
PubMedの資料に基づく | 果物の摂取は頭頸部がんの発症リスクを低下させるというのは本当ですか?
要点:
果物(および野菜)の摂取量が多い人ほど、頭頸部がん(口腔・咽頭・喉頭など)の発症リスクが低い関連が複数研究で示されています。国際共同解析(INHANCE)では果物摂取が最も多い群でリスクが約48%低い結果でした。因果は断定できませんが、禁煙・節酒と併せた食習慣の改善が推奨されます。
はい、果物(および野菜)を多めに食べる人は、頭頸部がん(口腔・咽頭・喉頭など)の発症リスクが低い傾向が示されています。とくに大規模な症例対照研究をまとめた解析では、果物摂取が多い群でリスクが約半分に低下する関連が報告されています。 [1] 頭頸部がんのリスク因子として「果物や野菜が少ない食事」が挙げられており、食習慣の見直しは予防の一助になりえます。 [2]
どのくらい効果が示されているか
- 大規模国際共同解析(INHANCE:22研究、症例14,520例・対照22,737例)では、果物摂取頻度が最上位四分位の人は最下位群に比べて、頭頸部がんリスクが約48%低い関連(オッズ比0.52、95%CI 0.43–0.62)が示されました。野菜でも有意な低下がみられています。 [1]
- 口腔・咽頭がんに関するレビューでも、果物・野菜の多い食事はリスク低下と関連し、果物で相対リスクが約0.55(症例対照の統合)、コホートでも似た方向性(約0.78)が示されています。栄養素単体よりも「果物・野菜という食品全体」の効果が示唆されています。 [3]
なぜ果物がよいと言われるのか
果物にはビタミンC、β-カロテン、フラボノイドなどの抗酸化成分や食物繊維が豊富で、酸化ストレスの軽減、炎症抑制、粘膜の保護などを通じて発がん過程の一部を抑える可能性が考えられています。 [3] また、実臨床の予防情報でも、果物・野菜を十分にとることは咽頭がんリスク低下に役立つ可能性があると示されています。 [4]
注意したいポイント(限界と前提)
- これらの多くは観察研究の結果で、「関連」を示すものであって因果関係を断定するものではありません。 ただし、複数の研究で一貫した方向性が見られます。 [1] [3]
- リスク低下の効果は、喫煙や過度の飲酒といった強力なリスク因子の管理と組み合わせてこそ最大化されます。予防的観点では「禁煙・飲酒節制・果物野菜の十分な摂取」の組み合わせが推奨されます。 [5] [2]
- 職業性ばく露(木粉、니켈合金粉じんなど)やHPVなど、食事以外の因子も重要です。 [2]
どんな果物をどのくらい?
- 研究ごとに指標は異なりますが、日常的に「頻回」かつ「多め」に果物と野菜をとる人ほどリスクが低い関連が示されています。 [1]
- 実践としては、色の異なる果物(柑橘、ベリー、リンゴ、キウイなど)と野菜を組み合わせ、1日に数回(例:果物1~2回+野菜2~3回)を目安にすると、栄養のバランスと持続可能性の両立に役立ちます。 [1] [3]
食事全体のパターンが大切
- 果物・野菜を多く、赤身肉や加工肉を控えめにする食事パターンは、頭頸部がん全体のリスク低下と関連しました。 [1]
- 一方で、加工肉や赤身肉の多い食事はリスク上昇と関連が報告されています。バランスの良い食事パターンが重要です。 [1]
まとめ
- 果物摂取が多いほど、頭頸部がんの発症リスクが低い関連が複数研究で示されています。完全な予防を保証するわけではありませんが、日々の果物・野菜の摂取は実行しやすく、他の健康面の利点も期待できます。 [1] [3] [2]
- 予防の基本は、禁煙・節酒・バランスの良い食事・適切な口腔衛生・必要に応じたHPV予防策など、ライフスタイル全体で取り組むことです。 [5] [2]
この機会に、今の食事や生活習慣の中で増やせそうな果物や野菜はどれになりそうですか?
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出典
- 1.^abcdefghDiet and the risk of head and neck cancer: a pooled analysis in the INHANCE consortium.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdePrevention, Causes, and Risk Factors for Head and Neck Cancer(mskcc.org)
- 3.^abcdeDietary factors and oral and pharyngeal cancer risk.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^↑Throat cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 5.^abThroat cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


