
米国NIHの資料に基づく | 慢性腎臓病の人はチョコレートを食べると高カリウム血症や高リン血症のリスクが上がるというのは本当ですか?
慢性腎臓病では、チョコレート(特に高カカオのダークチョコやカカオパウダー)を多量・頻繁に摂ると高カリウム血症・高リン血症のリスクが高まります。無機リン添加物の有無を確認し、1回5〜10g程度の少量・低頻度にとどめ、当日の高カリウム食品を控えつつ検査値に合わせて調整すれば嗜好品として楽しめることもあります。栄養士や主治医と相談し、個別の腎機能・検査値に応じて管理することが重要です。
慢性腎臓病の方にとって、チョコレートは「食べ方次第でカリウムやリンの負担を増やしうる食品」です。特にカカオ分が高いダークチョコレートやカカオパウダー、チョコレート菓子を頻繁・多量にとると、高カリウム血症や高リン血症のリスクが上がる可能性があります。 [1] [2] 一方で、腎機能や血中カリウム・リン値の状態、チョコの種類や量、摂取頻度を調整すれば、少量の嗜好品として楽しめる場合もあります。 [3]
なぜチョコでカリウムやリンに注意が必要?
-
🍫 カリウムが比較的多い
カカオ由来の食品はカリウムを含み、慢性腎臓病では腎臓からの排泄が落ちるため体内にたまりやすくなります。血液中のカリウムが高くなると不整脈など心臓の合併症のリスクが上がるため、カリウム負荷の高い食品は量や頻度の管理が勧められます。 [2] [4] -
🫘 リンにも注意
チョコレートには有機リン(カカオや乳製品由来)が含まれますし、市販のチョコ菓子やチョコ風味の加工食品には無機リン(リン酸塩などの添加物)が入ることがあり、これは吸収率が非常に高く血清リンを上げやすい点が問題です。 [5] 慢性腎臓病管理では、総リン量だけでなく「無機リン添加物を避ける」「リン/たんぱく質比を下げる」といった視点が大切とされています。 [5] -
🧂 ついでに塩分・脂質・砂糖
チョコレート菓子は塩分や飽和脂肪、糖分も多くなりがちで、腎臓病で重要な心血管リスク管理の観点でも控えめが望ましいとされています。 [6] [7]
公式ガイダンスの全体像(腎臓病と食事)
-
カリウム負荷の調整が必要
慢性腎臓病では、血中カリウムの推移に応じて高カリウム食材の量や頻度を減らし、低カリウムの選択肢を増やすことが推奨されます。 [1] [8] [4] -
リン管理は「添加物」に特に注意
無機リン添加物(加工食品・菓子・清涼飲料に使われるリン酸塩など)は吸収率が高く、血清リンを上げやすいため、原材料表示でリン酸塩などの添加物を避けるのが重要とされています。 [5] 動植物性の有機リンは吸収率が相対的に低めで、同じリン量でも影響が異なることが知られています。 [5] -
個別化が前提
必要な制限の度合いは腎機能(病期)や検査値によって変わります。経過で腎機能が下がれば、カリウムやリンの制限がより厳しくなることもあります。 [3] [7]
どのチョコがより注意か:種類別の考え方
-
ダークチョコレート(カカオ70%以上)
カカオが多いほどカリウム・マグネシウムなどが増える傾向があるため、腎機能が低下している場合は少量にとどめるのが無難です。量を増やすと高カリウム血症のリスクが上がりやすいと考えられます。 [1] [2] -
ミルクチョコレート
カカオは少なめですが、乳由来のリンや脂質・糖分が増えやすいのが注意点です。加工品では無機リン添加物が使われる可能性があり、表示で確認し添加物入りは避けると安心です。 [5] -
ホワイトチョコレート
カカオ固形分は少ない一方、乳固形分や糖が多く、リンやカロリー過多になりやすいため食べ過ぎは避けましょう。 [5] -
カカオパウダー・ココア
濃縮されたカカオ由来のためカリウムが相対的に多くなりやすく、毎日の多量使用は控えめに。インスタントココアはリン酸塩などの添加物が入ることがあるため成分表示で確認しましょう。 [5] [1]
実用的な食べ方のコツ
-
量の目安を決める
腎機能や血液検査の状況にもよりますが、標準的には1回に板チョコ1〜2欠片程度(約5〜10g)から様子を見る方法が現実的です。週あたりの回数も控えめにして、定期検査でカリウム・リンが上がらないか確認しましょう。 [3] [7] -
添加物チェック
