
WHOの資料に基づく | アジスロマイシンは空腹時(断食中)に服用しても問題ありませんか?
アジスロマイシンは錠剤・懸濁液・1g粉末では空腹時でも食後でも服用可能で、総吸収量(AUC)はほぼ変わりません。なおカプセル製剤は食後に吸収低下が起こるため空腹時が望ましく、制酸薬(アルミニウム・マグネシウム含有)との同時服用は避けましょう。
アジスロマイシンは空腹時に服用可能か
結論として、一般的な剤形(錠剤・粉末・懸濁用ドライシロップ)は空腹時でも服用できます。多くの製品で「食事と一緒でも、空腹時でも可」とされており、食事の有無で効果(薬の総吸収量:AUC)が大きく変わらないことが示されています。 [1] [2] ただし、一部のカプセル製剤では「食後に飲むと吸収が下がる」負の食事影響が報告されており、空腹時のほうが望ましい場合があります。 [3] [4]
剤形ごとのポイント
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錠剤・1g単回投与用粉末(再構成後)・懸濁液
これらは食事の有無にかかわらず服用可能です。食事を摂っても総吸収量(AUC)は変わらず、最大濃度(Cmax)がやや上がる程度の報告があります。 [5] [6] [7] 食事でCmaxが増える例(錠剤で約23%、懸濁液で約56%上昇)が示されていますが、AUC(総曝露量)は変化しないため、治療効果の面では大きな差はないと解釈されます。 [8] [9] [10] -
カプセル製剤
カプセルは食後に服用すると吸収が低下する「負の食事影響」が知られています。これは、食後は胃に長く留まりやすく、胃酸で薬が分解(DCAという分解産物に変化)されてしまうためと考えられています。 [3] 食後にカプセルを服用した場合、血中濃度の指標(AUC)が空腹時より大きく低下することがヒト試験で確認されています。 [4]
食事と薬の吸収:なぜ違いが出るのか
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錠剤・懸濁液では食事影響が小さい
高脂肪食と同時投与でも、AUCは変化せずCmaxのみ上がる傾向が示されています。これは薬剤が食事の存在下でも適切に溶けて吸収されるためです。 [8] [11] [12] -
カプセルでは胃内での分解が問題
食後の胃ではカプセルの殻が溶けにくく、薬剤が胃酸に長時間さらされ、酸による分解(DCA生成)が進み、結果として有効成分の吸収量が減ります。 [3] この現象は複数の試験で一貫して観察され、食後にカプセルを服用するとAUCが空腹時より30〜65%低下する例が報告されています。 [4]
実用的な服用アドバイス
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空腹時に服用しても基本的に問題ありません(錠剤・懸濁液・1g粉末)。食事の有無で総吸収量は変わらないため、服用のタイミングは生活に合わせて選べます。 [1] [5]
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カプセル製剤の場合は空腹時の服用がより望ましい可能性があります。もし製品がカプセルであるなら、食事の少なくとも1時間前、または食後2時間以降の服用が勧められます。 [3] [4]
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胃のムカつき対策として、錠剤や懸濁液では軽食と一緒に飲む方法もあります。Cmaxが上がることはありますが、AUCは変わらないため、効果には大きく影響しない範囲です。 [8] [11]
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制酸薬(アルミニウム・マグネシウム含有の胃薬)との同時併用は避ける
同時に飲むと薬の吸収に影響が出る可能性があるため、時間をずらすようにしましょう。 [1] [2] [5]
まとめ
- 錠剤・懸濁液・1g粉末は空腹時でも服用可能で、食事の有無で総吸収量は大きく変わりません。 [5] [8]
- カプセル製剤は食後服用で吸収が下がるため、空腹時に服用するほうが無難です。 [3] [4]
- 制酸薬との同時服用は避けるのが安全です。 [1] [2]
よくある質問
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食事と一緒に飲んでも効き目は落ちませんか?
錠剤や懸濁液では、食事でCmaxが上がることはあってもAUCは変わらず、総合的な効果は保たれると考えられます。 [8] [9]
カプセルでは食後に吸収が下がるため、空腹時のほうが良いです。 [3] [4] -
服用後に胃がムカつく場合は?
錠剤や懸濁液なら軽食と一緒に、または水を十分にとって服用する方法があります。 [8] [11]
ただし、アルミニウム・マグネシウム含有の制酸薬とは同時に飲まないようにしましょう。 [1] [2]
簡易比較表
| 項目 | 錠剤 | 懸濁液(ドライシロップ再構成含む) | カプセル |
|---|---|---|---|
| 空腹時服用 | 可能(推奨可) [5] | 可能(推奨可) [5] | 可能(推奨) [3] |
| 食後服用 | 可能(AUC不変、Cmax↑) [8] | 可能(AUC不変、Cmax↑) [8] | 非推奨(AUC↓) [4] |
| 食事影響 | 小さい [8] | 小さい [8] | 大きい(負の食事影響) [3] |
| 制酸薬との同時服用 | 避ける [1] [2] | 避ける [1] [2] | 避ける [1] [2] |
ご自身の製品が錠剤・懸濁液・カプセルのどれかで最適なタイミングが少し変わるため、手元のお薬の剤形を教えていただけますか?
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出典
- 1.^abcdefghAZITHROMYCIN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefg(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghMechanistic study of the azithromycin dosage-form-dependent food effect.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefgEffects of food on a gastrically degraded drug: azithromycin fast-dissolving gelatin capsules and HPMC capsules.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdefAZITHROMYCIN tablet, film coated AZITHROMYCIN powder, for suspension(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^↑AZITHROMYCIN tablet, film coated AZITHROMYCIN powder, for suspension(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^↑AZITHROMYCIN tablet, film coated AZITHROMYCIN powder, for suspension(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdefghijAZITHROMYCIN DIHYDRATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^abAZITHROMYCIN DIHYDRATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^↑AZITHROMYCIN DIHYDRATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 11.^abcAZITHROMYCIN DIHYDRATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 12.^↑AZITHROMYCIN DIHYDRATE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


