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2026年2月14日5分で読める

PubMedの資料に基づく | クロピドグレルを服用しているときにフィッシュオイル(EPA/DHA)サプリや青魚を多く摂ると出血リスクが高まるというのは本当ですか?

要点:

通常の食事量の青魚や一般的な用量のEPA/DHAサプリは、クロピドグレル服用中でも臨床的に有意な出血増加は示されていません。高用量サプリや他の抗血小板薬・抗凝固薬との併用、処置前などでは注意が必要で、用量は医師に相談し出血サインがあれば受診しましょう。

服用中のクロピドグレルとフィッシュオイル(EPA/DHA)や青魚の摂取については、いくつか知っておきたいポイントがあります。結論として、一般的な食事レベルや通常用量のサプリでは、出血が大きく増える可能性は高くないと考えられますが、状況によっては注意が必要です。 [1] [2]

基本の考え方

  • クロピドグレル自体が出血傾向を高める薬(抗血小板薬)であり、他の抗血小板薬や抗凝固薬、NSAIDsなどと併用すると出血リスクが上がる可能性があります。これは製品情報でも警告されています。 [3] [4]
  • 一方で、魚油(EPA/DHA)は理論上、血小板の働きを穏やかに抑える作用があり、出血時間をやや延長させることがあると記載されていますが、臨床試験では「正常範囲内の延長」で、臨床的に意味のある出血増加は確認されていないとされています。 [2] [5]

臨床研究からわかること

  • 心血管疾患の方で、アスピリン+クロピドグレルを服用中に高用量のフィッシュオイル(平均約3g/日)を併用した群と、併用しない群を比較した研究では、重篤な出血の発生率に差は認められませんでした(平均33カ月追跡、重大出血は併用群1例、非併用群0例、統計学的差なし)。軽度の出血も差は有意でありませんでした。 [1]
  • 別の小規模試験では、フィッシュオイルの増量で出血時間が用量依存的に延長することが観察されましたが、実際の出血イベントは起きていません。これは血小板の活性化がやや抑えられる生理的変化を示すものと考えられます。 [6]
  • さらに総説では、n-3系脂肪酸(EPA/DHA)は止血系に影響は与えるものの、臨床的に意味のある出血リスク増加は示されていないとまとめられています。 [7]

公式情報の位置づけ

  • クロピドグレルの公式情報では、他の抗血小板薬・抗凝固薬・NSAIDs・SSRI/SNRI等との併用で出血リスク増加に注意と明記されていますが、魚油そのものは名指しで禁忌・注意薬として列挙されていません。これは「抗血小板作用を持つ可能性がある栄養・薬剤全般に注意」の枠組みに該当します。 [3] [4]
  • 一方、オメガ3脂肪酸製剤(処方・一般)側の情報では、出血時間延長が報告されるが臨床的に有意な出血増加は確認されていない、併用時は定期的なモニタリングが望ましいというスタンスです。 [2] [5]

どのくらいの摂取で注意が必要?

  • 食事としての青魚の摂取(例:週2~3回)は、一般に安全域と考えられます。通常の食事レベルがクロピドグレル服用者の出血を明らかに増やすとは考えにくいです。 [7]
  • サプリとしてのEPA/DHAは、研究では平均3g/日程度までで重篤な出血増加は見られていませんが、高用量(例えば3~4g/日超)では出血時間延長など生理的影響が強まる可能性があるため、クロピドグレルと併用するなら医師に用量相談し、むやみに増量しないことがおすすめです。 [1] [6]
  • メイヨーの解説でも、高用量の魚油は出血や脳卒中リスクが増える可能性があるため注意とされていますが、これは「高用量」の場合を指し、推奨範囲内では一般に安全と記載されています。 [8] [9]

こんな場合は注意・相談を

  • すでにアスピリンや他の抗血小板薬、抗凝固薬(ワルファリン、DOACなど)を併用している場合は、魚油サプリの追加で累積的に出血傾向が強まる可能性があるため、主治医と相談の上で決めましょう。 [4] [3]
  • 鼻出血が増えた、歯ぐきからの出血が続く、尿や便に血が混じる、止血に時間がかかる、青あざが増えるなどがあれば、サプリを中止して受診することが望ましいです。これは魚油に限らず、クロピドグレルの基本的な注意サインです。 [3]
  • 手術・抜歯・内視鏡など出血を伴う処置前は、魚油サプリを含むサプリ全般の継続可否について事前に必ず医療者へ申告してください。総説では中止不要とする見解もありますが、施設方針や個別リスクで異なるため、担当医の指示に従ってください。 [7]

実践的なまとめ

  • 青魚はむしろ心血管に良い影響が期待でき、通常の食事量なら過度に心配する必要は高くありません。 [7]
  • サプリは用量がカギです。クロピドグレル服用中にEPA/DHAサプリを使うなら、一般的な用量(例:総EPA+DHAで1g/日前後)から開始し、増量は医師と相談しましょう。 [1] [2]
  • 併用時は、出血のサインがないか日常で確認し、定期受診でのチェックを受けると安心です。 [2]

参考の比較表

項目青魚(食事)フィッシュオイル(EPA/DHA)サプリクロピドグレル
作用心血管に有益、血小板機能に穏やかな影響血小板抑制の生理的影響あり(出血時間延長の可能性)抗血小板作用(出血傾向上昇)
出血リスクのデータ臨床的に有意な増加エビデンスは乏しい高用量で出血時間延長の報告、臨床的出血増加は明確でない他の抗血小板/抗凝固/NSAIDs等と併用で出血リスク増加
実践上の対応通常量は概ね安全用量に注意、増量は医師と相談、処置前は申告定期的なモニタリング、出血サインに注意

出典:臨床研究と製品情報の要点をもとに作成。 [1] [6] [7] [3] [2] [4]


最後に

  • 「食事としての青魚」や「通常用量のEPA/DHAサプリ」は、クロピドグレル服用中でも多くの場合、出血リスクの大きな増加は示されていません。 [1] [7]
  • ただし、高用量サプリや他の出血リスク薬との併用、出血の既往・胃腸病変・高齢・低体重など個別要因でリスクは変わり得ます。迷ったら主治医に相談し、出血サインのセルフチェックを習慣にするのがおすすめです。 [2] [3]

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出典

  1. 1.^abcdefComparison of bleeding complications with omega-3 fatty acids + aspirin + clopidogrel--versus--aspirin + clopidogrel in patients with cardiovascular disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgOMEGA-3-ACID ETHYL ESTERS capsule, liquid filled(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefCLOPIDOGREL- clopidogrel bisulfate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdCLOPIDOGREL- clopidogrel bisulfate tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcInsights into the inhibition of platelet activation by omega-3 polyunsaturated fatty acids: beyond aspirin and clopidogrel.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdefn-3 Fatty acids affect haemostasis but do not increase the risk of bleeding: clinical observations and mechanistic insights.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Fish oil(mayoclinic.org)
  9. 9.^Fish oil(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。