
米国NIHの資料に基づく | 赤身肉を頻繁に食べると高血圧のリスクが上がるというのは本当ですか?
未加工の赤身肉を頻繁に食べることが高血圧リスクを直接上げる強い証拠は限定的です。一方、ハム・ベーコンなどの加工肉はナトリウムが多く、高血圧リスク上昇と一貫して関連します。対策として、赤身肉は控えめにし、加工肉と塩分を減らし、DASH食に沿って魚・鶏・豆などを増やしましょう。
赤身肉そのものをよく食べることが「直接的に」高血圧のリスクを高くするという強い証拠は、現時点では限定的です。ただし、加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージなど)はナトリウムが多く、摂り過ぎると高血圧のリスクが上がることが一貫して報告されています。 [1] [2]
まとめポイント
- 未加工の赤身肉(牛・豚・羊の赤身)と高血圧の明確な関連は弱いか、ないとする研究が多い一方、加工肉は高血圧や心血管リスクの上昇と関連が見られます。 [2] [1]
- 高血圧対策の食事(DASH食)は、赤身肉は「控えめに」、魚・鶏・大豆・豆類などのよりヘルシーなたんぱく源を増やすことを勧めています。 [3] [4]
- 実践面では、赤身肉は脂身と皮を除いた「赤身(リーン)」を小さいポーションで、加工肉と塩分を減らすことが重要です。 [5] [3]
科学的な背景
未加工赤身肉と高血圧
大規模前向き研究では、未加工の赤身肉の摂取量と高血圧発症との間に有意な関連は認められないという結果が示されています。例えば、週5回以上の未加工赤身肉と週1回未満の比較で、発症率に差はほぼなしという報告があります。 [2]
加工肉と高血圧
一方で、加工肉の多量摂取は高血圧の発症率上昇(例:17%程度の増加)と関連が見られます。塩分(ナトリウム)や保存料が多いことが血圧上昇に寄与していると考えられます。 [2] [1]
可能なメカニズム
- ナトリウム過多:加工肉は未加工肉に比べてナトリウムが著しく多く、これが血圧を上げる主要因と推定されています。 [1]
- 飽和脂肪・ヘム鉄:赤身肉は部位や調理によっては飽和脂肪やヘム鉄が多く、長期的には心血管・代謝リスクに影響しうるため、量や頻度、調理法に注意が必要です。 [6] [7] [8]
ガイドラインが勧める食べ方
DASH食の考え方
高血圧予防・改善で広く推奨されるDASH食では、野菜・果物・低脂肪乳製品・全粒穀物・豆・ナッツを増やし、塩分・加工肉・赤身肉・甘い飲料を減らすことを柱としています。 [3]
また、肉は主役ではなく「副菜の一部」として、リーン(脂の少ない)部位を1日合計約170g(3オンス×2)までに控える目安が示されています。 [4]
日常の実践ポイント
- 加工肉はできるだけ避ける(ハム、ベーコン、ソーセージ、サラミ、コンビーフなど)。 [1] [2]
- 未加工の赤身肉は赤身中心(脂身・皮を除く)で、小さめの量にする。 [5]
- たんぱく源を分散:魚、鶏むね、豆・大豆製品、ナッツ、卵などとローテーションする。 [5] [3]
- 週に数回は「肉なしデー」をつくるのも有効です。 [4]
- 調理法は減塩・低脂肪:揚げ物よりも、焼く・蒸す・茹でるを選ぶ。 [5]
赤身肉と血圧に関するQ&A
Q1. 赤身肉は全てNG?
A. 未加工の赤身肉を適量で、脂の少ない部位を選び、塩分を控えた調理なら、血圧への影響は大きくないと考えられます。 [2] ただし、加工肉は避ける・減らすことが勧められます。 [2] [1]
Q2. どのくらいが「適量」?
A. 高血圧対策の食事では、リーンな肉は1日合計約170gまで、肉なしの日を週2回程度つくるなどの工夫が推奨されます。 [4]
Q3. 何を優先して気をつける?
A. 塩分(ナトリウム)の削減が最優先です。加工肉の制限が実践的で効果的です。 [1] [2] 併せて、野菜・果物・低脂肪乳製品・全粒穀物を増やすと血圧に良い効果が期待できます。 [3]
赤身肉を食べるときの実践チェックリスト
- 加工肉より未加工肉を選ぶ(原材料が「肉そのもの」に近いもの)。 [1] [2]
- 部位は赤身(もも・ヒレなど)、見える脂は除去する。 [5]
- 味付けは減塩:塩・しょうゆの量を減らし、香辛料・レモン・酢・ハーブで風味づけ。 [3]
- ポーション管理:手のひらサイズ(約85g)を1食の目安に。1日2回までに抑える方向で。 [4]
- たんぱく源の分散:魚(特に青魚)、豆・大豆製品、鶏むね、卵、ナッツを積極的に取り入れる。 [3] [5]
- 週2日は「肉なしデー」で塩分・飽和脂肪の摂取をリセット。 [4]
参考になるデータ比較
| 項目 | 未加工赤身肉(総論) | 加工肉(ハム・ベーコン等) |
|---|---|---|
| 高血圧リスク | 明確な増加は限定的(有意差なしの報告あり) [2] | 摂取増でリスク上昇(例:発症率約+17%) [2] |
| ナトリウム | 比較的少ない(調理次第) [1] | 非常に多い(保存・風味付けで多量) [1] |
| 推奨 | 脂の少ない部位を小量で、頻度と量を管理 [4] [3] | 可能な限り制限、別のたんぱく源へ置換 [1] |
実践提案(今日からできる置き換え)
- 朝:ベーコン→ゆで卵+無塩ナッツ少量、またはツナ(水煮)に。 [3]
- 昼:ハムサンド→チキン胸肉のグリル+野菜多めのサンドに。 [3]
- 夜:ステーキ大盛→赤身小ポーション+焼き魚 or 豆料理を組み合わせ、サラダと全粒穀物を増やす。 [3]
結論
- 「赤身肉=即リスク上昇」とは言い切れず、未加工の赤身肉を適量で、脂身を控えて食べる限り、高血圧への影響は大きくないと考えられます。 [2]
- ただし、加工肉はナトリウム負荷が高く、高血圧リスク上昇と関連するため、優先的に減らすのが賢明です。 [1] [2]
- 高血圧予防には、DASH食パターン(野菜・果物・低脂肪乳・全粒穀物を増やし、塩分と加工肉・赤身肉を控えめに)を軸に、たんぱく源を多様化する方法が現実的で効果的です。 [3] [4]
もしご自身の食事パターンで赤身肉や加工肉の頻度・量の見直しが必要であれば、普段の1週間の食事内容を簡単に教えていただければ、血圧対策に沿った具体的な置き換えプランをご提案します。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklProcessing of meats and cardiovascular risk: time to focus on preservatives.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghijklmProcessed and unprocessed red meat consumption and hypertension in women.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghijklDASH diet to lower high blood pressure: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 4.^abcdefghDASH diet to lower high blood pressure: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 5.^abcdefHigh blood pressure and diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 6.^↑What is Fat | ADA(diabetes.org)
- 7.^↑Cholesterol Levels: What You Need to Know(medlineplus.gov)
- 8.^↑Dietary intakes of zinc and heme iron from red meat, but not from other sources, are associated with greater risk of metabolic syndrome and cardiovascular disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


