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2026年2月14日5分で読める

WHOの資料に基づく | クロピドグレル服用中にウコン(ターメリック)やクルクミンのサプリを併用すると、出血リスクが高まるなどの相互作用があるという科学的根拠はありますか?

要点:

ヒトでの高品質な臨床試験による明確な出血増加の証拠は乏しいものの、クルクミンには抗血小板作用や代謝酵素への影響が示唆され、理論上はクロピドグレルとの併用で出血リスクが高まる可能性があります。ラット研究ではクロピドグレル不活性代謝物の曝露増加がみられた一方、抗血小板作用の増強は明確でなく、解釈は慎重を要します。出血リスクが高い場合は併用を避けるか医師に相談し、併用時は低用量開始と出血徴候のモニタリングが推奨されます。

クロピドグレルとウコン(ターメリック)/クルクミンの併用による出血リスクについて、現時点でヒトの高品質な臨床試験で明確に出血増加を示したデータは限られていますが、いくつかの科学的根拠から「注意が必要」と解釈されます。特に、クルクミンには抗血小板作用や薬物代謝酵素への影響が示唆されており、理論的には出血リスクが高まる可能性があります。 一方、動物実験では明確な薬効増強までは示されていない結果もあります。


要点まとめ

  • 直接のヒト臨床試験エビデンスは乏しいものの、クルクミンには抗血小板作用が報告されており、クロピドグレルと機序が重なるため、理論的に出血リスクが上がる可能性があります。
  • 動物研究では、クルクミンがクロピドグレル(不活性代謝物:クロピドグレル・カルボン酸体)の血中濃度(AUC・Cmax)を増加させたが、抗血小板作用(最大血小板凝集抑制)には有意な変化を与えなかったと報告されています。 [1]
  • クロピドグレル自体は、他の抗血栓薬との併用で出血リスクが高まることが知られているため、サプリでも抗血小板作用が推定されるものは一般に慎重併用が望まれます。 [2] [3]

科学的根拠の詳細

1) 薬理作用の観点(機序的推定)

  • クロピドグレルはプロドラッグで、活性代謝物がP2Y12受容体を阻害し、血小板の凝集を抑えます。この作用は「出血をしやすくする方向」に働きます。 [2] [3]
  • クルクミン(ターメリック由来)は、基礎研究で血小板活性化経路の抑制(抗血小板作用)や、薬物代謝酵素/トランスポーター(CYP、P-gpなど)への影響が示唆されています。したがって、クロピドグレルの抗血小板作用と重なることで、理論的には出血傾向が強まる可能性があります。

(注:この機序的推定は広く共有されますが、ヒトでの確定的な用量・用法、リスクの程度は限定的です。)

2) 動物モデルからの知見

  • ラットを用いた研究では、クルクミンの高用量(100 mg/kg、7日間)でクロピドグレルの不活性代謝物(クロピドグレル・カルボン酸体)のAUCとCmaxが有意に上昇しました。 [1]
  • ただし、同研究での薬力学(血小板凝集抑制)の指標は、クルクミン併用で有意な増強を示しませんでした(クロピドグレル単独と大差なし)。 [1]
  • つまり、薬物動態の変化は観察された一方、少なくともこの動物条件では抗血小板作用の実質的な増強は確認されなかったという結果です。 [1]

3) ヒトでの臨床データ

  • 現時点で、クロピドグレルとクルクミンの併用による出血増加を明確に示した大規模なヒト試験は見当たりません。
  • 一方で、クロピドグレルはワルファリンなど他の抗血栓薬と組み合わせると出血リスクが上がることが確立しており、作用機序が重なり得るサプリ(抗血小板性を持つとされるもの)は臨床的に慎重に取り扱うのが一般的です。 [2] [3]

実臨床での考え方(リスク層別と意思決定)

出血リスクを高めうる要因

  • 過去の消化管出血、脳出血の既往
  • 高齢、体重が軽い、腎機能・肝機能低下
  • 他の抗血栓薬(アスピリン、ワルファリン、DOAC)、NSAIDs、SSRI/SNRIなどの併用
  • アルコール多飲、未治療の消化性潰瘍 など

これらの要因がある場合、クルクミンの追加は理論上のリスクを押し上げる可能性があるため、避けるか、主治医に必ず相談して判断するのが無難です。

併用するなら(どうしても服用したい場合のコツ)

  • 低用量から開始し、歯ぐきからの出血、鼻血、あざが増える、便が黒い(消化管出血のサイン)などに注意しましょう。
  • 歯科治療や手術前は、サプリ含め全内服を医療者に申告してください。
  • 他の出血リスク薬剤(NSAIDsなど)はできるだけ避ける、胃保護(PPI)の是非を医師と相談するのも一案です。
  • 高用量・高吸収型のクルクミン製品は、相互作用の可能性が相対的に高いと考えて控えめにするのが安全です。

参考:クロピドグレルの出血リスクに関する確立情報

  • クロピドグレルは単独でも消化管出血などの出血性合併症が増えることが知られており、他の抗血栓薬との併用でリスクはさらに上がります。 [2] [3]
  • この性質から、抗血小板作用が推定されるサプリ(例:フィッシュオイルの高用量、にんにく、高容量ビタミンE、クルクミンなど)は一般的に注意が促されます。

まとめ

  • ヒトでの確定的な臨床データは不足していますが、クルクミンには抗血小板作用や薬物代謝への影響が示唆されており、クロピドグレルとの併用で理論的には出血リスクが高まる可能性があります。
  • 動物研究では、薬物動態の変化はあるものの、抗血小板作用の実質的増強は確認されなかったという結果があり、解釈は慎重を要します。 [1]
  • 実臨床では、出血リスクが高い方は併用を避けるか主治医と相談し、併用する場合も低用量・症状モニタリング・周術期申告など安全策を取ることが勧められます。 [2] [3]

比較表:エビデンスの層と示唆

観点エビデンス示唆
ヒト臨床試験有意な出血増加を示す大規模試験は不足確定的ではないが注意が必要
動物研究(ラット)クルクミン高用量でクロピドグレル不活性代謝物のAUC・Cmax上昇、薬力学の変化は顕著でないPK変化は起こり得るが、PD増強は限定的(条件依存) [1]
作用機序クルクミンの抗血小板作用や代謝酵素への影響が示唆理論上、出血リスク増加の可能性
既知のクロピドグレル情報他抗血栓薬との併用で出血リスク増大抗血小板性が推定されるサプリは慎重併用 [2] [3]

必要であれば、現在の服用薬や既往歴、サプリの製品名と用量を教えてください。出血リスクの個別評価と、より安全な代替(用量調整や別サプリの検討)をご一緒に考えられます。 💬

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出典

  1. 1.^abcdefCurcumin alters the pharmacokinetics of warfarin and clopidogrel in Wistar rats but has no effect on anticoagulation or antiplatelet aggregation.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefCLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefCLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)

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