Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 牛乳を飲む習慣があると子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクが高まるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月18日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 牛乳を飲む習慣があると子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクが高まるというのは本当ですか?

要点:

現時点で、牛乳・乳製品の摂取が子宮体(子宮内膜)がんリスクを大きく高める明確な証拠は限られています。閉経後かつホルモン補充療法を行っていない女性で高摂取時にわずかな上昇が示唆された報告はあるものの、全体として関連は小さく一貫していません。予防では体重管理や運動、植物性中心の食事が優先され、適量の乳製品摂取は一般に容認されます。

牛乳・乳製品の摂取が子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクを大きく高めるという明確な証拠は現時点では限られています。一部の長期追跡研究では、閉経後でホルモン補充療法(HRT)を使っていない女性に限って、高摂取でわずかなリスク上昇が示唆された報告がありますが、全体としては一貫した結論には至っていません。 [1] [2]

子宮体がんの主要リスクと牛乳の位置づけ

  • 子宮体がんの発症には、エストロゲンとプロゲステロンのバランス(エストロゲン優位)が大きく関わります。肥満、無排卵、糖尿病、早い初経・遅い閉経、タモキシフェン使用、エストロゲン単独補充などは確立したリスク要因です。特に肥満はリスクを2倍以上に高める重要因子です。 [3] [4]
  • こうした「主要因」と比べると、牛乳・乳製品の影響はあるとしても小さく、かつ一貫性が弱いというのが現在の総括的な見方です。 [2]

エビデンスの詳細

  • 長期コホート研究(看護師健康調査、26年間・約6.8万人)では、総乳製品摂取が1日3回以上の群で全体としてのリスク上昇は境界的で、閉経後かつホルモン補充療法を使用していない女性ではリスク比が約1.4〜1.6とわずかに高いという結果が示されています。一方、閉経前やHRT使用者では明確な関連は認められていません。 [1]
  • 他の前向き研究では、多くの動物性食品と子宮体がんの明確な関連は見られず、食事全体としては植物性中心のパターンがリスク低下と関連する可能性が示されています。 [5] [6]
  • 総合レビューでは、推奨量(1日3サービング程度)の乳製品摂取はがんリスクを上げるとは考えにくいとまとめられています。 [2]

可能なメカニズムと現実的な影響

  • 理論的には、乳・乳製品に含まれるステロイドホルモンやIGF-1(インスリン様成長因子)が体内で生理作用を及ぼす可能性が議論されています。ただし、ヒトでの臨床的影響は小さいか不確実で、決定的証拠はありません。 [7] [2]
  • 実際の疫学データでは、リスクが上がるとしても特定のサブグループ(閉経後・非HRT)で小幅であり、体重管理やホルモン曝露といった主要因に比べれば影響は限定的と考えられます。 [1]

実践的アドバイス

  • 乳製品を完全に避ける必要は一般的にはありません。適量(例:低脂肪乳・ヨーグルトなど)の摂取は、骨の健康や栄養面の利点もあります。 [2]
  • 子宮体がん予防でより効果的と考えられるのは、体重管理(肥満の回避)、適度な運動、植物性中心の食生活、そして医師の指導の下での適切なホルモン治療です。肥満は子宮体がんの強いリスク因子であるため、まず体重管理を優先するのが合理的です。 [8] [3] [6]
  • もし閉経後でHRTを使用していない場合に乳製品の多量摂取が気になるときは、摂取量を「適量」に見直し、低脂肪製品や発酵乳(ヨーグルト)を選ぶ、全体の食事を植物性中心に整えるといった調整が現実的です。 [2] [6]

よくある質問への簡潔な答え

  • Q: 牛乳は子宮体がんの原因ですか?
    A: 主要因ではありません。一部の条件下でわずかな関連が示唆された報告はありますが、全体として決定的な因果関係は確認されていません。 [1] [2]

  • Q: どのくらい飲むと危ないのですか?
    A: 明確な「危険量」は確立していません。高摂取(1日3回以上)で特定群に小幅な上昇が示唆された報告がある程度です。適量であれば大きな問題は考えにくいとされています。 [1] [2]


まとめ

  • 現時点の根拠では、牛乳・乳製品の習慣が子宮体がんリスクを大きく高めると断定できません。 [2]
  • ただし、閉経後で非HRTの方では高摂取でわずかなリスク上昇の可能性が示唆されています。一方で、体重・ホルモンバランスなどの既知の要因の管理が予防の中心です。 [1] [3] [4]

必要であれば、現在の食習慣や体重、閉経状況、HRTの有無に合わせて、より個別化したアドバイスをご提案できます。

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出典

  1. 1.^abcdefMilk, dairy intake and risk of endometrial cancer: a 26-year follow-up.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghiEvaluating the links between intake of milk/dairy products and cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abc국가암정보센터(cancer.go.kr)
  4. 4.^ab국가암정보센터(cancer.go.kr)
  5. 5.^Dietary intake of energy and animal foods and endometrial cancer incidence. The Iowa women's health study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcCase-control study of dietary patterns and endometrial cancer risk.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^The IGF Hormonal Network in Endometrial Cancer: Functions, Regulation, and Targeting Approaches.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Risk Factor-Associated Cancers(cdc.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。