
アトルバスタチンを服用している場合、ウコン(ターメリック/クルクミン)サプリを併用しても安全で、相互作用や肝機能・筋障害リスクの増加はありませんか?
通常用量のクルクミン(ウコン)サプリは、アトルバスタチンとの強い相互作用は報告が少なく、CYP3A4阻害による濃度上昇の可能性も低いと考えられます。 ただし、アトルバスタチン自体の肝酵素上昇・筋障害リスクやサプリ品質による肝障害(DILI)の可能性があるため、信頼できる製品を適正量で用い、併用開始後約12週の肝機能チェックと症状観察を推奨します。 また、強いCYP3A4阻害薬を併用中は事前に医療者へ相談してください。
アトルバスタチンとウコン(ターメリック/クルクミン)併用の安全性と注意点
結論として、一般的な摂取量のクルクミン(ウコン)サプリは、アトルバスタチンと併用しても強い相互作用は報告されておらず、理論上のCYP3A4阻害による過度なアトルバスタチン上昇は示されていません。 [1] ただし、アトルバスタチン自体に肝機能異常(トランスアミナーゼ上昇)や筋障害(筋痛・まれに横紋筋融解)の既知リスクがあり、サプリを併用する際は過量摂取や製品品質のばらつきによる肝障害の可能性も考慮して、症状観察と定期的な肝機能チェックを行うのが安全です。 [2] [3]
作用機序と相互作用の可能性
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アトルバスタチンの代謝
アトルバスタチンは主にCYP3A4で代謝され、強力なCYP3A4阻害薬(例:クラリスロマイシン、イトラコナゾールなど)との併用で血中濃度が上昇し、筋障害リスクが高まることが知られています。 [4] [5] -
クルクミンの薬物代謝への影響
ヒト肝細胞・酵素系での検討では、クルクミンは生理的濃度でCYP3A4の明確な阻害・誘導作用を示さず、CYP2C8/2C9で軽度の阻害が見られる程度でした。 [1] このため、通常用量のクルクミンサプリがアトルバスタチンのCYP3A4代謝を大きく妨げる可能性は低いと考えられます。 [1] -
輸送体との関連(参考)
アトルバスタチンは肝取り込み輸送体OATP1B1の影響を受け、OATP1B1阻害薬と相互作用し得ますが、クルクミンについては臨床的に確立したOATP1B1阻害データは限定的です。 [6] このため、現時点でクルクミンによるOATP1B1経路での顕著な相互作用は不確定だが、臨床的には高い可能性は示されていません。 [6]
肝機能への影響
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スタチン単独での肝酵素上昇
アトルバスタチンは用量依存的に肝トランスアミナーゼ(ALT/AST)が上昇することがあり、持続的な3倍超の上昇は0.7%程度で報告されています(10/20/40/80mgで0.2/0.2/0.6/2.3%)。 [2] 同様の安全性プロファイルは他資料でも一致しており、開始時・用量増量12週後、以降は定期的な肝機能検査が推奨されます。 [3] [7] -
クルクミン/サプリ由来の肝障害リスク
クルクミン自体はCYP3A4相互作用の可能性が低いとされますが、サプリ市場では配合不明瞭・高用量・複合成分によるサプリ誘発性肝障害(DILI)が散発的に報告されています。 [1] サプリ全般では急性肝炎・肝不全のアウトブレイク報告もあり、出所不明・過量摂取・他成分併用に注意が必要です。 [8] [9] -
臨床的な見方
アトルバスタチン服用者がクルクミンを併用しても直接的な肝毒性相乗効果の明確なエビデンスは乏しい一方、アトルバスタチン単独でも稀に肝酵素上昇があるため、併用開始後12週前後の肝機能チェックや症状(だるさ、食欲低下、黄疸、濃い尿、淡色便)の観察が安心です。 [3] [2]
筋障害(ミオパチー)リスク
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スタチン由来の筋障害
スタチンは用量・併用薬・個体差により筋痛、CK上昇、まれに横紋筋融解症を起こすことがあります。 [10] 大きな相互作用(CYP3A4強阻害)により濃度上昇するとリスクが高まります。 [11] -
クルクミンによる筋障害増強のエビデンス
現在、クルクミンがスタチン筋障害を増悪させる確立した臨床データはありません。 [1] スタチン筋障害は主に薬物動態相互作用や輸送体・遺伝因子などに左右され、クルクミンの関与は低いと推定されます。 [11] -
注意すべき症状
併用の有無にかかわらず、新規の筋痛・脱力・夜間こむら返り、CK著増が疑われる場合は医療機関に相談し、必要に応じて一時休薬や他スタチンへの切替を検討します。 [10]
併用時の実践的ガイド
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用量と製品選び
クルクミンは通常用量(例:500〜1000mg/日程度)でのCYP3A4阻害は低いと考えられますが、超高用量や生体利用率を過度に高める製品は理論上の相互作用可能性をわずかに高める恐れがあります。 [1] 品質管理が明確なブランドや医療者が推奨する製品を選ぶのが安全です。 [8] -
