Medical illustration for PubMedの資料に基づく | ショウガを摂取すると血圧が下がり、高血圧の改善に役立つというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | ショウガを摂取すると血圧が下がり、高血圧の改善に役立つというのは本当ですか?

要点:

ショウガは血圧調節に関与する可能性が示され、穏やかな降圧効果が期待できる一方、ヒトでの高品質な臨床エビデンスは限定的で、降圧薬の代替にはなりません。食品としての摂取は概ね安全ですが、サプリの高用量は抗凝固薬・抗血小板薬との相互作用により出血リスクがあるため医療者に相談が必要です。

ショウガで血圧が下がる可能性はありますが、効果は穏やかで個人差が大きく、医師が処方する降圧薬の代わりになる根拠は十分ではありません。一部の研究や成分解析では、ショウガが血圧調節に関わる仕組みに作用しうることが示されていますが、臨床試験の質と数はまだ限られています。 [1] [2]


まとめポイント

  • 期待できる可能性:ショウガの主要成分(例:6-ジンゲロール)が血圧上昇に関わる受容体(アンジオテンシンIIタイプ1受容体)を阻害する作用が示され、理論上は血圧を下げる方向に働く可能性があります。 [2]
  • ヒトでの確証は限定的:高血圧の人で血圧が確実に下がるといえるだけの大規模・高品質の臨床試験は不足しています。作用メカニズムの示唆や食事因子としてのまとめ的レビューはありますが、決定的な結論には至っていません。 [1]
  • 安全性と相互作用:ショウガは一般に食品量では安全とされますが、サプリや高用量では血小板凝集抑制(血をサラサラにする)作用があり、抗凝固薬・抗血小板薬と併用すると出血リスクが高まる可能性があります。手術前後や出血傾向がある方、ワルファリンなどを服用中の方は注意が必要です。 [3] [4] [5] [6]

科学的にわかっていること

作用メカニズムの示唆

  • AT1受容体拮抗作用:ショウガの成分6-ジンゲロールがアンジオテンシンIIタイプ1受容体(AT1R)の活性化を抑える働きが報告されています。これは医薬品のARB(例:ロサルタン)と同じ標的で、理論上は血圧を下げうる方向です。 [2]
  • ACE阻害の可能性(試験管レベル):ショウガ抽出物がアンジオテンシン変換酵素(ACE)の活性を抑制したという試験管内研究があり、レニン・アンジオテンシン系を通じた降圧の可能性が示されています。 [7]

これらは「メカニズムの候補」を示すもので、ヒトでの実際の降圧効果を同じ程度に保証するものではありません。 [1]

臨床研究の状況

  • 栄養補助食品や機能性食品として、ショウガは降圧候補の一つとして挙げられていますが、人を対象にした試験は規模が小さく、デザインのばらつきが大きいため、明確な降圧効果と用量の標準化は確立していません。 [1]
  • 一方で、ショウガは血小板の働きを抑える可能性があり、サプリメントの高用量や特定製剤では出血傾向の報告があるなど、安全性面のエビデンスは臨床的に重要です。 [3] [4] [8] [9]

実践的な使い方の目安

食品としての摂取

  • 日常の食事量(料理に使う程度)であれば、多くの方にとって概ね安全と考えられます。この範囲での摂取は血圧に対して「補助的」な役割が期待できるかもしれませんが、単独で明確に血圧を下げるほどの効果は一般的には限定的です。 [1]
  • 体重管理や食塩制限、野菜・果物・低脂肪乳製品を増やすDASH食など、確立した食事療法と組み合わせるほうが効果的です。 [1]

サプリメントの注意点

  • 抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレルなど)を服用中の方、NSAIDs(イブプロフェン等)との併用では出血リスクが増える可能性があるため、独断でのサプリ使用は避け、必ず医療者に相談してください。 [4] [6] [8] [9]
  • 手術の2週間前からサプリメントは中止が推奨されます。 [5]
  • 妊娠・授乳中、胆石がある方はサプリメントの使用を避けたほうが無難です。 [5] [6]

どのくらい期待できるのか

効果の大きさ

  • 医薬品レベルの降圧効果(例:収縮期血圧を10mmHg以上下げる)を一貫して示した高品質試験は乏しいため、あったとしても「緩やかな低下」に留まる可能性が高いです。 [1]
  • 一部の機序研究や総説は「降圧候補」としてショウガを挙げますが、推奨用量や服用期間、製剤(粉末、エキス、乾燥・生)の違いによる効果の差ははっきりしていません。 [1]

個人差を生む要因

  • 高血圧のタイプ(本態性か、二次性か)、併用薬、腎機能、食塩摂取量、体重、遺伝的要因などで反応は変わります。そのため、家庭血圧計での定期的な測定と、医療者との相談が大切です。 [1]

安全に取り入れるためのポイント

  • 料理としてのショウガ使用は、減塩食やDASH食と併用してみると良いでしょう。 [1]
  • サプリの使用を考える場合は、服用中の薬や基礎疾患を医療者に共有し、開始後は出血傾向(鼻血、歯ぐき出血、あざが増える等)に注意します。 [4] [6] [8]
  • 手術予定がある場合は、2週間前からサプリ中止を守りましょう。 [5]

よくある質問

Q. 生ショウガと粉末・抽出エキスでは違いますか?

  • 作用や安全性は製剤で異なる可能性があります。血小板への作用などは濃縮製剤や高用量ほど影響が出やすいと考えられます。食品としての使用では問題の報告は少ない一方、サプリでは相互作用の注意が必要です。 [3] [10] [4]

Q. 他の生活習慣と比べると?

  • 減塩、体重管理、有酸素運動、節酒、DASH食といった介入は降圧効果の確実性が高く、効果量も大きいことが示されています。ショウガはこれらの取り組みを補完する選択肢として考えるのが現実的です。 [1]

結論

ショウガは、血圧調節に関わる仕組みに働く可能性が示されており、食品として取り入れる分には、血圧管理の“補助”として期待できるかもしれません。 ただし、ヒトでの降圧効果に関する決定的な臨床エビデンスはまだ限定的で、薬の代替にはなりにくいと考えられます。サプリメントの高用量使用や抗凝固・抗血小板薬との併用は出血リスクに注意が必要です。 [2] [1] [3] [4] [5] [6]

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出典

  1. 1.^abcdefghijklAnti-hypertensive nutraceuticals and functional foods.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcd[6]-gingerol: a novel AT₁ antagonist for the treatment of cardiovascular disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdGinger(mskcc.org)
  4. 4.^abcdefGinger(mskcc.org)
  5. 5.^abcdeGinger(mskcc.org)
  6. 6.^abcdeGinger(mskcc.org)
  7. 7.^Aqueous extracts of two varieties of ginger (Zingiber officinale) inhibit angiotensin I-converting enzyme, iron(II), and sodium nitroprusside-induced lipid peroxidation in the rat heart in vitro.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcGinger(mskcc.org)
  9. 9.^abGinger(mskcc.org)
  10. 10.^Ginger(mskcc.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。