Medical illustration for アトルバスタチンを服用中に緑茶や高濃度の緑茶抽出物(EGCG)を摂取しても、効果や副作用に影響する相互作用はありませんか? - Persly Health Information
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2026年2月12日5分で読める

アトルバスタチンを服用中に緑茶や高濃度の緑茶抽出物(EGCG)を摂取しても、効果や副作用に影響する相互作用はありませんか?

要点:

通常量の緑茶はアトルバスタチンの効果や副作用への臨床的な影響は限定的ですが、高濃度の緑茶抽出物(EGCG)サプリは薬物動態に影響する可能性があります。心配な場合は摂取時間をずらすなど工夫し、筋痛など異変があれば受診してください。大量のグレープフルーツジュースは回避が推奨されます。

アトルバスタチンと緑茶(EGCG)の相互作用:現時点での科学的知見と安全な摂取ガイド

アトルバスタチン(スタチン系降脂薬)を服用中に緑茶や高濃度の緑茶抽出物(EGCG)を摂ることについては、いくつかの動物実験や一部の人での関連研究から「影響が起こりうる可能性」は示唆されていますが、通常量の緑茶を日常的に飲む範囲では臨床的な有害影響が明確に証明されているわけではありません。ただし、高濃度の緑茶抽出物サプリメントの併用では薬物動態に影響するリスクが高まる可能性があり、慎重な対応が望まれます。 [1] [2]


緑茶・EGCGが薬物に与えうる影響の考え方

  • 緑茶の主要成分であるカテキン(EGCGなど)は、薬の取り込み・排出に関わるトランスポーターや代謝酵素(例:CYP3A)を阻害または調整することがあります。これは試験管内(in vitro)や動物で示されており、ヒトでも一部で影響が観察されています。 [2]
  • ただし、一般的なお茶の飲用量ではヒトでの影響は限定的とされ、影響が出るのは主に「高容量の抽出物サプリメント」などのケースが考えられます。 [2]

アトルバスタチンとの具体的な知見

  • 動物モデルでは、緑茶が肝への薬取り込みを抑えてアトルバスタチン血中濃度を上げたという報告があります。これは理論上、副作用(筋症・横紋筋融解など)のリスク増加につながり得ますが、ヒトでの臨床的な有意性は不明とされています。 [1]
  • 同じスタチンでも、ロスバスタチンでは繰り返しの緑茶抽出物摂取により血中曝露が低下した人での研究があり、スタチンごとに影響の方向が異なる可能性があります。つまり、アトルバスタチンでも個人差・用量差による影響が理論上あり得ますが、確定的ではありません。 [1]

グレープフルーツジュースとの違い

  • アトルバスタチンはCYP3A4で代謝されるため、強いCYP3A4阻害薬や過量のグレープフルーツジュースで血中濃度が上昇し筋障害リスクが高まることが明確に知られています。過量摂取(例:1.2L/日以上)ではAUCやCmaxが著明に増加し得ます。 [3] [4] [5]
  • 一方、緑茶の通常飲用量における臨床的相互作用は未確定で、グレープフルーツジュースほどの強固なエビデンスはありません。つまり、緑茶は「可能性はあるがエビデンスは限定的」という位置づけです。 [1]

他のスタチン・関連研究からの示唆

  • 動物実験では、緑茶抽出物がCYP3A活性を阻害し、シンバスタチンの血中濃度を上げたというデータがあります。これは同じくCYP3A基質であるアトルバスタチンにも理論的に波及し得る所見です。 [6] [7]
  • 食事とスタチンの相互作用は多面的で、繊維・果汁・油などでも影響が報告されており、スタチンごとに相互作用の様相が異なります。このため、過度なサプリ摂取は避け、一定量・一定タイミングに留める実践が安全です。 [8]

実務的な安全ガイド

  • 通常量の緑茶(例:1–3杯/日)であれば、多くの方で臨床的な問題は生じにくいと考えられますが、体調や併用薬によっては個人差があります。不安があれば主治医・薬剤師に相談してください。 [2]
  • 高濃度の緑茶抽出物サプリ(EGCGの大容量)は、薬物動態への影響が相対的に起きやすい可能性があるため、アトルバスタチンと併用する場合は控える、または医療者に必ず相談することをおすすめします。 [2]
  • もし緑茶やサプリを摂り始めてから、筋肉痛・脱力・こむら返り・濃い茶色の尿などの筋障害を疑う症状が出た場合は、服用を中止せずに速やかに受診して相談してください(自己中止は避け、指示を受けてください)。 [5]
  • アトルバスタチンにおいては、グレープフルーツジュースの大量摂取は明確に避けるべきです(例:1.2L/日以上)。緑茶はこれほど厳格ではありませんが、過度な摂取や濃縮サプリは慎重に。 [5] [4]

摂取タイミングと工夫

  • 相互作用が心配な場合は、アトルバスタチンの服用時間と高濃度緑茶抽出物の摂取時間をずらす(例:数時間以上離す)ことで、理論上リスクを下げられる可能性があります。これは厳密なエビデンスに基づく推奨ではありませんが、実務的なリスク低減策として有用です。 [2]
  • サプリ利用時は、成分量(EGCG含有量)・摂取総量・併用薬リストを控えておき、医療者と共有することが安全です。 [2]

まとめ(要点)

  • 緑茶(通常量):アトルバスタチンとの明確な臨床的相互作用は今のところ限定的ですが、理論的には影響しうるため、体調変化に注意。 [1] [2]
  • 緑茶抽出物サプリ(高濃度EGCG):薬物動態に影響する可能性が相対的に高く、併用は慎重に。医療者へ事前相談が安全。 [2]
  • グレープフルーツジュース:大量摂取は明確に回避。 [5] [4]
  • 症状が出たら受診:筋痛・脱力・尿色変化などがあれば早めに相談。 [5]

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出典

  1. 1.^abcdeGreen Tea(mskcc.org)
  2. 2.^abcdefghiThe effects of green tea polyphenols on drug metabolism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdeAtorvastatin Calcium(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^Green tea extract affects the cytochrome P450 3A activity and pharmacokinetics of simvastatin in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Green tea extract affects the cytochrome P450 3A activity and pharmacokinetics of simvastatin in rats.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Major diet-drug interactions affecting the kinetic characteristics and hypolipidaemic properties of statins.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。