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2026年2月14日5分で読める

WHOの資料に基づく | クロピドグレル服用中に緑茶を毎日飲んでも、効果の低下や出血リスクの増加などの相互作用はありませんか?

要点:

緑茶の通常飲用でクロピドグレルの効果低下や出血リスクが大きく変わるという確立した臨床エビデンスはありません。とはいえ緑茶のカテキンは血小板抑制作用を持つため理論上は出血傾向がわずかに増える可能性があり、濃い茶や高用量抽出物は避け、出血サインに注意して医師に相談してください。

クロピドグレルと緑茶の併用で、日常的な飲用がただちに効果低下や出血リスクを大きく変えるという確立した臨床エビデンスは現時点では乏しいです。ただし、緑茶には血小板のはたらきを弱めうるカテキン類(EGCGなど)が含まれるため、理論的には抗血小板作用が“足し算”になって出血傾向をわずかに高める可能性はあります。 一方で、クロピドグレルの体内での活性化(主にCYP系酵素で代謝される過程)を緑茶が明確に阻害・促進することを示すヒトでの確かなデータは見当たりません。したがって、一般的な量の緑茶を日常的に飲むことは、多くの方では許容される範囲と考えられますが、出血サインがあれば摂取量の調整や主治医への相談をおすすめします。


クロピドグレルの代謝と相互作用の基本

  • クロピドグレルは体内で活性代謝物に変換されて作用します。 この過程にCYP2C19などの酵素が部分的に関与し、強いCYP2C19阻害薬を同時に使うと活性代謝物が減り、血小板抑制が弱くなる可能性があるとされています。 [1] [2]
  • 逆にCYP2C19の強い誘導薬は活性代謝物を増やし、血小板抑制を強める可能性があります。 こうした薬剤性相互作用は添付文書上で注意喚起されています。 [3] [4]

ポイント: 緑茶は一般に「薬剤レベルでの明確なCYP2C19阻害・誘導薬」とは分類されておらず、クロピドグレルの代謝を臨床的に有意に変えるという確立情報はありません。ここから、代謝面での大きな相互作用は現時点で確認されていないと解釈できます。 [1] [3]


緑茶の“血小板”への影響という観点

  • 緑茶に含まれるカテキン(特にEGCG)は、実験系で血小板凝集を抑える作用が示されています。ウサギやヒト血小板を用いた試験で、EGCGがコラーゲンやADPなどによる血小板活性化を抑制したデータがあります。 これはクロピドグレルの作用(ADP受容体経路の抑制)と生理機能の方向性が近く、理論上は作用が重なる可能性があります。 [5] [6]
  • 高濃度EGCGが血小板機能を抑える報告はありますが、これは主にin vitro(試験管内)や高用量条件での結果です。 通常の飲用量の緑茶でヒトにどの程度反映されるかは限定的で、臨床的な出血増加を直接証明する一貫したデータは不足しています。 [5] [6]

似たケースから学べること

  • 緑茶はワルファリン(抗凝固薬)ではINR低下(作用減弱)の報告があり、服用中の注意事項として記載されることがあります。これは主にワルファリンという別系統薬での話で、クロピドグレルにはそのまま当てはまりません。 ただし、「お茶類・サプリで血液関連作用がぶれる可能性がある」という一般的注意点は参考になります。 [7]
  • クロピドグレルは他の出血リスク薬(例:ワルファリン、アスピリン、NSAIDsなど)と一緒に使うと出血が増えることが知られています。 緑茶はこの“薬剤”群には含まれませんが、複数の要因が重なると全体の出血リスクは相対的に上がるため、併用薬が多い方は慎重さが役立ちます。 [8] [9]

実用的な目安と生活上のコツ

  • 通常量の緑茶(目安:1~2杯/日)であれば、多くの方は続けても大きな問題は生じにくいと考えられます。 ただし個人差があり、もともと出血しやすい体質、他の抗血小板薬や抗凝固薬の併用、消化性潰瘍歴などがある場合は影響が目立つ可能性があります。 [10] [11]
  • 出血サインのセルフチェック: 鼻血が止まりにくい、歯ぐき出血が増えた、尿や便に血が混じる、原因不明のあざが増える、月経過多、黒色便・コーヒー残渣様の吐物などがあれば、緑茶の量を減らし、医療機関に相談しましょう。これはクロピドグレル自体の副作用監視としても大切です。 [10] [11]
  • 飲み方の工夫:
    • 緑茶を濃くしすぎない、カテキンサプリを追加しない(サプリは含有量が高く、作用が強く出やすいため)。
    • 1日の中で分けて飲み、急に大量摂取しない。
    • 体調不良や下痢・食欲不振時は一時的に量を控える。
  • ほかの飲み物とのバランス: カフェイン感受性が高い方は動悸・不眠が出ることもあるため、夕方以降はデカフェや麦茶に切り替えるのも一案です。

まとめ

  • 代謝面の相互作用(CYP2C19経由など)について、緑茶がクロピドグレルの効果を臨床的に下げる・上げる決定的なヒトデータはありません。 添付文書で問題となるのは主に薬剤どうし(強いCYP2C19阻害薬・誘導薬)です。 [1] [3]
  • 緑茶のカテキンは実験系で血小板抑制作用を示すため、理論上は“出血傾向が増す方向”に働く可能性がありますが、通常飲用量で臨床的に問題が出ると断言できる根拠は限定的です。 したがって多くの方では適量の緑茶は許容されます。 [5] [6]
  • 安全に続けるコツは、量を控えめに維持し、出血サインを観察し、併用薬や既往歴に応じて主治医・薬剤師と共有することです。 とくにアスピリンやワルファリンなど他の血液をサラサラにする薬を併用している場合は、緑茶量の上限を相談すると安心です。 [8] [9]

よくある質問と回答

  • Q: 緑茶は完全にやめた方がいい?
    A: 通常量であれば必ずしも中止は必要ありません。 ただし、出血傾向がある・併用薬が多い・大手術前後などハイリスク状況では、一時的に量を控えるのが無難です。 [10] [11]

  • Q: 玉露や濃い抹茶はどう?
    A: カテキンやカフェイン量が相対的に多くなるため、影響が出やすい可能性があります。 様子を見ながら薄めに、量を少なめにするのがおすすめです。

  • Q: サプリの緑茶抽出物(EGCG高含有)は?
    A: 試験管レベルでは血小板抑制が強く出ます。 医薬品との相互作用リスクが読みづらいため、クロピドグレル服用中は避けるか、医療者に必ず相談してください。 [5] [6]


この内容で不安な点や、今どれくらいの量の緑茶を飲んでいるか教えてもらえますか?

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出典

  1. 1.^abcCLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^CLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcCLOPIDOGREL- clopidogrel bisulfate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^CLOPIDOGREL- clopidogrel bisulfate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdPlatelet aggregation inhibitors in hot water extract of green tea.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdPlant extracts inhibit ADP-induced platelet activation in humans: their potential therapeutic role as ADP antagonists.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Warfarin(stanfordhealthcare.org)
  8. 8.^abCLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abCLOPIDOGREL BISULFATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcCLOPIDOGREL- clopidogrel bisulphate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abcCLOPIDOGREL- clopidogrel bisulfate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。