原材料表示で「リン酸塩」「ピロリン酸」「ポリリン酸」「phosphate」などの無機リン添加物がある製品は避けると、リン負荷を抑えられます。 [5] -
高カリウム食と重ねない
同じ日にバナナ、オレンジ、じゃがいも、トマトなど高カリウム食材が多くならないよう全体のバランスをとると安全です。 [4] [8] -
小分け・ゆっくり
一度にまとめて食べるよりも、少量をゆっくり味わうほうが急な負荷になりにくいです。 [3] -
栄養士と連携
嗜好品を含めた献立全体でカリウム・リン・ナトリウムを最適化するため、管理栄養士と一緒にプランを作ると安心です。 [3]
注意が必要なサインと検査
-
こんな時は量を見直し
便秘気味でカリウムが上がりやすい時、利尿が減った時、最近の血液検査でカリウムやリンが上昇傾向の時は、チョコやカカオ飲料の頻度・量をさらに控えるのが安全です。 [7] [2] -
定期チェックが前提
食事の細かな調整は、カリウム(K)、リン(P)、カルシウム、PTH、腎機能(eGFR、Cr)などの定期検査で裏付けをとりながら行うのが基本です。 [7] [3]
まとめ
- 「本当か」への答え:慢性腎臓病では、チョコレートはカリウム(カカオ由来)やリン(乳・カカオ由来、加えて添加物に含まれる無機リン)の面で過剰摂取により高カリウム血症・高リン血症のリスクを高める可能性があります。 [2] [5]
- ただし個別性が大きい:腎機能の段階や血液検査、製品の種類(添加物の有無)と量・頻度の工夫によって、少量の嗜好として取り入れられる場合もあります。 [3]
- 安全に楽しむコツ:少量・低頻度、添加物の少ない製品選択、当日の高カリウム食品を控える、検査値で確認がポイントです。 [5] [4] [3]
参考になるポイントの早見表
| チョコ・関連品 | カリウム負荷 | リン負荷 | 実践ポイント |
|---|---|---|---|
| ダークチョコ(高カカオ) | 高め | 中 | 量を少なめに、頻度を控える。 [1] [2] |
| ミルクチョコ | 中 | 中〜やや高(乳由来+添加物の可能性) | 添加物なし製品を選ぶ、量を控える。 [5] |
| ホワイトチョコ | 低〜中 | やや高(乳・糖多い) | カロリー・リンに注意、少量に。 [5] |
| カカオパウダー/ココア | 中〜高 | 中(添加物で高くなることも) | インスタントは添加物確認、頻度を抑える。 [5] [1] |
最後に
チョコレートの可否は一律ではなく、血液検査の値と腎機能に合わせた「個別設計」が鍵です。ご自身の最新のカリウム・リン値、普段の食事全体のバランス、好きなチョコの種類を踏まえ、管理栄養士や主治医と相談しながら「無理のない楽しみ方」を見つけていきましょう。 [3] [7]
ユーザーの最近の検査ではカリウムやリンの値はどのくらいでしたか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 2.^abcdefDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 3.^abcdefghiEating right for chronic kidney disease(mayoclinic.org)
- 4.^abcdChronic kidney disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 5.^abcdefghijklmOrganic and inorganic dietary phosphorus and its management in chronic kidney disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Eating right for chronic kidney disease(mayoclinic.org)
- 7.^abcdefChronic kidney disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 8.^abDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