肝機能モニタリング
アトルバスタチン開始時・増量12週後に肝機能検査を行い、クルクミンを新たに併用する場合も開始後12週前後でALT/ASTの確認をすると安心です。 [3] [7] -
症状が出たら中止・受診
黄疸、濃色尿、著しい倦怠感、筋痛の悪化があればサプリを含め一旦中止し、受診して原因評価(肝機能、CK、薬歴・サプリ歴の確認)を受けましょう。 [3] [10]
まとめ
- 総合評価
現時点のデータでは、クルクミンは通常用量でCYP3A4を強く阻害しないため、アトルバスタチンとの顕著な薬物相互作用は低いと考えられます。 [1] ただし、アトルバスタチンにはもともと用量依存の肝酵素上昇リスクがあり、サプリ市場全般には製品差による肝障害の可能性があるため、信頼できる製品選択、適正用量、肝機能の定期チェック、症状観察を心がけると安全です。 [2] [8] [3]
参考データ一覧(抜粋)
- アトルバスタチンはCYP3A4で代謝され、強いCYP3A4阻害薬で濃度上昇・筋障害リスク増加。 [4] [5]
- アトルバスタチンの肝酵素上昇は0.7%程度(用量依存)、開始・増量後12週でLFT推奨。 [2] [3] [7]
- クルクミンは生理的濃度でCYP3A4阻害・誘導が低く、相互作用可能性は小さい。 [1]
- サプリ関連の急性肝障害・肝不全のアウトブレイク報告が存在し、品質や成分に注意。 [8] [9]
- スタチン筋障害は用量・相互作用・輸送体などが影響、クルクミンによる増悪エビデンスは乏しい。 [11] [10] [1]
推奨される対応
- クルクミン併用は通常用量・信頼できる製品であれば概ね実施可能だが、開始後12週の肝機能確認を提案。 [3] [7]
- 強いCYP3A4阻害薬(特定の抗真菌薬・抗菌薬など)を併用中の場合は、クルクミンを重ねる前に医療者へ相談。 [4] [5]
- 黄疸・濃色尿・筋痛の悪化などの症状があれば速やかに中止し受診。 [3] [10]
よくある質問
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijkEvaluation of liposomal curcumin cytochrome p450 metabolism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdeATORVASTATIN CALCIUM tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghi(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdATORVASTATIN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcAtorvastatin Calcium(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abElucidation of the biochemical basis for a clinical drug-drug interaction between atorvastatin and 5-(N-(4-((4-ethylbenzyl)thio)phenyl)sulfamoyl)-2-methyl benzoic acid (CP-778875), a subtype selective agonist of the peroxisome proliferator-activated receptor alpha.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdeNotes from the Field: Acute Hepatitis and Liver Failure Following the Use of a Dietary Supplement Intended for Weight Loss or Muscle Building — May–October 2013(cdc.gov)
- 9.^abNotes from the Field: Acute Hepatitis and Liver Failure Following the Use of a Dietary Supplement Intended for Weight Loss or Muscle Building — May–October 2013(cdc.gov)
- 10.^abcdeStatin induced myopathy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 11.^abcDrug interactions with HMG-CoA reductase inhibitors (statins): the importance of CYP enzymes, transporters and pharmacogenetics.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


