
WHOの資料に基づく | アジスロマイシン服用中に牛乳を飲むと効果が弱まるというのは本当ですか?
アジスロマイシンは食事と同時に服用すると吸収が低下し、特にカプセル製剤では牛乳や栄養飲料により崩壊が遅れてバイオアベイラビリティが下がる可能性があります。基本は空腹時に水で服用し、牛乳など液状食品との同時摂取は避けると安心です。
結論
アジスロマイシン(ジスロマックなど)は、一般的に「牛乳そのものと混ぜると効果が大きく落ちる」とまでは言い切れませんが、食事(特に量が多い食事)と一緒に飲むと吸収がかなり下がることがあり、製剤によっては牛乳などの液状食品でカプセルの崩壊が遅れ、バイオアベイラビリティ(体内に取り込まれる割合)が大きく低下する可能性があります。 [1] [2]
そのため、基本的には空腹時に水で服用する、または牛乳や栄養ドリンクと同時は避ける飲み方が望ましいです。 [1] [2]
なぜ「牛乳で効き目が弱くなる」と言われるのか
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食事による吸収低下
アジスロマイシンは、500 mg内服時の吸収率が約37%と限られており、「大きな食事」と一緒に服用すると吸収が最大約50%低下した例が報告されています。 [1]
この「食事の影響」の一部として、牛乳などの乳製品を含む食事も該当することがあります。牛乳単独で飲むと必ず効き目が落ちるというより、「食事と同時」が問題になりやすいという理解が自然です。 [1] -
製剤(剤形)による差
アジスロマイシンのカプセル製剤では、食後にカプセルの崩壊が遅れ、胃酸で薬が分解してしまうため、体内に取り込まれる量が大幅に減ったというデータがあります。 [2]
さらに牛乳や栄養飲料(Ensure®)などの液体食品がある環境で、カプセルの崩壊が遅くなることが試験管内(in vitro)で確認されており、実際の人での吸収低下にもつながったとされています。 [2]
一方、錠剤では同じ条件でも吸収低下が小さいことが示されており、「何を飲んでいるか(錠剤かカプセルか、懸濁用粉末か)」で影響が変わります。 [2]
牛乳と金属イオンの「キレート」問題は?
ニューキノロン(シプロフロキサシンなど)では、牛乳のカルシウムが薬と結合して吸収を下げる「キレート」の問題が明確ですが、アジスロマイシンは同じ機序で大きく吸収が落ちる典型薬ではありません。 [3]
アジスロマイシンでの主な注意点は、食事による全体的な吸収低下と、カプセルが液体食品で崩壊しにくくなり胃酸分解が進むことです。 [1] [2]
授乳中の服用と「母乳」について
アジスロマイシンは母乳へ移行しますが、通常は授乳中でも使用されることがあり、赤ちゃんの下痢・嘔吐・発疹などを観察しましょうという記載があります。 [4]
これは「母乳に出る」話であり、服用時に牛乳を飲む相互作用とは別の話題です。授乳中の安全性に関する注意として理解してください。 [4]
実用的な飲み方のポイント
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空腹時に水で服用がおすすめ
可能であれば、食前1時間、または食後2時間を目安に、水で服用すると吸収低下のリスクを減らせます。特にカプセル製剤では食後や牛乳・栄養飲料との同時は避けると安心です。 [1] [2] -
錠剤なら影響は比較的小さいことも
錠剤はカプセルよりも食事の影響が小さいケースがあり、どうしても食事とずれる場合は、担当の医師・薬剤師が指示した服用方法に従ってください。 [2] -
胃腸の負担が気になる場合
アジスロマイシンは胃腸症状(吐き気・腹痛・下痢など)が比較的少ない方ですが、それでも気になるときがあります。食事の直前直後は避けつつ、軽いスナック程度のタイミングに調整するなど、吸収低下と胃腸負担のバランスで工夫する方法もあります。 [1]
まとめ
- 牛乳そのものが絶対ダメというより、食事と同時が吸収低下を招きやすい薬です。 [1]
- カプセル製剤では牛乳や栄養飲料の存在下で崩壊が遅れ、吸収が大きく落ちたデータがあるため同時摂取は避けるのが無難です。 [2]
- 錠剤では影響が小さい可能性もありますが、基本は空腹時に水で服用が推奨されます。 [1] [2]
- 授乳中は赤ちゃんの様子を観察しながら使用されることがありますが、これは母乳への移行に関する注意で、牛乳との相互作用とは別の論点です。 [4]
製剤別のポイント一覧
- 錠剤(Tablet):食事の影響は比較的軽いが、空腹時が無難。 [2]
- カプセル(Capsule):食事・牛乳・栄養飲料で崩壊が遅れ、吸収低下が顕著になりやすい。同時摂取は避ける。 [2]
- 懸濁用粉末(Powder for suspension):一般的に食事タイミングの影響に注意、指示に従う。 [1]
よくある質問への短答
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Q: 朝食の牛乳と一緒に飲んでいい?
A: 避けた方が無難です。水で服用し、食前1時間または食後2時間を目安に。 [1] [2] -
Q: 牛乳なしのヨーグルトや栄養ドリンクは?
A: 液体や半固形の食品でもカプセルの崩壊が遅れる可能性が示されています。同時は避けてください。 [2] -
Q: 胃が弱いので食後に飲みたい
A: 吸収低下の可能性があります。錠剤かどうか、処方の意図を確認のうえ、タイミング調整を医師・薬剤師に相談してください。 [1] [2]
参考ポイント(専門的背景)
- アジスロマイシンの経口吸収は約37%で、大きな食事同時で最大約50%低下の報告あり。 [1]
- カプセルは食後に崩壊遅延→胃酸分解→体内移行量の減少という負のフードエフェクトが確認済み。牛乳やEnsure®で崩壊遅延が試験管内で確認され、ヒトでのAUC低下と一致。 [2]
- 授乳中は母乳へ移行しうるため、赤ちゃんの下痢・嘔吐・発疹を観察する。 [4]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklmAzithromycin--spectrum of activity, pharmacokinetics, and clinical applications.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghijklmnopEffects of food on a gastrically degraded drug: azithromycin fast-dissolving gelatin capsules and HPMC capsules.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^↑(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdAZITHROMYCIN tablet, film coated AZITHROMYCIN powder, for suspension(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


