場合がありますが、総体的な吸収量への影響は限定的です。 [7] [8]
  • つまり、グレープフルーツ特有の酵素阻害による過剰な濃度上昇というよりも、食事のタイミングや剤形による吸収速度の違いが主に問題になります。 [4] [5] [6]

他の果物やジュースはどう?

  • オレンジジュースなどで懸濁して服用すると、錠剤より吸収が遅れ、胃粘膜刺激が増える傾向が示されています。 これはオレンジジュースの成分そのものというより、懸濁という投与形態の影響が大きいと考えられます。 [6]
  • 一般的な食事はイブプロフェンの総吸収量に大きな影響を与えませんが、吸収のピークが遅れることがあります。 [4] [5]
  • したがって、果物と同時摂取が有害というより、服用の仕方(錠剤を水で飲む、食後すぐかどうか)が吸収に関与すると理解するとわかりやすいです。 [4] [5] [6]

注意が必要な「本当の」相互作用

イブプロフェン自体はグレープフルーツで問題になりにくい一方、別の薬との併用で注意が必要なケースがあります。

  • 抗凝固薬(ワルファリンなど)との併用は消化管出血リスクが相加的に高まります。 [9] [10]
  • ACE阻害薬(降圧薬)との併用で降圧効果が弱まることがあります。 [11] [12] [13]
  • メトトレキサート、リチウムなどとの併用は毒性増強の可能性があります。 [14] [15]
  • アスピリンとの併用では結合タンパクへの競合が生じ、胃腸障害リスクが高まるため注意が必要です。 [11] [12] [13]

これらはグレープフルーツとは無関係の相互作用ですが、同時に服用している薬がある場合は、グレープフルーツの有無より併用薬の安全性を優先して確認することが重要です。 [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]


実践的な服用アドバイス

  • イブプロフェンは基本的に水で服用するのが無難です。 吸収のばらつきを減らせます。 [4] [5]
  • 胃への負担を和らげたい場合は、軽い食事の後に服用する方法も考えられます。 吸収速度はやや落ちますが、総量は大きく変わりません。 [4] [5]
  • グレープフルーツを避ける必要は一般的にはありませんが、他にCYP3A4で代謝される薬(例:一部の降圧薬、スタチン)を服用している場合は、グレープフルーツの常習的な摂取は控えると安心です。 [2] [1] [3]
  • 複数の薬を併用している、出血しやすい、胃潰瘍の既往がある、腎機能が心配といった場合は、食事や果物よりも併用薬の相互作用と用量・服用期間の管理が重要です。 [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]

まとめ

  • イブプロフェンとグレープフルーツの組み合わせで、一般的に臨床的に意味のある相互作用は示されていません。 [1] [2]
  • 食事は吸収速度を遅らせることはありますが、総吸収量への影響は小さいです。 [4] [5]
  • 懸濁して飲むより、錠剤を水で飲むほうが吸収や胃への影響の点で望ましいです。 [6]
  • 注意すべきは他薬との併用相互作用(抗凝固薬、ACE阻害薬、メトトレキサート、リチウム、アスピリンなど)であり、グレープフルーツそのものが主因となるケースは通常想定されません。 [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]

この説明で不安は少し和らぎましたか?

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出典

  1. 1.^abcdeThe effect of grapefruit juice on drug disposition.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcGrapefruit and drug interactions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefg(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdefgIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdeClinical pharmacology of predisintegrated ibuprofen 800 mg tablets: an endoscopic and pharmacokinetic study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^The effect of food or sucralfate on the bioavailability of S(+) and R(-) enantiomers of ibuprofen.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^The effect of food or sucralfate on the bioavailability of S(+) and R(-) enantiomers of ibuprofen.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abcdeIBUPROFEN- ibuorofen tablet, film coated IBUPROFEN tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  12. 12.^abcdeIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  13. 13.^abcdeIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  14. 14.^abcdIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
  15. 15.^abcdIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)

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