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2026年2月18日5分で読める

PubMedの資料に基づく | ナッツを日常的に食べると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状やホルモン異常が改善するというのは本当ですか

要点:

ナッツの習慣的摂取は、PCOSにおける脂質異常やアディポネクチン、SHBG/FAIなど一部ホルモン指標の改善に役立つ可能性があります(小規模試験でくるみ・アーモンドに効果)。ただし万能薬ではなく、体重管理・低GI中心の食事・運動が第一選択で、ナッツはその補助として1日20〜30g程度を推奨します。

ナッツの習慣的な摂取は、PCOSの代謝や一部のホルモン指標に良い影響を与える可能性がありますが、「万能薬」ではありません。小規模な臨床試験では、くるみやアーモンドが脂質(LDLコレステロール)やアディポネクチンなどに良い変化をもたらし、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)や自由アンドロゲン指数(FAI)にも改善がみられました。 [1] 一方で、PCOSの全体的管理では、体重管理や低GIなどの食事パターン、運動などの生活習慣が土台とされます。 [2] [3] [4]

何がわかっているか(ヒト研究)

  • くるみ・アーモンドの比較試験(6週間、PCOS女性31名)
    • 体重は変化せず。 [1]
    • くるみ群:LDLコレステロール6%低下、アポB11%低下、HbA1c低下、SHBG上昇、OGTTでインスリン応答増加。 [1]
    • アーモンド群:アディポネクチン上昇、自由アンドロゲン指数(FAI)低下。 [1]
    • 両群ともアディポネクチンが有意に増加(インスリン感受性の改善に関与)。 [1]
      つまり、ナッツ摂取は脂質プロフィールと一部のホルモン指標の改善に寄与する可能性が示唆されましたが、試験規模が小さく期間も短い点には注意が必要です。 [1]

ガイドライン的な位置づけ

  • PCOSでは体重管理・運動・血糖負荷を抑えた食事(低GI・低精製炭水化物)が第一選択の生活療法として推奨されます。 [2] [3]
  • 食事の細かな組成(高脂肪/高炭水化物など)に関する研究をまとめた検討では、低GIまたは低炭水化物食がインスリン抵抗性の改善に有利で、一価不飽和脂肪酸を多く含む食事では体重減少が大きい傾向が示されています。 [5]
  • これらを踏まえると、ナッツは「健康的な脂質・食物繊維・微量栄養素の供給源」として、PCOSに適した食事の一部として役立つと解釈できます。 [6] [7]

生理学的に期待できる点

  • 良質な不飽和脂肪酸(MUFA、n-3系脂肪酸)が、脂質改善や炎症低減、血糖コントロールの助けになることが知られています。 [7] [6]
  • アディポネクチン増加は、インスリン感受性の改善と関連します。 [1]
  • PCOSの症状(無月経、不正排卵、にきび、多毛など)は高アンドロゲン血症・インスリン抵抗性の影響を受けるため、脂質・インスリン指標の改善は症状緩和につながる可能性があります。 [4]

実践のポイント(安全に取り入れるには)

  • 量を適切に:ナッツは高エネルギーなので、1日20〜30g程度(手のひら1杯弱)を目安に、食事全体のカロリー内に収めるのがおすすめです。体重管理はPCOS管理の要であり、減量は排卵やホルモンバランスの改善に寄与します。 [2] [3]
  • 種類の選び方:
    • くるみ:n-3系脂肪酸が豊富で、LDLやHbA1c、SHBGに良い変化が報告。 [1]
    • アーモンド:FAI低下(相対的にアンドロゲン活性の低下)やアディポネクチン上昇が報告。 [1]
    • いずれも無塩・無糖の素焼きを選ぶと、過剰な塩分・砂糖・添加脂肪を避けられます。
  • 食事全体の質を最適化:野菜・果物・全粒穀物・豆類などの低GI・高食物繊維を中心にし、精製糖質や砂糖入り飲料の頻度を減らすと、インスリン抵抗性対策により効果的です。 [8] [9]
  • 運動を組み合わせる:有酸素運動+レジスタンストレーニングは、インスリン抵抗性と体脂肪の改善に有効です。 [2]

注意点と限界

  • 現時点のナッツに関するPCOS研究はサンプルサイズが小さく期間も短いため、すべての症状(排卵、月経周期、妊孕性、にきび・多毛など)に対する直接効果を断言することはできません。あくまで「代謝・脂質・一部ホルモン指標の改善が期待できる補助的要素」と考えるのが妥当です。 [1] [5]
  • アレルギーや消化器症状がある場合は避けるか、医療者に相談を。
  • 体重増加につながる量や砂糖・塩が多い加工ナッツは、PCOS管理の足かせになりえます。量・質のコントロールが重要です。 [2] [3]

まとめ

  • ナッツの習慣的摂取は、PCOSで問題となりやすい脂質異常やインスリン関連指標、SHBG/FAIなどのホルモンマーカーに有益な変化をもたらす可能性があります。 [1]
  • ただし、第一選択は生活習慣の最適化(体重管理・低GI中心の食事・運動)であり、ナッツはその中の有用なパーツと捉えるのが現実的です。 [2] [3] [5]

ナッツ試験の主な結果(要約)

項目くるみ(n-3/n-6豊富)アーモンド(MUFA豊富)
LDLコレステロール低下(有意) [1]低下(有意差は限定) [1]
アポB低下(有意) [1]低下(有意差は限定) [1]
HbA1c低下(くるみが優位) [1]
アディポネクチン上昇(有意) [1]上昇(有意) [1]
SHBG上昇(有意) [1]
自由アンドロゲン指数(FAI)低下(有意) [1]
体重変化なし(6週間) [1]変化なし(6週間) [1]

必要であれば、現在の食事内容に合わせて1日20〜30gの無塩ナッツを「間食の置き換え」や「サラダのトッピング」として取り入れる方法も一緒に考えられます。そのうえで、低GI中心・カロリー最適化・運動を組み合わせることがPCOS管理の近道です。 [2] [3] [8]

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopqrstuvDifferential effects of walnuts vs almonds on improving metabolic and endocrine parameters in PCOS.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgPolycystic ovary syndrome (PCOS) - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdefPolycystic ovary syndrome (PCOS) - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  4. 4.^abPolycystic Ovary Syndrome(medlineplus.gov)
  5. 5.^abcDietary composition in the treatment of polycystic ovary syndrome: a systematic review to inform evidence-based guidelines.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abDietary fat: Know which to choose(mayoclinic.org)
  7. 7.^abLearn the facts about fat(mayoclinic.org)
  8. 8.^abLifestyle Changes for Polycystic Ovary Syndrome(nyulangone.org)
  9. 9.^Lifestyle Changes for Polycystic Ovary Syndrome(nyulangone.org)

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